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俺たちの共同学園生活  作者: 雪風 セツナ
入学編 ~特別試験~
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プロローグ

初めて執筆した作品となります。

至らない点も多々あると思いますがご了承ください。

プロローグということもあり舞台設定・背景の説明の多い話となっております。

四月某日


 関東の至るところでは多くの新入生が待ちに待った高校の入学式が執り行われている。


 ある者は、これから始まる新生活に期待を膨らませて、ある者は、周囲の人物と自分が親しくできるかどうかといった不安を抱えていることだろう。様々な目標を抱えた多くの新入生がこの日、入学式に参加している。


 それはこの東京都の所有する人工島でも同様である。本日はこの島にある高校、相棒共生(あいぼうきょうせい)学園(がくえん)でも入学式が行われる予定である。



  2XXX年、地球温暖化、核問題、貿易摩擦といった問題を多くの国々が抱えていたが、日本では男女の婚姻率の低下に比例した出生率の低下が著しい問題となっていた。


背景として、女性の社会進出、女性の社会的地位の確立によって日本の社会情勢は変化した。変化については賛否両論あるとは思うが、これに伴う変化の一つとして挙げられたのには晩婚化があった。


 理由の一つとして、働くことを生きがいとする女性も多くなっていったこともある。その結果、男女の時間を過ごす者も減り、個人の時間を大切にしようとする者も増えていき、次第に人々の意識から結婚願望が低下し始めた。


 この変化に国は気が付くには遅すぎた。人口が年々減っていると言われていたのが目に見えて分かるようにわかってから対策をどのようにするか話し合いを始めた。


 その後、政府が出した対策として婚姻可能年齢を男女ともに16歳からと引き下げたこと、一夫一妻制から、一夫多妻制・多夫一婦制とするなど、当事者間に同意があれば婚姻可能人数の壁を取り払うことだった。

 

 しかし、それだけでは婚姻を意識しなくなった者たちの意識は変わらなかった。そこで、国は若者の意識を変えることに着手することにした。


 その一歩として、若者たちを現在の大人たちの結婚に対する意識から隔離された場所を作りあげ、意識改革をすることだった。


 そのために、東京都は国や企業から多くの出資を得て新たな人工島の建設をした。そして、婚姻可能年齢に達する若者、つまり高校生たちにこれから日本の意識を変えさせることができるような将来のリーダーを育てることを目的とした高校を設立した。



それが相棒共生学園である。

 

 この学園は情報規制がされており、外部からは学園の情報がほとんど入手できなかった。なぜならば、学園在籍期間は原則この島から出ることは認められていないからだ。


在校生からも情報がなく、島に行くことを認められているものも守秘義務を課されているため誰も取材に応じることはない。また、新設校であるがゆえに実績も未知数であり、怪しいとしか言えない学園だと考えていた。


 そのため、この学園に入学するかどうか考えることはなかったが、中学三年のときに俺は担任の教師からこの学園から推薦状が届いていると聞いた。


「相棒共生学園を受験してみないかね?君にあの学園から推薦状が届いているよ。」

「私に対してですか?」

「ああ、学園から君宛てにこの資料とともに受験票がね。この話を受けてくれるならば、これを君に渡すようにとね。」


俺は、少し悩んだが


「ありがとうございます、この話を受けてみようと思います。なぜ俺に対してなのかわかりませんが非常に興味深い話ですからね。」


俺は当時のやり取りを思い返しながらも、資料の内容も思い出していた。



・三年間は島で生活をしなければならないが、その生活拠点については入学後詳しい話がされる


・特別な制度を用いているため、金銭に関しては心配する必要なく学園側から支給される


・多くの独自の制度が用いられているが、本島より許可されているため島の制度にのっとって生活すること


他にも多くのことが書かれていたが、詳細は省かれており、表面的にわかることはこの程度だった。


 そこまでの裁量がこの学園に認められることについて疑問はあるが、「必要なことだからだ。」理事長のこの一言で認められていることからも本島からこの島における独立されたある程度の権利が認められているようだ。

 


 そんな学校に、この俺、新庄(しんじょう) (そう)(せつ)も入学することを許され、本島から船で移動をしているわけである。

入学式が行われる予定日の前日に生徒の住所によってそれぞれ集まるように言われた場所から船で移動をすることになっていた。

生徒それぞれに個室を割り当てられており、他の人と話すか話さないかはコミュニケーション能力の分かれるところとなるだろう。

 

 ちなみに俺は必要最小限度でしか部屋からは出ていない。そこまで周囲の連中と仲良くやる必要を感じていないからだ。

しかしそうは言っても、必要になれば周囲と関わらなくてはならないのだろう。

面倒ごとは嫌いだが、退屈なことも嫌いな俺からすると、この学園生活がどのようなものになるか俺自身が柄にもなく期待してしまうのは俺も新入生の一人だからだろう。

 


「さて、俺を満足させてくれるやつはいるのかな」


 俺は、部屋でそう呟きながらベッドで目を閉じた。


島に着くまであと少し。

待ち受ける学園生活が始まるまで俺は休むことにした。


次回もまだ、説明が続くことになるかもしれませんが、可能なら主人公以外の人物を出演させられるように努力したいと思います。

このような作品でもよろしければ次話もお読みいただけると嬉しいです。

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