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16

エヴァンに匂いの事がバレてから一年が経った。

あれからエヴァンは姉様、姉様と前より私に引っ付いて回るようになった。昔からエヴァンの事を可愛がっていた私は立派なブラコンだと言えただろうが今ではエヴァンも立派な…いや、重度のシスコンだと言えるだろう。


私が王族教育をしていた時は食べる勉強のみで、あとは寝て1日が過ぎていっていた。エヴァンもそうなるであろうと思っていた。しかしエヴァンは頭が良かった。当時、私が1日かけてしていた事を半日で終わらせていた。そして、体力もあった。これは私が城下へこっそり連れて行って遊んでるからだろう。

そのためエヴァンは時間が余るのだ。余った時間をどうしてるかと言うと私の部屋へ突撃してきたり視察にまで着いてくる始末。

どうにか二人っきりになりたい様で部屋では護衛や侍女を追い出そうとし、視察では馬車を別に用意し、一つは私とエヴァン、もう一つに私たちのお世話をする侍女が乗っている。

エヴァンにそこまでさせる匂いに私は戦慄するも、きちんと彼らの仕事の邪魔をしてはいけないと理由を言えば納得してくれ部屋などで追い出そうとするのは止めたが馬車では納得してもらえなかった。

「馬車内ではお世話してもらうこともないですし侍女は要らないですし、護衛は騎乗して並走してもらえば問題ないですね?」

なんて言われ、モニョモニョ小さな言い分を伝えるも言い返され最後には涙目上目遣いで「姉様は僕の事が嫌いなんですか?」なんて言われたら了承するしかなく現在私の隣でベッタリ引っ付いている。


「姫様、王子様、今日の宿泊場所へ着きました。」


馬車の外から護衛であろう人が到着を教えてくれた。


「姉様、降りましょう。」


手を引かれ戸を開け一緒に外を出た。出るとき横目でチラッと到着を教えにきた護衛を見ると、私の馬車内の匂いがドアを開けた事で彼に届いたのであろう、顔を赤くし気もそぞろになっている様でボーッとしていた。


宿屋に着き、着替えるからと理由をつけ侍女にゴテゴテした服を脱がせてもらい簡素なワンピースに着替え、やっと一人になれた。


『君の弟凄く君にベッタリだね。』


『なんだか最近楽しくないわよ。』


深いため息を溢し

【そうね。好かれるのは嬉しいけど、こうもベッタリだとね…】

と私は心の中でリクとアクアに語りかけた。


そう、私は念話が使えるようになった。あまりにエヴァンがベッタリでリクが話しかけても返事をしない私に、面白くないからとリクとアクアが精霊が使ってる念話を教えてくれたのだ。

ただ、この念話、人間が使ってるのを見たことがないらしく、使えない人は受信できないから声が届くことはないらしい。なので、もっぱらリクとアクアとの会話で使っている。


王族が二人も出かけるとなっては今までのようにはいかず、今では王族専用の馬車に乗り護衛数十人が私たちが乗っている馬車を囲み並走して動き、更に侍女まで着いてくる。大事の様に来るため、町民にはジロジロ見られ村民からは迷惑そうにされる。


私の自由は3年で幕を閉じたのだ。こうなると分かっていたら…!一年前の私を殴ってやりたい…。



約束通り二人っきりの時は赤ちゃん精霊がきて匂うので馬車内ではマリーンから匂いがしますが念話を使ってリクに、馬車から降りる時は追い払ってもらっているため、降りるときは残り香のみ香ります。

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