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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
11/162

第10話

続きです。


俺たちは談話コーナーに移動して向き合う形で席に着いた。

「要件だけれど手短に済ませるわ。あなたたちの先程の発言から想定してだけれど、ある程度もしくは全ての問題は解けているのよね?」

「随分と直球だな。」

「時間がもったいないもの。で、どうなのかしら?」

「ああ、俺たちはすでに全ての解答を得たつもりでいる。それがどうした?」

「察しが悪いのね。それともわざとなのかしら?」

俺たちの返答が気に食わないのか呆れたような、それでいて若干の苛立ちを込めてそう言ってきた。

「④と⑥のことか?」

俺はそう聞いた。そもそも彼女が俺たちを呼び止めるとしたらそれしか思いつかなかった。この二つの解答は男女が協力しなければ集めることができないからだ。

「その通りよ。それなら言いたいことは分かるでしょ?ちなみに私も一応全ての解答を得たつもりでいるわ。だから私に隠そうとする必要はないわよ。」

「そうか、ならこちらからもお願いしよう。」

「えっと、どういうことだ?」

正悟は俺と彼女のやり取りから言いたいことを察することはできていなかったようだ。お互いに端折っていたから仕方ないともいえるが。そう思い、俺から正悟に説明をすることにした。

「④は男子学生寮の一階206号室、⑥はプール女子更衣室と言う解答を俺たちは考えただろ?」

「ああ。そうだな。」

「だが、俺たちは男子学生寮には入れてもプール女子更衣室には入れないだろ?そして、彼女は逆の立場にいる。」

「なるほど、お互いに入れないところのスタンプを代わりに押してこようということか?」

「そういうことだ。」

「察しの悪いそっちの彼も言いたいことが分かったようね。」

「なんだと!」

「落ち着け、正悟。そっちもわざわざそんなに噛みついてくることはないだろう?」

「思ったことを言って何が悪いのかしら?私は自分に正直でいるつもりなのよ。」

彼女は悪びれた様子もなくそう言った。この調子でいくと先が思いやられるような気がしてならなかった。

「自己紹介がまだだったな。これから少しの間だが協力関係にある相手だ。名前を知らないのも不便だろう?俺は、新庄 蒼雪だ。」

「俺は、早乙女 正悟だ。よろしくな。」

「私は白崎 千春(しらさき ちはる)よ。」



俺たちは互いに自己紹介をして、現状を確認し合ってからどう動いていくか話し合いをした。

「俺たちは、港、西グラウンド、図書館のスタンプを集めた。そっちは?」

「私は図書館と生物講義室よ。」

「俺たちの方が多く集めているみたいだな!」

正悟は勝ち誇ったようにそう言っていた。彼女は正悟を一睨みすると、

「たかが一個の差でしょう?それにそれはあなたの実力で解けたのかしら?新庄君の腰巾着としておこぼれを得ているだけじゃないのかしら。」

「なんだと!」

「はぁ、いい加減にしてくれ二人とも。話し合いが進まない。」

この二人の相性が良くないからか、何度もぶつかり合ってしまっている。

「この男は放っておくとして、そうね、取れる手はいくつかあるわね。一つはこれからプール女子更衣室に行ってから男子学生寮に行く。二つ目は、お互いにこの二つ以外のスタンプを集め終えてから、もう一度集まって押しに行く。最後は、お互いに今押してある状態を合わせてから二つを押しに行くことかしらね。」

