3話 入学テスト3
今回で入学テストシリーズは終わります。
「第3次試験です」
今俺はいかにも競技場というところにいる。地面は土で所々に大きな岩が置かれている。
周りを見渡すが残っているのはまだ200人くらいだ。ここからまた少なくなるのだろう。
「では始めます、受験番号順に並んでください」
よし、あの先生倒してやるという声がヒソヒソと聞こえてくる。
(俺も頑張ろうかな)
「それではいきます!」
おお、始まったようだ。どんな感じで戦うのか初めてだ。
「ファイア!」
いきなりの先制攻撃だ。さあ、先生はどうする?
「ウォーターウォール」
静かにそう言うと先生の前には水の壁が出てきた。そこに火球が当たってジュワッと音がする。そしてあっという間に火球が消えてしまった。
「それではこちらからいきます、ウォーター」
多分かなり手を抜いているのだろう、俺と同じように大きさのものを小さくしている。だが、密度も小さくしていることからかなりの手練れだろう。
「う、うああっ?!」
バシッと当たってパタリと倒れた。
「ファイアの威力はなかなかのものでした。よってBランク合格とします」
おお、一人目は合格だ。次のやつはどうなのかな。
「お願いします!」
おっ、元気のある女の子だ。確かこの子もSランクのところにいたなあ。期待しておこう。
「ブリザード!」
するとどうだろう、地面から氷が飛び出てきた。
「フッ」
ギリギリで交わしていく先生。結構危なそうだ。
「では、とっておきをお見せしましょう。スクリュードラゴン!」
そう言うと水が溢れ出しそして龍を作り出した。そしてグゴゴと首を向けると先生が先ほど出した3倍の大きさのウォーターを連続で出した。
「これはやばいな〜しかーし」
ふざけてるのかな、こいつ頭が悪そうな言い方でしゃべるし。
「こっちもいっくよ〜、ブリザードドラゴン!」
女の子は高らかに言うと先生の出したドラゴンの氷バージョンを出した。そしてドラゴン同士の戦いを繰り広げている。スクリュードラゴンが出したウォーターをブリザードドラゴンが凍らせている。
「すげえ」
俺は単純にそう思った。
(……俺も練習してみるか)
俺は密かに決意をし再び視線を戻す。
「すごい実力です。まだ勝負はついていませんがSランク合格です!」
「やった♪」
本当すげえ、Sランク合格しやがった。
そしてここからも死闘が続きついに俺の出番がきた。
「お願いします、本気でいきます!」
(とは言ったけど会場壊したくないし、先生を亡き者にしたくないし。うーん)
「……攻めてこないのですか?こちらから行かせてもらいます。スクリュードラゴン!」
うお、いきなり出してきやがった。どうしたものか、もういいやドラゴン怖いし……消すか。
俺はこの2年でパワーアップした技を使うことにした。
(ルリ力を貸してくれ)
(言わずとも良いぞ、我とカズマは一心同体じゃ)
(ありがとう、いくぞ!)
「次元の境界 (ディメンション・スラッシャー)」
その言葉と同時に剣をドラゴンの方へ振ると、胴体が真っ二つになった。だがそれだけではない、その後も残った胴体は切り刻まれ続け粉々になって消えた。
「……え、Sランク合格です」
一瞬にして粉々にされたことに驚いているのか声が震えている。
「ありがとうございました」
一応礼儀として言っておくと俺はその場を後にした。
〜その日の夜〜
「この子、どう思いますか。校長?」
「うん、そうだねー。僕も見ていたけど違和感を感じたんだよね」
「違和感とは?」
「うん、あの子は手を抜いていたんだよ。それに……いや、気の所為か」
「?では失礼しました」
先生は退出すると校長は喋り始めた。
「このカズマという子は何か不思議な気配を感じるんだよねー。少し様子を見ていた方がいいのかな」
この日校長はカズマを首席とし、Sランクの教室には新しく入った先生を入れることにした。
どうでしたか?
次からは学校生活が始まります。
次回は9日です。