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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
1学期編 ~中間試験~
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第53話

俺は目を覚ますと、自分の部屋で横たわっていた。


(俺はどうしてここに…?確か地下にいたはずでは…。)


俺は意識を取り戻したが直前まで何をしていたのかを思い出せずにいた。



端末で時間を確認してみると、時刻は10時頃と表示されていた。


どの程度この状態だったのかはわからないが、自分の記憶ではまだ6時前後だったと記憶していることからも推定で4時間はこのままだったかもしれない。


俺はひとまず何があったかを聞くためにリビングに降りていくことにした。

朝食をまだ食べていなかったため、空腹なので何か食べるものが残っているとありがたい、そんなことを考えながら移動をしていた。



「蒼雪君!もう大丈夫なのかしら?」


俺がリビングに入ると真っ先に声を上げたのは千春だった。

いつもの彼女らしくない慌てたような様子だった。


「ああ。先程目を覚ましたが、直前までの記憶が飛んでいるんだ。瑞希が部屋を出ていったと…。」


俺がそこまで言うと、千春が俺に飛びついてきたので抱き留めた。


「ごめんなさい。私たちがあなたを思い詰めすぎたから…。」

「ごめんなさい。貴方がそこまで自分を追い詰めてしまうとは思っていなかったの。」

「蒼雪君に無理さ過ぎちゃってごめんなさい。」


俺は3人から謝られて何が何だかわからなかったが、ここは謝罪を受け入れた方がいいのだろう。


「あ、ああ。わかったから今はもう謝らなくていい。それよりもいったい何があったんだ?」

「蒼が覚えていないんじゃ誰もわからないぜ?」


彼女たちがどういうべきかと悩んでいると、正悟がテーブルからそう言ってきた。


「どういうことだ?」

「さっき自分で言ってたじゃねえか。黒宮さんが部屋から出たところまでしか覚えていないって。俺が聞いた話もそこまでだし、そのあと30分ぐらい蒼を1人で考え事をさせてそれから様子を見に行くって話になったらしくて、様子を見に行ったらお前が倒れていたんだ。」

「そうか…。心配かけてすまなかったな。」

「いいのよ、私たちがあなたに甘えすぎていたのだから。」

「そう言うことは…。」

「ううん。私たちは蒼雪君に話を聞いてもらうことはあっても蒼雪君のことは聞いてあげられたことはなかったなって思ったの。だから一方的になっちゃっていると思うの。それじゃあ私たちが蒼雪君を利用しているみたいじゃないかって…。」


瑞希は俺の言葉をかぶせるように否定してきた。


「それに、私もあなたをよく知らないであんなことを言ってしまったわ。」

「俺の行動が客観的にはそう見えていたのだから仕方のないことだろう?」


皐月が申し訳なさそうに俺にそう言ってきたが、俺自身皐月言ったことはその通りなのかもしれないと胸が痛んだこともあり、否定できないと感じていたので誤られることではないと思っていた。