「俺はどれでも構わない。」

「んー、それなら、最後に集まればよくないか?この女と会うのはその時だけでいい。」

「私もそうしたいのはやまやまだけれど、この案は守られるかどうかがわからないわね。」

「そうだな。それは否定しない。」

「どういうことだ?」

「はぁ、あなたはそんなことも想像できないの?いい、一度しか言わないから聞きなさい。仮に私たちが残り二つまで集め終えるまでにはまだしばらく時間がかかるわ。それは他の人たちもだけれどその間に他のクラスメイトに会わないとも限らない。そうなってくると、次に会った人たちとスタンプを押しに行ってしまい、片方は約束を守らずともスタンプを集め終えているのに片方は他の協力者を探すことになるわ。あなたはもし他の女子のクラスメイトに会っても私とのこの約束を優先するかしら?私ならしないわね。協力関係と言ってもスタンプを代わりに押してもらうだけだもの。代わりは探して見つかれば他にいるわ。ただ確実と言えないだけで。」

「なるほどな…。まぁ確かに他の女子に頼めるならそうするかもしれないな。お前と違って俺は約束があるなら守るかもしれないけどな。」

正悟は最後に余計な一言を言い返していたけれど、彼女の言わんとすることは理解できたらしい。

「それなら、どうするんだ?」

正悟はそう彼女に質問した。

「映画館とデパートは試験期間中だからと言って開けていてくれているわけではないらしいわ。他のクラスの生徒だけれどそう話しているのを聞いたわ。だから、一度お互いにスタンプの数を合わせてから合流がいいと思うのだけれど、どうかしら?先に協力してもいいのだけれど、私の移動距離が増えて手間なのよね。」

「俺はその案で構わない。どうせ時間はまだ十分にある。」

「蒼がそういうなら俺もそれで構わないぜ。」

「ならこれで決まりね。港はここから遠いし時間がかかると思うわ。だから待たせることになるわ、それでもいいのよね?」

「別に良いぜ、それなら俺たちはここで待たせてもらうからな。」

「いや、待ち合わせは東門にしよう。」

「ん、どうしてだ?待つのは俺らだし室内の方がいいだろ?」

「好きにしてくれて構わないわ。東門へ行けばいいのね?じゃあ私は行くわ。」

彼女はそう言っていこうとしたが、

「待ってくれ、連絡先だけ教えてくれないか?」

「別に待ち合わせ場所が決まっているなら教える必要はないでしょう?私の連絡先を手に入れて何をするつもりなのかしら?」

「変なことをするつもりはないんだがな。ただ、俺たちは東門でいつまでも待っているのはつらい。だから、スタンプを押せたところで連絡が欲しい。それに合わせてこちらも行動していくつもりだからな。待ち合わせには間に合わせるが他に観ておきたいところもあるしな。」

「……そういうことなら構わないわ。けど、新庄君とだけでいいわよね?そっちの男に知られると悪用されそうなのよね。」

「そんなことしねーよ!」

正悟は彼女の物言いに食い気味に否定していた。ただ正悟も彼女と連絡先を交換するつもりはなかったため、俺と彼女が連絡先を交換するまで端末をいじって待っていた。

「これでいいのよね?」

「ああ、時間を取らせて悪かったな。」

「じゃあ行くわ、集めたら連絡をするわ。」

彼女はそう言って談話コーナーから出ていった。正悟は彼女がいなくなると大きく息を吐いて、

「はぁぁぁ~。彼女、白崎だっけ?何であんなに攻撃的なのかね。余計な一言を言ってくるからめっちゃイラっとしたんだけど。」

「それはわからない。彼女の性格なんだろう。」

「けどさ、はぁ。」

何か言おうとして飲み込み、少ししてから、

「いや、そんなことよりもだ。どうして東門で待ち合わせなんだ?」

「そのことか。いっただろう、観ておきたいところがあると。」

「観ておきたいところ?」

「先生も言っていただろう?一応俺たちが住むことができる建物を時間の許す限り確認しておきたくてな。無料部屋でもいいが、他との差も確認しておきたい。」

「なるほど、確かに俺もどんな部屋や家が借りられるのか観ておきたいな。」

そう言って俺たちは生物講義室のスタンプを押した後に、部屋を観に行くことにした。



現在時刻05:00  18:00までおよそあと13時間 現在集めたスタンプ3

ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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