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夢追いし者、儚く散った者達へ告ぐ。  作者: かいといか
第三章
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二人の出会い

ある日の早朝、麗奈が日課としている海岸沿いの砂浜を散歩していた。普段は人気もなく波も穏やかで空気が澄み渡っている。しかし、その日の朝はいつもと何かが違っていた。

 海岸沿いの砂浜を歩いて行くと小さな人影がひとつ寂しげな顔つきで海と対面していた。

よく見るとその人影は生徒会会長の茜だった。

麗奈からしてみればたしかにこれまでの朝とは何かが違うとすぐに感じ取れた。成績優秀で生徒会会長の御令嬢が朝早く人気もない砂浜にいるのだから違和感と同時にただごとじゃないと悟った。


「会長…おはようございます。」

麗奈はおそるおそる声を掛けた。

「あら、おはよう。あなたは水織麗奈さんね。ここの海は穏やかで気持ちが落ち着くわね。」

茜はそう言うと静かに微笑んだ。


麗奈は茜が名前を知っていることに驚いていると茜はクスクスと笑いながら「私は生徒会長よ。生徒の名前と顔ぐらいは覚えておかなきゃね。」

どうやら茜は水女の全生徒の顔と名前を記憶しているらしい。


「会長あの、どうかしたんですか?」

麗奈が抱いてた疑問を聞いてみた。

「茜でいいよ。それに会長だなんてただ私がいた証に過ぎないわ。だって私は―。ごめんなさい。そろそろ失礼するわね。また学校で。」


 茜が姿を消した後、麗奈には茜があの後何て言おうとしたのか分からなかった。だが彼女の目から涙が流れていたのを麗奈は気付いてしまったから茜の事が余計に気になって仕方なかった。


それからあの朝以来、茜が砂浜を訪れることもなく麗奈も茜に話しかけられずにいた。

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