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『』は精霊リクのセリフです。
異世界に転生して10才と1日が経ちましたマリーンです。
現在、私は現世の両親と昨日会った神官、私付きの侍女のアニータに囲まれています。
何故かと言うと、昨日臭かった私が全く匂わないからです。
おっと、この世界では、めっちゃ良い匂いだったのに今は無臭ってこと。
んで、匂いで精霊の数を大まかに把握している人間にとって、一度ついた精霊が離れるってことが今までなくて今の精霊の数と昨日の儀式後の確認の為に呼ばれて本人おいてきぼりで深刻になってるみたいなんだよね~。
「確かに儀式後は王様、王妃様より強い香りがいたしました!」
「失礼ながら、私アニータも姫様が自室に帰られたときには、大変良い香りがいたしまして、部屋中姫様の香りで埋め尽くされました。」
お母様は心配げな顔をし、神官と侍女の話を聞いたお父様は唸りながら思案顔で私に目を向けた。
「うぅ~む。しかし、今は何も香らぬ。マリーンお主、今どれ程の精霊様が見える?」
「はい、私の周りには今、人型の精霊様が1人いらっしゃいます。」
何故、こんなに周りが焦ってるかと言うと精霊は神様の代理と思われてて精霊が多くつく=神様に愛されてる、になるわけで、世界の成り立ちと建国の内容を考えると王族は精霊が沢山ついてる=匂いが強くないと駄目みたい。
それで、新事実!
神様の代理と言われている精霊の体型が美しいと言われてるみたいで…だから、この世界は精霊と同じ体型で神様に愛されてる(匂いの強さ)で美しさが決まるみたい。
「うぅむ…昨日の儀式後から今までの話を、もう一度してくれぬか?」
「はい、儀式後私の周りには、カラフルな虫型や色んな羽色をした精霊様が部屋中を飛んでいらっしゃいました。
眠る前まで精霊様の幻想的な姿を眺めておりましたが、起きると人型の精霊様が1人しかおりませんでした。」
『またまた~、自分で僕に頼んでおいて~』
私は周りに気づかれないようにギロリとリクを睨んだ。
『お~、怖い怖い。
はぁ~…君の魔力を独り占めできるってのも良いね。あむっ。もぐもぐ。』
「して、その精霊様の身姿は美しくなかったと聞いておるが…」
『ムキーッ!僕が美しくないだって!?
人間の美意識がおかしいんだよ!だいたい、人間は最初あの子たちが周りにいると臭い、臭い言ってたくせに、あの男が沢山の、あの子たちを率いて国を作り始めたとたん、よい匂いだ、素晴らしいって言って…!!』
リクから聞く衝撃な事実を横に私はリクの姿を伝えた。
「私についている精霊様は緑の髪に、ほっそりした体型ではありますが小さいながらもガッシリしており、顔は小さく瞳は二重でパッチリしており手足は長く8頭身ほどの、すっきりした姿でございます。」
「ああっ…」
「うーむ。どうしたものか。」
お母様は悲しみの声をあげ顔を手で覆い隠し、お父様は苦悩の表情をした。
私はお茶会から逃げるため提案した。
「お父様、お母様、申し訳ありません。
今はまだ、私にできることが何かわかりませんが、明日より私は視察をし市民のために何ができるのか探して参ります。
このような女は王族としても女としても魅力はございません。
弟のエヴァンを王になさいませ。」
「うぅむ……。良かろう。明日より視察し国の隅々まで見て参れ。」
「畏まりました。」
お茶会とおさらばできた私は内心、狂喜乱舞しながら恭しく返事をするのだった。
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