パジャマの神と最強の人間
「嫌って言ったの。私に二回も言わせないでくれる?」
彼女は呆れた表情をしながら面倒くさそうに言う。
「は、はい…。」
な、何だこいつ!?性格が変わった…いや、人が変わったのか?そんな疑問を抱いてしまうほど俺に対する態度が急変した。
「ま、わかればいいのよ。いやーあのキャラやっぱ私に向かないわー。あんな感じの女私嫌いだし。」
どうやら、同一人物であのキャラは演じていたらしい。
「な、なぜ異世界に行かないのですか!」
というかなぜ、この世界で使いようのない魔法を使える少年が異世界に行けないのはおかしいだろ…。
「な、なぜって…め、、面倒なのよ。」
神様らしき彼女は、少し目を泳がせ焦るように俺に言った。
「神様がそんなこと言っていいの!?少し頑張れよ!」
俺は驚きのあまり大きな声を出してしまった。
こいつ、今なんて言った?面倒くさいだと?何を言ってるのだ彼女は?
彼女の動揺から見るに何かを隠している。俺はそう思った。
「何で私がそんなことしなきゃいけないの!?っていうか第一あなた死んでないじゃない!死んでから異世界に行かせてとか言いなさいよね!私だって忙しいの。ましてや私にタメ口を吐くやつを律儀に異世界に連れてくと思わないで!」
神様は怒り口調で早口になりながら俺に言ってきた。
あ、俺死んでないんだ、、うんこ踏んで気絶しただけなんだ…。
…って!めちゃくちゃ恥ずいじゃん!
…ま、まぁ今はその事は置いておこうとりあえず今は彼女は何か隠している。それは確実だと思う、じゃあそれは一体何なのか?
「じ、じゃあなんで俺は魔法が必要ない世界で魔法が使えるんだ?それだけでも教えてくれ。あなたは神様なんだろ?」
神様らしき彼女は少し悩み、そして口を開けた。
「わ、わかったわ、、、」
考えてみればそうだ、俺を作ったのはきっとこの神様だ、だったら何か目的があり俺はこの世界で魔法が使える。それはきっと重要な役割があるに決まってる。きっとそうだ、というかそうじゃなきゃ嫌だ。
しばらくすると、彼女は少々戸惑いの表情を浮かべながら話し始めた。
「じ、実はあなたを作ったのは私じゃなくて私のお、お父様なのよね、、、」
彼女は苦笑しながら話を続ける。
「それである日お父さんが、他の神と話してた時にしょうもない疑問を抱いたのよ、、、そ、それが、、、」
――――『魔法がなんも必要ない世界で魔法が使える人間がいたらその子どうなるのかな〜?」―――――
「お前の父さん呼んでこい。ぶっ殺してやる。」
俺は今、神様に喧嘩を売ろうとしている。