「とりあえず何があったのかわからないならこの話は終わりだ。そして頼みがあるのだが…。」


俺は、話はこれで終わりというようにして申し訳なさそうにしながら言葉を続けた。


「朝食を食べ損ねているんだ。何か食べるものはあるか?」

「それならまだご飯があるからチンして食えよ。」


そう言って正悟はキッチンの方を指さした。


「ありがとう。」


俺はそう言ってキッチンへと移動した。


「何か手伝おうかしら?他に食べたいものは?」

「特に大丈夫だ。この時間だ。昼まで時間もないし軽く食べる程度に抑える。」


俺はそう言って残りご飯を温めて、適当に朝食をとった。


その間は、彼女たちは昨日の続きの勉強をしていたようで昨日見たところよりは進んでおり、科目も残すところ2つというところだった。


5教科7科目をこのペースで広く浅くやっているが、どの程度まで試験に対応できるのかはわからない。

一通り終わってから苦手科目を集中的にやるが、それで何とかなるといいのだが。


朝食を手早く食べ終えると俺も勉強会に混ざろうかと思ったが、この5人で今やれているなら俺は買い出しに行くと彼らに告げた。


「冷蔵庫の残りから見ても昼の分はギリギリだが、夕飯の分は足りないな。明日の朝の分もあるし買い出しに出てくる。」

「それなら私も行くわ。1人では荷物も大変でしょう?」

「だがそれだと教える側が減ってしまう。」

「そうね…。」

「…それなら私が行く。この中で比較的残りの範囲で問題がないのは私。」


誰が行くかで話し合うと舞依がそう言ってきた。

確かにここで残っている科目から考えて、瑞希と皐月のちょうど被っている苦手科目をやるならば2人は除外だ。

そして正悟の勉強をサボらせて連れていくというのは論外だから消去法としても舞依が適任だろう。


「悪いが頼む。」

「…うん。」


俺と舞依で買い出しに出掛けた。



買い出しの間は2人で俺が意識を失っている間にあったことを聞いた。


舞依としても話していいが特に大したことはなかったと言って勉強をしていたことぐらいだと言っていた。

彼女たちの様子について触れることはなかったので舞依の言葉が頼りだが、特に推定できる材料もなかったのでそのことについては考えることを止めた。


おそらくこういったことも想定して自分が行くと言ったのかもしれない。


俺はこの話を終えると、昨夜は何時まで勉強をしていたのか聞くと、およそだが1時ぐらいまではやらせていたと言っていた。


「…早乙女は夜に出掛けていることが多い。何をしているかは知らない。けど、危ないことに手を出しているわけではなさそう。一応伝えておく。記憶の片隅にでも置いといて。」

「わかった。」

「…まだ直接聞くには早いかもしれないから。教えてくれたら話す。」

「わかったが、何故今それを?」

「ん、夜に出掛けている余裕があるならその時間も勉強させておかないと生活費が足りるかわからない。私たちと蒼雪たちとじゃポイントが違う。ましてや勉強の成績じゃ早乙女はダメすぎる。」

「手厳しいな。」

「相棒だけど、信頼しているわけではない。けど、利害は一致したから協力関係を結んでいる。」

「そうなのか?」

「うん。」



俺たちはそんなことを話しながら買い物をしていた。


利害の中身は教える気がなさそうなので聞くことはしなかったが、彼女たちの仲なら一緒に暮らしていても間違いが起こることもなさそうであるし、相性もそこまで悪くはないはずだから案外やることやっていれば上位に上がれるかもしれないと俺は思った。


買い物をしている間はいつものおばさんにあったりもしたが、千春は家で他のやつに勉強を教えているというと浮気じゃないならいいと朗らかに言われた。


俺が思っていたよりも、千春はこういった人ともうまくやることができているようだ。




俺と舞依は買い物を終えて家に帰ると、まだ勉強をしているようだが正悟は疲れ切っていた。


俺たちが帰ってきたことに気が付くと、昼食の用意をするから休もうと真っ先に言ってきたが今回は、それを止めることはしていなかった。


正悟の集中力が限界だと感じていたようだから今はこれ以上無理をさせても無駄だと思ったらしい。


昼食は適当に麺類で手早く済ませようということになっていたので俺と舞依で協力して焼きそばを作った。


そして食にこだわっていた舞依はトッピングとして夕飯にカレーを作る予定といったときに福神漬けを買っていたが、ここでも使うようで福神漬けを用意し、目玉焼きも用意していた。


少しだけ焼きそばが豪華になったので正悟は喜んでいた。

舞依は食に関してはこだわりがあるようで量も食べるし、質も言って移譲を求めるようだった。

一緒に作ることは何度かあったが、こういった簡単なものでも少しの手間を惜しまないようだ。


昼食を楽しく食べると、俺が起きてきたときのような空気はなくなっていたので午後の勉強もそうだが、ここからはみんなの調子も良くなってくるだろう。


俺はみんなを見渡しながらそう思い、自分の分の焼きそばを食べていた。  


ここまでお読みいただきありがとうございました。


また次話もお読みいただけると嬉しいです。

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