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02.飛行機雲

「とーこ、飛行機雲になりたい」


 澄んだ声が言う。

 燈子の声は澄んでいる。と、思う。

 高いわけではないのに、透き通っている。


「そしたら、あの空のキャンパスに、グーンッて」


 燈子は小さな体いっぱい使って表現する。

 細い腕を大きく広げて、……飛んでいってしまいそうだ。


「絵を書くの!」


 燈子は顔中を使って、笑う。

 無防備な笑顔は、汚れがない。


「良いでしょう?」


 嬉しそうに燈子は言う。

 何がそんなに楽しいのか。

 自分には……わからない。


「ね、宗ちゃん」


 同意を求められても、困る。

 燈子と違って、飛行機雲になってみたい。と、思ったことはないのだから。




 だから、いつものように燈子の小さい頭を撫でた。

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