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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
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第14話

俺たちは男子学生寮に入っていった。入口から入るとマンションというよりはホテルのようにエントランスホールが広がっていた。そこには管理人室と警備室があり厳重なセキュリティになっていた。また中央には2基のエレベーターもあり、高層に住む人の行き来が楽になるようにもなっていた。俺たちが用のある部屋は206号室であるため、その部屋に入ってもいいか管理人に念のため聞くことにした。

「すみません、新入生の新庄という者のですが。」

声をかける管理人室の奥から、50代中ごろ~後半だと思われる男性が出てきて、

「ほう、こんな朝から何か御用かな?」

「はい、こちらの建物の中に新入生特別試験の解答としてスタンプが置かれていると私たちは考えまして、部屋の中を見せていただきたいと思い伺いました。」

「ほう…。」

男性は俺たちをじっと見つめると、

「君たちは思ったより礼儀正しいようだね。()()()()()()()()()()()()ものだと思ったが、ちゃんとこちらに許可を求めて中に入ってきているようだし先程のことは不問にしよう。」

どうやら先程のやり取りは中にまで聞こえていたようだった。正悟はバツが悪い表情をしている。俺は男性へ感謝の旨を述べると、

「いいんだ。若いうちはやはり元気であることが一番だ。自己紹介がまだだったね。私はこの男子学生寮の管理人をしている吉良 孝造(きら こうぞう)という。君たちがどこに住むことになるかわからないがここに住むのであればよろしく頼むよ。」

「「よろしくお願いします。」」

俺たちはそうあいさつすると、何号室か聞かれた。どうやらここでは管理人、吉良さんに部屋を開けてもらうようだった。

「君たちは何号室かね?」

「私たちは1階の206号室です。」

「ほう、あそこか。そこはまだ開けに行ってなかったな。君たちのクラスでは最初になるんじゃないかな?」

「そこまで教えてもらっていいんですか?」

正悟は聞いてはいけなかったのではないかと思いそう聞き返すと、

「別に良いだろう、私がここのスタンプの管理も任されているんだ。それに順番を教えた程度で私や君たちに問題が生じるくらいならここにスタンプを設置しなければよかったことだと思わないかね?」

「た、確かにそうですね。じゃあ、一つ気になったのですが、他の部屋は開けに行ったことがあるということですか?」

「うん?そうだな。他の階の部屋だが、二か所開けに行ったよ。昨日のことだったがな。」

「なるほど、ありがとうございます。」

「他に聞きたいことはないかな?なければ行くぞ。」

「大丈夫です、お願いします。」

そう俺が返事をして206号室に向かった。

「そういえば、()()()()()()()()()()()()助かったぞ。」

「先程の件ですね。」

「ああ、ふらっと来たかと思ったら入ってこようとするとは思わなくてな。外の様子は監視カメラで見えているんだよ。」

なるほどと思い素直に感謝されておくことにした。


1階にある部屋であるため俺たちはすぐについた。

「ほら、ここが206号室だ。」

そう言って吉良さんは鍵を開けてくれた。

「ありがとうございます。」

そう言って俺たちが中に入ろうとすると、

「俺はここで待ってるから早く済ませてくれよ、中に一緒に入ることはダメだと言われていてね。」

「わかりました、あまり待たせないように手早く済ませてきます。」

「そうしてくれると助かるよ。」

そう話してから中に入った。玄関で靴を脱ぎ、廊下を歩くと扉が四つあった。手前から、トイレ、脱衣場、部屋、奥はリビングだった。リビングとキッチンは繋がっているが、キッチンもそこまで広くなかった。だが最低限でよければリビングでも生活できそうだった。スタンプはリビングにはなかった。そこで俺たちはもう一つの部屋に戻ることにした。その部屋には机、PC、ベッドがあった。PCは備え付けで、おそらく使うことが必ずあって一人一つないと困るだろうといったことで与えられているのかもしれない。

「リビングには見た限りなかったし、おそらくあるとしたらこっちだろう。」

「確かにあのリビングだとパッと見でなかったらなさそうだしな~。」

正悟もそう言って、部屋の中に入ってきた。

室内をあまり探索することなくスタンプは見つかった。スタンプは壁に埋め込まれたクローゼットに置かれていた。隠す場所がなく、それでも一瞬でわからないような場所に設置したようだった。

