side (アニータ)(ヤン)
他者視点って必要ですかね?
side アニータ
わたくしの名前はアニータ。しがない侍女でございます。
ヴァルティアルの王宮に勤め初めて40年になります。今の王様たちの小さい頃も知っておりますが、それはそれは小さい頃から、お美しい方々でした。御二人の初めての御子様は姫様でした。マリーン姫様も今でもまだ小さいですが、産まれた頃からふくよかで大変可愛らしいお方でした。
そんな可愛らしい姫様のお世話につかせていただく大変名誉な仕事についたのは今から10年前、可愛らしい見た目から美しく成長していく姫様の儀式の日、王様と王妃様の美貌を引き継いだ姫様には周りの使用人、侍女から兵士、騎士までの下の者から上の者まで、どのような芳しい香りを纏うのかと期待し皆そわそわしておりました。
わたくしは儀式が終わるまで部屋を綺麗にし疲れているであろう姫様の為にお菓子を焼いて帰りをお待ちしました。
姫様が儀式から戻られたとき、素晴らしい匂いがいたしました。まるで、天に昇るかのような、若かりし頃の初恋の時のような幸せであるも落ち着かないような…わたくしの語学力のなさでは伝えきれない匂いでございました。
顔に熱が集まるのを自覚しつつも態度に表すことはないよう勤め姫様へ挨拶し退室するまで頑張ったわたくしを誉めてあげたいです。
姫様の態度を見るに表情に出なかったことに安心し他の侍女に注意しに向かいました。気持ちは分かりますが侍女は使える主を不快にしてはなりません事を今一度、皆に伝えました。
次の日、姫様から匂いが消え大騒ぎになりましたが昨日、姫様を見た者も少なく箝口令が敷かれ騒ぐ人はいませんでした。
儀式から姫様は少し変わられ活発になり、つい先日起こしに行った時は、どうしてこうなってしまったのか分からないほどバリバリ、ボサボサの姫様が眠っておられ侍女にあるまじき行動をしてしまいましたが毎日楽しそうで、わたくしも嬉しく思います。
しかし、口さがない者は10才過ぎても匂いがないことをコソコソ噂しておりますが匂いがなくとも、わたくしの姫様は今日も可愛らしくアニータは姫様のお世話ができることを嬉しく思っております。
しかし、姫様からは匂いがしないはずなのに姫様を起こしに言った時に素晴らしく良い匂いがするのは何故でしょうか?
side ヤン
俺の名前はヤン。33才だ。数日前まで兵士として城下町を巡回し食い逃げや物取り、失せ物探しなどしていたのが急に王族の警護に付けと言われた。
なんでも、ある程度年くっている見目が良く腕がたち下町に詳しい奴が必要らしく俺に白羽の矢が当たったってわけだ。拒否権はなかった。
確かに俺は昔からモテて未だに結婚しておらず動きが取りやすい。同じ条件で俺以外にも数人居たが上司が既婚者は外したようだ。そうなると俺しか居なかった。
王族と聞いて、どんな我が儘な餓鬼が出てくるのかと思っていたが部屋から出てきたのは、まるでスキップするかの様に軽やかに歩く笑顔の美しい少女だった。
確かに王城では芳しい香りがずっと香っていたが、ずっと下町に居た俺には匂いなんて気にならなかった。下町では匂いがする事の方が稀だからだ。
俺はドギマギするのを気取られないよう話しかけるも姫様から見つめられ顔に熱が集まるのを自覚し慌てて城下へ促した。
俺には何が楽しいのか分からないが楽しそうにキョロキョロし周りを見てたり下町の子どもと遊んだりと不思議な姫だった。
途中周りの人々がこちらを見ていてソワソワしていたので俺のせいだと謝ったが、あれは皆マリーン姫様を見ていた。本人は可愛いと自覚がないのか俺の言葉に納得していたが、俺は今後の警護を強化しなければと独り言ちた。
城下でチョロチョロする姫様を警護を理由に手を握り、20以上年の離れた子どもにドキドキしながら俺はロリコンじゃない!と心の中で言い続けた。
ヤーーン!!( ; ロ)゜ ゜
ロリ…
作者もビックリなヤンでした。
ヤンを出していくかは、まだ決まってません。