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夢追いし者、儚く散った者達へ告ぐ。  作者: かいといか
第四章
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晩夏の再会

麗奈はあの朝以来、茜の事が気になっていた。一方で茜は麗奈に涙を見られてしまい恥ずかしいのと彼女の優しさを無下に扱ってしまい申し訳ない気持ちで押し潰されそうだった。

そして砂浜で二人が出会い言葉を交わしてから約一ヶ月ばかり経過し高校生活最後の夏休みも終わりに向かっていた。


「課題も終わらせたし気分転換にいつもの砂浜にでも行ってみようかな。」

麗奈は初めて夜の砂浜に足を踏み入れた。朝とは違う不気味な静けさと時々聞こえる波の音にドキドキしながらも世界に一人だけ残された何とも言えない感じが彼女を襲いワクワクが止まらなかった。


 懐中電灯を片手に夜の砂浜を歩いて行くとしばらくして人影が一つ見えた。

「もしかして…」

麗奈は人影に向かって夜の砂浜を走った。

「やっぱり…茜!!」

砂浜にいた人影は茜その人だった。

「え、麗奈…?」

「どうしてこんな夜更けに砂浜に?」

茜は突然暗闇から現れた麗奈に戸惑いを隠せないでいた。それもそのはず茜は麗奈に再び会うのが気まずく皆が寝静まった頃を見計らい夜の砂浜に出歩いていたからだ。

だからまさか麗奈に出会ってしまうとは万に一つも想定してなかった。

「私は課題終わったから気分転換にと思って。茜こそ

どうして夜遅くに砂浜に?」

「わ、私は…。」

茜が言葉を詰まらせた。


「そういえば、私達前にも朝に1回砂浜で会ったよね。その後は砂浜で見かけなかったし、学校でもほとんど話せなかったからさ。それにあの朝、茜泣いてたでしょ。何かあったの?」

麗奈はあの朝見た茜の涙が忘れられずつい気になって聞いてしまった。



 その時私は茜の涙の理由を聞いて今となっては後悔している。まさか村にそんな秘密があってその対象が茜の家だなんて思いもしてなかった。私はなんて事を聞いてしまったのだろうか。


どうせなら知らない方が良かった…。


彼女と共にこの村で過ごせる日が残りわずかしかないなんて…。

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