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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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第56話

「それじゃあここまでだ。」

「ふ〜。疲れた…。」

「思ったよりも蒼雪のペース速いな。」

「そうだったか?それなら申し訳ないな。時間も限られているから少しでも多くやろうとしたが、それでわからないところがそのままだと意味がないからな。」

「いや、進める都度確認してくれたからわからないってことはなかったぜ。」

「私も急な参加だけど助かったよ、ありがとう。」


俺たちは予定よりは早い時間だが、1時間20分で自分たちの教室での勉強会を終えた。


早く終えた理由としては時間に余裕を持ちたかったというが大きいが、早く終えた方が確認もしやすいからだ。

さすがに前日は困るが、まだ明日なら対応できるので質問を受け付けようと思ったのだ。


「何か質問はあるか?なければ俺は行くが。」

「一応大丈夫だよ!でも何かあったら連絡してもいいかな…?または明日教えてもらえると助かるんだけど。」

「そうだな。後でどこがわからないか教えてくれればそこを説明しよう。前日は俺も確認したいから明日までだけどな。」



「それじゃあ俺は行く。お疲れさま。」

「お疲れ〜、ありがとう。」

「ありがとう。」



俺は荷物をまとめると、千春と連絡を取り何処にいるのか聞くと、今は俺たちの家でやっているようだ。

最初はあちらの教室でやろうとしたのだが、他の人もいてやりにくいと感じ移動をしようとしたが他にいい場所が見当たらなかったので家でやることにしたようだった。


俺もそれを聞くと、学園を出て家に帰ることにした。



「ただいま。」

「「おかえりなさい。」」

「おかえり〜。」


俺が家に帰るとリビングからそれぞれの声が聞こえてきた。

昨日と同じようにリビングで勉強会を開いているようだった。


「そちらの調子はどうだったかしら?」

「まぁ問題はないだろうと言ったところだ。後は彼ら次第としか言えないだろう。」

「そう。じゃあ帰ってきて早々に申し訳ないけれど、こちらも手伝いを頼んでいいかしら?」

「疲れているところ申し訳ないわ。」

「ごめんね?」

「いや、これぐらい大丈夫だ。」


俺はそう言って、適当に荷物を置いてから勉強会に混ざった。



帰宅できたのは18時近くだったので1時間ほどして夕飯の時間となり中断したが、早々に食べ終えると、勉強会の続きを行った。



「こんな時間までごめんね?」

「いや、大丈夫だが、そちらこそ大丈夫か?」


勉強会を終えたのは22時頃だった。

前回は瑞希が眠そうにしていたが、それは彼女が疲れ切っていたからであっていつもはこのぐらいの時間までは問題ないらしい。



「遅くまでごめんなさい。あなたたちもやることはあるのに…。」

「いいのよ。教えることでこちらの復習になっているわ。」

「そう言ってもらえると助かるわ。」

「ところで送っていた方がいいか?」

「大丈夫よ。護身を少し嗜んでいるわ。それにこの時間に出歩いている人は今なら少ないはずよ。」

「そうか。だが気をつけて帰ってくれ。」

「ありがとう。じゃあ、おじゃましました。」

「失礼するわ。」


俺たちは彼女を玄関で見送り、風呂に入り、部屋で休もうとした。



コンコンッ


「少しいいかしら?」

「ああ、いいぞ。」


俺がそう言うと、千春が俺の部屋に入ってきた。

風呂上がりで寝間着姿の彼女は少し顔を赤らめていた。


「2つ、頼みごとがあるのだけれどいいかしら…?」

「内容によるが、どうした?」

「1つ目は、今日は何も言わなかったけれど、試験が終わるまで朝のトレーニングの時間を勉強の時間にもらえないかしら?一応私たちは他の人に教えているけれど、それで余裕を見せて失敗したら目も当てられないじゃない?」

