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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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第54話

昼食を終えた俺たちは、再び2手に分かれて勉強を開始した。

俺は午前中に参加していなかったので何処までやったのか確認しつつ、一緒に勉強をしている舞依と瑞希の調子を見て進めた。

2人のペースは特に問題なく、むしろ午前中の分も巻き返す勢いも見られたため、当初の予定よりは早いペースで一周を終えることができた。


「よし、これで一通り範囲を浅くだが網羅で来たな。」

「…うん……、終わった。」

「…つ、疲れた〜。まさか2日間で本当に終えるなんて思ってなかったよ。」

「2人は少し休憩していていいぞ。」


俺がそう声をかけると、瑞希はその場で後ろに倒れこみそのまま目を瞑って休んでいた。

舞依は一息つくと、瑞希のとなりで同じように休んでいた。

どうやら一緒に勉強をしていた時間も長いということで距離もだいぶ近づいていたようだ。


俺たちのグループは終わったが、まだ千春たちのグループは時間がかかりそうだった。

というのも、やはり正悟に時間がかかってしまっているからだ。

ペースとしては問題ないのだが、正悟が疑問を抱える頻度が多いのでその度に止まってしまうのだ。


「どうだ、調子は?」

「まだかかりそうね。」

「…悪い、俺が足を引っ張っているのはわかっているんだけどよ。」

「誰にでも得手不得手はあるから気にするな。」

「ああ…。」

「皐月はどうだ?」

「私は問題ないわ。」

「皐月さんは蒼雪君に苦手なところを見てもらってもいいのよ?本来はそれが目的だったはずでしょうし。」

「いいのよ。ここまで来たから最後までやりましょう?」

「わかったわ。」

「邪魔をしたようだな。こっちは休憩が終わり次第それぞれの苦手分野に手を付け始める。」

「よろしくね。」



俺は千春たちの進行の確認を終えると、舞依と瑞希が休憩していることを確認して自分の部屋に戻った。


そして、机からこれから必要になるだろう教科書類を手に取った。


(何が原因で俺は倒れたのだろうか?)


俺は机から教科書を取る時に目に入ったベッドを見て俺は今朝のことを思い返していた。

ベッドは意識を取り戻したときにそのまま降りてきてしまったので整えてられていなかった。

いつもなら整えてからリビングへと移動をしているので、なぜかと考えた時に今朝を思い出すきっかけになってしまった。


(皐月から俺の行動を諭されてどうふるまうべきか考えて、それで…。)


