表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/43

14

あの日から2年が経ち私は12才になった。

この2年間、魔法と言う不思議な力に触れて遊んでいたと思ったら大間違いだ。


まず、私はダイエットに取り組んだ。子どもなんだから外で走り回らないと!と意気込んでエヴァンを連れて城下町の公園で皆と遊んだ。2年経ちエヴァンは5才になり、今では子ども特有のふっくら感はあるが細くなった。公園では、まるでアイドルかの様にモテモテで下は5才から上は30才くらいのお母様まで遊びに行くと、遊ぼう、抱っこさせてと言って寄ってくる。


…えっ?私はどうなんだって?

うん、世の中って世知辛いよね…。


そして魔法!あれからリクとアクアに魔法を教えてもらったけど、精霊って無意識レベルで皆使ってるから教え方が…ね。

『魔力をパクパク食べたら力が出るんだー。その力を押し出しながら思い浮かべるとできるよ。』なんて言われてもね。


まず、魔力を感じる事ができなくて、それに一年以上かかった。教師役があんなんなのに頑張った私偉い!

魔力を感じる事ができたら取り込むのは意外と早かった。試しにリクみたいに口に入れてみた。すると本当に体に魔力が巡ってるのを感じた。

それから私はリクの真似をして魔力を食べた。もし誰かに見られたら何もない空中を掴んでパクついてる私がいて、頭疑われてただろうけど幸いにも見られる事はなかった。今では食べる動作もせずに取り込む事もできる様になった。


そして肝心の具現化。これも、なかなか難しかった。取り込んだ魔力を外に出すまでは出来るのに具現化ができなかった。押し出しながら思い浮かべると言う2つの行動を私は同時にするのが難しく難航した。

頑張って練習している途中で思いついたのが出した魔力を留めることだった。出すとすぐ拡散してなくなる為、そのまま留めることはできなかった。なので出した魔力を捏ねることにした。私は粘土の様に魔力を捏ねながら思い浮かべた。すると、枝が出てきた。


嬉しくて泣きながら2精霊に見せると、『ぷふっ、良かったわね。』『あはははは!何それ!』とアクアは笑いを噛み殺しながら、リクは大声で笑いバカにしてきた。

私が思い浮かべたのは枝だった。すると枝が出てきたのだ!爪楊枝(つまようじ)サイズの…。

その時は嬉しくて嬉しくて爪楊枝を持って小躍りしていたが、後からリクにバカにされたのを思いだし、その日のリクはご飯なしにしてやった。


今では手のひらサイズの木が出せるようになった。

そうそう、リクは木は木のままでしか出せないんだけど、私は木の板が出せたりとバリエーションある物が出せる。この違いは捏ねるからかな?と思ってる。

試しにリクたちに捏ねるのやってもらったんだけど、今まで出す、具現化と同時にしてたから難しくて出来ないって。


そして、視察と名ばかりの各地への旅行。これは苦行だった。

何が苦行かと言うと移動だ。王族専用の馬車は魔木でできており角に4つ風の魔石を入れてあって浮いてる状態で、それを馬で引いていたため全く揺れない快適な馬車だった。


しかし、警備で騎士をゾロゾロ連れて行っては私が自由に観光できないからと自分から「私一人の為に騎士様を何人も割くのは…。私は一般の馬車でお忍びで行動致します。市民の取り繕ってない、そのままの姿を見たいのです!護衛はヤンのみでお願い致します!」と涙を浮かべ懇願したんだよね~。

あー…。今思うとないわ。子豚な私が涙浮かべるとて上目遣いで懇願するとか…誰得よ?


しかも一般の馬車って作りは四角い箱に紐と車輪を着けただけ。道も町を出ると整地してないから、地震かってくらい揺れる揺れる。私の体はアザだらけ、お尻も2つに割れるかと思ったわ。

お尻は最初っから2つか。


んで、アザだらけになった私は今では移動中はヤンの膝の上に座ることになった。

やったね!ヤンは護衛しやすいし、私は痛い思いしなくていい!羞恥心はどこかへいった!ヤンのことはお兄ちゃんと思うことにしたのさ。

私は子ども。私は子ども。って乗る前に心の中で呪文が必要だけどね。


それで2年間いろんな所行ったんだけど、まだまだ5分の1くらいしか見て回れなかった。やっぱり馬車だと通れる道が限られてて遅くなるみたい。

けど気づいた事があって、王城は前世劣化版、城下はちょっと不便そう、王城から近い町は城下より少し不便。王城から凄く離れた町…いや村は、不便で何でも自分でしなきゃだし太陽と共に生活していた。

ガチで泣けた。その村に住んでる人はそれが普通でも便利を知っている私は初めて人の為に何か作りたいと思った。


それから前世の記憶を掘り起こし、作れるものがないか思案した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