「そうか…。まぁ、それぐらいなら構わない。試験への対応策ももう少し考えられるかもしれないしな。それでもう1つは?」


俺は1つ目の頼みごとを渋々だが受け入れ、もう1つの頼みごとを聞こうとした。


「今日は同じ部屋で寝てもいいかしら…?」

「…は?」

「あなたと2人でいる時間が減って寂しく感じているの…。ダメかしら…?」

「一応俺たちも年頃の男女だ。過ちが起こるとは思わないが、後日時間を作るからそれで我慢してもらえないか?」

「そうよね…。変なことを言ってごめんなさい。私も休むわ。」


彼女は寂しそうに部屋を出ていこうとするので、このままにしておくのは申し訳なく思ったので、


「はぁ…。少しだけ待ってくれ。」


俺はそう言うと、立ち上がり彼女に近づくと、その頭をしばらく撫でてやった。


「俺がいろんな奴らと一緒にいるから時間を割けなくなって寂しい思いをさせているんだろう?だから今はこれで勘弁してくれ。」

「…うん。」


俺がそうしていると、千春は俺に抱き着いてきたが俺はそのまま撫で続けた。



しばらくすると、彼女は満足したようで、


「夜分にこんなお願いをしてごめんなさい。」

「いや、気にするな。だが、もう遅い。早めに休んでくれ。」

「ええ。そうするわ。おやすみなさい。」

「おやすみ。」


俺は千春が部屋を出ていくのを見送るとそのまま布団に入り眠りについた。






翌朝、俺は朝の日課をせずにそのままリビングに勉強道具を持っていこうとすると、部屋をノックする音が聞こえた。


コンコンッ


「起きているかしら…?」

「ああ。起きているぞ。」

「それじゃあ、失礼するわ。」


彼女は未だに寝巻のままだったが、勉強道具を持って俺の部屋にはいってきた。


「いちいちリビングに持っていくのも面倒じゃない?だからここでやろうと思うのだけれど、いいかしら?」

「ああ。少し待ってくれ。」


俺はそう言うと、クッションと机を用意して彼女を座らせた。

そして、そのままいつもの朝食の時間になるまで2人で勉強をしつつ、試験の対応策を考えていた。


「試験にはお互いに前半と後半の分け方で本当にいいのだろうか。」

「そうね…。そう単純にいかないようにルールが設けられている可能性もあるわね。」

「そうだな。率直な意見を聞きたいが、臨機応変に対応で上手くいく可能性はあるか?」

「…かなり厳しいと思うわ。前半と後半で分けるのが最もシンプルでわかり易いけれど、それを交互に問題を解いていく、分野で分けていく、等々のやり方にしてしまうとそれが50点分になるかと言われると不明ね。」

「そうだな…。しかし、担当したところを全部が解けるわけではないということは否定できないだろう?」

「それはあなたに私を信じてとしか言えないわ。」


千春はそう言うと俺の目をまっすぐに見据えてそう言ってきた。

千春の意見はその通りだと思った。

自分だけならまだしもペア、相棒の人を信じることがこの試験では重要だ。

欲をかいて自分だけでも、と考えてしまえばそれは減点につながってしまいかねないのだ。


「…そうだな。俺は担当したところをやり遂げるから、千春も担当したところは頼む。」

「ええ、わかっているわ。」



そして、俺たちは話し合いを終えると、朝食を食べ、準備をし終えてから学園へと向かった。


ちなみにこの日も正悟は休みで、舞依もそれに付き添って休むようだ。

授業の内容については千春の方から連絡をすることになったので、この日の授業中の千春はいつもよりもメモを多く取り、試験に出る可能性の高いところをピックアップしたりしていた。


放課後はこの日も詩音・響真ペア、一・優里ペアに教えてから、瑞希・皐月ペアに試験範囲でわからないところの説明をした。

彼らも昨日の俺との勉強会を終えてからわからなかったところを自分たちで確認し合ったようで、それでもわからないということになったところや、曖昧だ、というところを俺は説明した。


瑞希たちも自分たちで一通りやってはあるので、今日は確認程度で収まった。


翌日は試験前日ということなので基本的には今回みたいな勉強会はやらないとだけは伝えて解散した。


その他の名も知らぬクラスメイトから時々聞かれることはあったが、時間がない時は普通に断りこれをきっかけに話そうとしていることが丸わかりの人は適当に理由をつけて断るなど、噂の影響は収まりつつあっても未だに完全になくなったわけではなかった。


君島からもクラスで勉強会をやらないかと言われたが、流されてから謹慎を食らっていたクラスの中心人物からの意見は受け入れることができず、親しくもない人に教える義理はないと真っ向からその提案は蹴っておいた。


親しくなれば考えるが、今のようなやり方を取る以上可能性はないとだけ付け加えて言っておいた。


彼自身を嫌う理由はないが、好く理由もないので俺は彼からの頼みを聞く可能性もほとんどないだろう。

俺にメリットがあるか、何かしらの釣り合う貸しがあるなら考えたかもしれないが…。



この日も夕食後は一緒に千春と勉強をしていたが、途中からは通話状態にしたまま舞依も交えて昨日、今日の授業で行った範囲を勉強した。

明日には学園に行けるだろうということで、ついでにその範囲の予習もしておいた。


それらを終えると俺たちは風呂に入りそれぞれの自室で休むことにした。

今回は千春が俺の部屋に来るということはなかったので、そのまま布団に入りしっかりと寝た。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。


感想・評価・ブックマークもしていただけると嬉しいです。

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