しばらくその場で考えこんだが、その時の自分がどのような思考に至ったのか思い出すことはできなかった。


「あれ、ここにいたんだ。ノックもしないでごめんね。」


俺の姿が見えなかったことで、瑞希は俺がどこに行ったのだろうか探しに来たようだった。


「いや、何も言わずに移動をしていたんだ。気にしなくていい。」

「うん。今朝みたいなこともあって心配になって。けど、なんともないならよかった。私も舞依も休憩したからもう大丈夫だよ?」

「わかった。すぐに行こう。」


俺は1度手に取った教科書類を机に置いてからベッドを整えて、教科書類を忘れることなく持ってリビングへと戻った。



リビングへ戻ると舞依と瑞希は準備万端という様子で待っていた。


「お待たせ。」

「ううん、大丈夫だよ。私たちが教えてもらう側だしね。」

「…蒼雪はゆっくりでもいい。」


俺は2人の苦手としているところを重点的に教え始めた。


勉強を再開して1時間が経つと、千春たちの方も1周が終わったようで休み始めていた。

そこから少しして皐月も合流して、代わりに舞依が正悟の面倒を見始めた。


千春は夕飯の用意を早くから始めてくれたので、俺は2人に集中して教えることができた。



「夕飯の用意ができたわ。そろそろテーブルの上を片付けて手伝ってくれないかしら?」


勉強をしているさなかでキッチンからいい香りがしてくると、千春が俺たちに対してそう言ってきた。



「わかった。」

「はーい。」


俺たちはそれぞれ返事をすると、テーブルの上を片付ける人、キッチンで盛り付けを手伝う人、運ぶ人とそれぞれ自分たちで判断して夕飯の手伝いをした。



「いただきます。」

「「「「「いただきます。」」」」」


俺たちは夕飯の間、会話を楽しみながら食べていた。


「こうやってみんなで夕飯を食べる機会って減ったよね。」

「そうね。多くの学生は寮で一人暮らしをしているか、相棒を組んでいたとしても2人でしかいないものね。」

「確かに夕飯は1人かしら?」

「俺が寮にいた間もそうだな。それか、近くの部屋のやつと一緒に食べていたかな。時々だけどよ。」

「やっぱりそうやって考えるとみんなで食べる機会は減ったよ〜。家族で食べてた時が懐かしいな…。」


瑞希はみんなで食事をしていたからか家族を懐かしく思っていたらしい。

瑞希がそう言ったしんみりとした空気を作り出したので、他のメンバーも家族と食事をしていたことや団欒、思い出を振り返っているようだった。


俺も俺を引き取ってくれた人たちを思い出して懐かしく思っていた。

もう2月近く経つにもかかわらずこのような心境に至っているのでまだこの島での暮らしに本当に馴染んでいるわけではないのだろう。


俺たちはホームシックになりかけていると、


「ごめんね!ちょっとしんみりさせちゃったね。」


瑞希は急に声を上げて今の空気を換えようとしていた。


「いいのよ。瑞希も寂しくなっちゃったのね。」


そう言って皐月は瑞希の頭を撫でていた。

瑞希はみんなの前でそうされて恥ずかしそうにしていた。


「でも、この島にきた当初のことも思い出したわ。初心を忘れないようにしないといけないわね。」

「ああ。そうだな。」

「そうだな〜。最初の白崎は蒼に突っかかっていたしな。」

「あ、あの時は、まだ蒼雪君のことも知らなかったし仕方ないじゃない!」


正悟が俺と千春と正悟が初めて会ったときの船での出来事で、千春をからかったので千春は恥ずかしそうに言い返していた。


その時の出来事を知らなかった皐月や瑞希には正悟が改めて説明していた。

その場にはいなかったが以前話を聞いていた舞依は静かにその話を聞いていた。


千春としては話されたくなかったようで終始正悟を睨みながら恥ずかしそうにしていた。

話を聞いた2人は、最初はそんな感じだったのかと俺たちの出会った時を面白そうに聞いていた。



夕飯を終えた俺たちは片づけを一通りすると、4人が帰るのを見送った。


「ありがとう!この2日間でかなり復習できた!」

「ありがとう。私までお世話になっちゃたからいずれ何かお礼をさせてちょうだい。」

「そんなことしなくてもいいのに。けれど、何かあればまた言ってちょうだいね。こうしてみんなで勉強するのも悪くないと思ったわ。」


「…ありがとう。」

「サンキュー!後は家でも頑張ってみるから!」

「本当に頑張ってくれよ?どうなるかはわからないが評価が下がるような真似だけはしないでくれ。学生の本分は学業だからな。」

「耳の痛い話だけど、わかってるよ。」


「じゃあな!」

「「「「おじゃましました。」」」


俺と千春は4人を見送ると、風呂の用意をしてそれから自室で勉強をしてから休むことにした

この2日間は正悟や千春、瑞希が部屋に来たこともあっていつもと違った日常だったと改めて思い返していた。


試験まで残り4日。この休日はうまく使えたのかはわからないが、有意義に過ごすことはできた。

俺たちはできる対策をしてきているのでこの行動が試験の結果に結びつくように願うばかりだ。


(明日以降の授業では試験に向けて特別に何か時間があるわけではないので、その時間で聞いたキーワードを逃さないようにしなければいけないな。)


俺はそう言ったことを考えながら眠りについた。



ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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