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へー、神様の部屋って殺風景な「うるさい」(神様)

「あれ…ここは?」

「目が覚めたか?」


目の前に、椅子に座って紅茶か何かを飲んでいる男が見えた。


「ようこそ。運の良い…いや、悪いと言うべきか。まぁ、とにかく、俺に導かれし者よ」

「えっと…こ」

「お前の質問に答えよう」


まだ何も言ってないです。


「それも分かっている。まず、ここは異世界と異世界を繋ぐ部屋。管理者である神…つまり俺専用の部屋だ」


なるほど。この頃流行っている異世界転生モノに自分が巻き込まれてしまったと?


「そういうことだ。何だ順応が早いな」

「疑ってもこういうのはどうしようもないですし」


逆らっても無駄ってのはお決まりですし。


「ここに今まで来たやつらに見習って欲しいもんだ」

「はは…えっと…な」


「うむ。次の質問に答えよう。お前が選ばれたのは…見た目だ!」


え…MITAME?


「英語っぽく言っても変わらん。お前の容姿だ」


俺の容姿…身長190cm、体重100kg。色は少し褐色で趣味の筋トレにより鍛え上げられた身体はまるで鋼のようだ。


「お前のその身体を見たとき、ビビっと来たんだ!そんでその後も監視してたらすげえ事があったろ!?」


何かあったかなぁ?特になかったはずだが…


「とぼけんなって!バイクと衝突したのに、バイクの方が壊れただろ!あれ見て俺は飲んでた紅茶を吐き出したんだぞ」

「あ、あの事k」

「とにかく!それを見て決めた!お前を別世界に召喚して、戦わせようと!」


はぁ…。


「あの、異世」

「これから行く世界の情報が欲しいよな!」


…。


「あちらの世界は〜」


ふむふむ。話を聞いて、纏めるとこうだ。


次に僕が行く世界は、よくあるファンタジー世界。

魔法あり、スキルあり、ステータス制、レベル制。

国は大陸中に散らばっている。文化レベルは中世。

魔物が大量発生しており、人間は領土防衛で大変。

現在、人間側は劣勢。

奴隷制あり、貧富の差が激しい社会。


ううむ…大変な世界だ。平和とはかけ離れている。


「ああ、危険だな。だが、お前なら大丈夫だ」

「何を根k」

「その素晴らしい、人間離れした身体能力。ステータスで確認したらわかる。見ろ!」


【名前】ミヤビ

【年齢】18

【職業】無し

【レベル】1

【体力】2800

【魔力】2000

【攻撃力】1960

【守備力】1560

【敏捷性】1000

【スキル】剛力 鉄壁 縮地 威嚇 威圧

【固有スキル】測定不能 限界突破 万能器

天賦の才 常識破壊 全属性適応

【加護】無し




よく分からないけど、一般人の平均を聞くと、人間離れしているのが分かった。簡単に言えば、勇者を軽く凌駕していると言える。


でもそうすると不思


「ああ。元の世界ではそんなに力は出なかったのはな、リミッターがあったからだ」

「り、リミッ」

「そう。制限だ」


もう、この人(神?)やだ。言葉を遮るのやめてほしいです。会話ストレス。


「それは俺の問題じゃないから却下だ。そんで、制限だが、こっちの世界に飛んだ時にリミッターが解除されるのはよくあるんだが…」


聞いたことがあるな。人間は身体が壊れないように脳が制限を掛けていると。


「そう、それだ。そして気になるお前の能力解放率だが…100%だ」

「へ?」

「お前の類稀なる頑丈な身体なら耐えられると脳が判断したのか、解放率がMAXだ」

「そんな…」

「良かったじゃねえか!ステータスの初期値は選べるもんじゃねえんだ。魔物相手に無双できるさ」


…そうは言っても…


「何だよ、見た目と違って気持ちの弱いやつだな。その力なら立派な戦士とか武闘家になれるぞ!」


楽しみだ!と笑っているところ悪いんですが…


「俺は武闘家とかの前衛職にはなりません!魔法使いになります!」


よし。遮られずに言え


「させるかぁぁ!!」

「ぐぇ!」


ば、バックチョーク!?く、苦しい!!


「お前みたいなやつを後ろに置いておけるか!前衛職にするために呼んだようなもんだぞ!」

「そ、そう言っても僕は喧」

「喧嘩したことがない!!??はぁぁ!?」


なんかすごい剣幕で怒ってる…怖いですよ、顔。


「イケメンな俺に何を…て、そこはどうでもいい!お前…喧嘩したことないの?」

「殴られたら痛いじゃないですか。やられたら嫌なことはなるべくやらないようにしないと」

「……今時珍しいな…そんな聖人君子」


僕の兄上の教えだ。4歳くらいの時だ。

『手を出されて、ただやり返すのは人間じゃねえ。獣だ。どうすれば、相手が反省するかを考えて行動するのが人間だ』


当時はよく分からなかったが、今は理解している。そして今までは相手に「やめろ」と言うとすぐに震え上がり、やめてくれた。何故かは分からない。


「…それはお前が怖かったからだろ」

「そんな訳ないですよ。普通に注意しただけです」

「んじゃ、注意してみ?」


そういうと神様がいつの間にか横にいる少年に殴りかかった。


「やめろ!!!」

「うぉ!?」


神様の動きが止まる。少年の顔の数ミリ前で止まり、驚愕の表情でこちらを見る。


「…お前…どうやって止めた?」

「え?止めたのは神様じゃ…」


少年はいつの間にか消えていた。神様が作った思念体?という物の様だ。


「俺を人間が止めるのは不可能だ。武の神ではないにしろ、神は神だ。スキル【威圧】か…?いや、それでも普通は無理だが…」


どうなってやがる…。そんな事を神様はぶつぶつ呟いている。そう言われても…僕も分からないし。


「考えるのが面倒になった。よし、お前そろそろ行け。せいぜい楽しませろよ〜」

「え、どういう意」

「ちょくちょく連絡はするかもしれないからな。あ、手助けはしないぞ。頑張れ!」

「ちょっと!?…くっ!ああもう!会話ストレスゥゥウ!!」


こうして僕の異世界生活が始まった。

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