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「ひ…さま……姫様。さぁ、朝ですよ」


シャッ!シュルシュルシュル


優しい声とカーテンを開ける音を耳に、眩しい光を感じながら私は目を擦る。


「かぁしゃん…ねむい」


自分から出た舌足らずの言葉と声に、急速に目が覚め意識がなくなる前の記憶が目まぐるしく甦る。


“えっ?なんで?私は死ななかったの?言葉がきちんと話せないのは後遺症?

それにしても、まるで幼児のような声だし…”


「姫様、目が覚めましたか?

私は王妃様ではございませんよ。侍女のアニータでございます。」


覗き込まれ言われた言葉を脳が処理できずにいると、アニータと名乗った女性は笑顔で去ってドアを開け出ていくのだった。


周りを見回すと布団があり、大きなベッドに座っているのが自分だと認識する。

奥にはアンティーク調の可愛い机と棚があり、ドアが2つほど見えた。

棚には本とアクセサリーと人形が飾ってあるのが見え、机にはペンと書きかけのノートがある。


暫く周りを見ていると再度ドアが開き、アニータが洗面器のような物とタオルを持って入ってきた。


アニータは50代のぽっちゃりした体型で、黒っぽい茶髪は綺麗に纏めており、瞳は薄い茶色で目尻に皺を作りにこやかに微笑んでいる顔は彼女の人のよさを感じさせる。紺色のメイドのような服の上からエプロンを着けた、すっきりした装いをしている。

ベッド縁までやってきた彼女は、私に一言声をかけ近づくのだった。


「さぁ、姫様。顔をお拭きしますね。」


されるがままに顔を拭かれた私は目も鼻もスッキリし大きく息を吸った。

すると、何だか臭い匂いがした。そう、まるで卵が腐ったような硫黄の匂いが…


「ッ!!」


ビックリした私は匂いの発生源を探すと、目の前のアニータから匂ってきている事に驚愕した。

まさか、清潔な見た目の彼女が臭いとは思いもよらず、思わず鼻を摘まんでしまった。


「あらあら、姫様。どうかしましたか?」


早く離れて欲しく、私は激しく首を横に振ると、アニータは離れていき、安堵のため息を吐くのだった。


「それでは、姫様。お着替えした後は、お食事です。ドレッサーより衣装をお持ち致しますので、暫くお待ちを」


すぐにフリルの着いたワンピースを持ってこられ、着替えさせられ食事が用意される。


「本日の朝食はクロワッサンにコーンスープ、生野菜のカルパッチョにステーキ、山羊の乳でございます。

また別メニュー、同じメニュー共に、まだ、ございますので、ご所望の場合は申し付け下さい。」


そのメニューの多さとボリュームにビックリするのだった。

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