「正悟、ここだ。」

「そこにあったか。」

そう言ってベッド附近を探していた正悟もこっちに来た。そして俺たちの分と彼女たち二人分のスタンプを押すした。そして今回のスタンプには、「よくできました」「思い通りにいかない中でも」と書かれており、今回のではメッセージの表していることは分からなかった。

「よし、これで5つ目だな!早く次に行こうぜ!」

「待て、正悟。探索した後はしっかりと直していけ。」

正悟はベッドの付近を探していて、探したという跡が残っていたままだった。

「あ、悪い悪い。手伝ってくれないか?一人だとうまく整えられそうになくて。」

「仕方ないな。」

そう言って二人で荒らした跡を整えてから部屋を出て、そのまま206号室をあとにした。

「お目当てのスタンプはあったかい?」

端末をいじりながら待っていた吉良さんは顔を上げてそう言ってきた。

「はい、見つけられました。ありがとうございます。」

「いいってことよ。じゃあ閉めるからちょっとどいてもらえるかな。」

そう言って吉良さんは206号室に再び鍵を閉めて戻ろうとした。俺たちは彼についていきながら質問をした。

「すみません。」

「ん、どうした?」

「毎回鍵を開けていては面倒じゃないですか?」

「そうそう、どうせこの後も答えがわかった人が来るから開けていた方がいいと思いますよ?」

「確かにその方が楽でいいかもな。だが、この機会に新入生について私もどんな奴がいるのか知っておきたいんだよ、それに勝手に入ってきて勝手に出ていかれるようじゃセキュリティについても不安にならないか?」

「確かに誰でも簡単に出入りできるようだったら考えちまうかもな…。」

「そうだろう?だからたとえ試験中であっても私は鍵を閉めていることで、セキュリティは万全であると示してここに住む者たちへ安心を与えねばならないのだよ。私がここの管理人だからな。」

「なるほど、ありがとうございます!」

「いやいや感謝されるほどのことじゃない、当たり前のことさ。」

そんなことを話しているとエントランスホールに着いた。

「それじゃあ引き続き頑張ってくるんだぞ。」

「「ありがとうございました。」」

俺たちは感謝を述べて男子学生寮から出ていった。


エントランホールから外へ出ると彼女たちは特に会話もなく近くで待っていただけのようだった。確かに二人とも率先して話すような人たちではないが、さすがに待っている間ずっと会話がないとは思っていなかった。白崎は読書を、もう一方は端末を弄るかぼ~っとしていたようだった。

「待たせた。押してきたぞ。」

そう二人に声をかけると、

「あら、戻ってきたのね。押してきてくれたことには感謝しているけどそんなに時間のかかることだったかしら?」

と白崎は言い、もう一人の彼女は、

「………おかえり。」

とだけ言ってきた。

「管理人の人と少し話をしていた。多少これから世話になるかもしれない人だったからな。」

「そう、それなら仕方ないわね。」

彼女も納得してくれたようで助かった。正悟には噛みついても俺にはそこまで噛みついてこないので会話もまだ成立していた。

「ほら、用紙だ。ちゃんと押してあるか確認してくれ。」

そう言って二人に用紙を返した。

「ありがとう。」

「………ありがとう。」

と言って二人とも受け取ってそれぞれ自分の用紙を確認していた。

「そういえばまだ自己紹介してなくて君の名前分からないんだけど、俺は早乙女 正悟っていうんだ。よろしくな!」

「………舞依、榊 舞依(さかき まい)。」

「へ~、榊さんね。それで、どうする?これから俺たちはプール女子更衣室に行って、白崎に俺たちの分のスタンプも押してもらうことになっているんだけど。」

「………?」

彼女は首をかしげただけだった。

「俺たちと一緒に来るかってことだよ。」

「………いいの?」

「俺は構わないぜ!な、蒼もいいよな?」

「ああ、特に問題ない。俺は新庄 蒼雪だ。よろしく、榊さん。」

「私にも何の確認もなく決めるのね。まぁ足手纏い(あしでまとい)にならないなら構わないわ。」

「相変わらず一言余計だな!」

「何のことかしら?私の名前は白崎 千春よ。」

彼女は少し悩んだ様子だったが、

「………よろしく。」

とだけ言ってきた。おそらく同行するという解釈でいいのだろう。俺たちは4人でプール女子更衣室へ向かうことになった。



現在時刻9:00  18:00までおよそ9時間 現在集めたスタンプ5



ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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