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第7話 リア充絶許

「時間稼ぎご苦労、下がってよいぞ」

コンクリートの柱が勇者の横顔に激突した、勇者はその衝撃で壁までふっとぶ

「ゴーレムに細かな命令を設定するのに時間がかかってしまいました、加勢が遅くなり申し訳ありません」

傲慢なセリフと共に魔王様が、何故俺1人で闘ってるんだろう?という途中から浮かんでいた疑問の答えと共にサティさんが、その横にはコンクリートで出来た歪な塊が立っていた

柱だと思ったのはゴーレムの腕だったようだ

「このぐらいの怪我なら私のスキルで治癒できます」

サティさんが両手を俺の胸にかざすとゆっくりとではあるが傷が塞がって痛みも引いていく

「サティさんってスキル何個持ってるんだ?」

ふと頭をよぎった事をストレートに聞いてみた

「1つだけですよ、今の治癒は皮膚に魂を与えてくっ付けさせただけです」

癒しのスキルとかでは無かったらしい

「スキルは基本的に1人1つじゃ、複数スキル持ちは魔王か勇者ぐらいしかおらぬわ」

魔王様が補足を入れてくれる

「ん?魔王か勇者は複数スキル持ってるの?じゃあアイツも……」

壁に埋まったままの勇者を指差して新たに産まれた疑問を口にする

「レベル78の勇者ともなれば複数持ってない方がおかしいかの」

「マジかよ、勇者チートじゃん」

「チートではない、ツヨ・イン・デスだ」

気付くと勇者が壁から抜け出ている、ゴーレムの一撃を受けて壁に埋まったはずなのに血どころか汗すらかいていない涼しい顔をしている

「再生のスキルだよ、時間はかかるがスキル保有者の外傷を自動で治癒してくれるスキルさ」

「そりゃ羨ましいスキルだな、でなんでわざわざ教えてくれたんだ?」

「君のスキルを教えてもらったお返しだよ、これで心置きなく死ねるだろう?感謝してくれていいよ」

「ならついでに他のスキルと攻略法を教えてくれると大感謝なんだが教える気は無いか?」

「ふっ、なら特別にもう一つだけ教えてあげよう。居合閃光のスキル!」

勇者の言葉と共に閃光が走った、その閃光はゴーレムに向かって伸びていき…ゴーレムをバラバラにした

「居合閃光のスキルは距離に関係なく対象を斬る能力だ、もっとも遮蔽物があると使えない地味なスキルだがね」

「やっぱりチートじゃねぇか!そんなスキルがあるならさっさと魔王だけ斬って帰れよ!」

「なっ!?主人を売る下僕があるか!その身体を遮蔽物にして主人を守るのが貴様の役目じゃろう!!」

「魔王一味を一網打尽にしないと国から報奨金も出ないのでね、その案は却下させてもらうよ」

魔王と勇者、立場の異なる2人から提案を却下された

「はっ、勇者といっても最後は金か。悲しいもんだね」

窮地に立たされてるのを認めたくないのか、自分でも驚くぐらいによく口が動き悪態を紡ぐ

「金だけじゃない、魔王討伐を果たしたとなれば女にも不自由しなくなる。勇者は後の時代の為に子孫を残すのも仕事だからな」

帰還した後の事を考えて勇者の顔がだらしなくニヤける、だがその一言が俺を刺激した

「金も女もだと?…ふざけんな!俺なんか金の為に就活してたらこんな訳わからない事に巻き込まれてるのに不公平にも程があるだろ!リア充絶許!!」

なかば八つ当たりに近い怒りが最高潮に達した瞬間、俺の額が青白く光った

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