プロローグ
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「……ーい、おーい、起きなってばー。おーい」
「う、うーん」
俺の名前は青田ハルキ、高校1年生だ。そして今、俺は知らない女の人にゆすられながら声をかけられていた。……さて、こんな時君ならどうする?
1 素直に起きる
2 寝たふりをする
俺は2の方なんだが、君はどうだったかな?っということで、
「すーすー」
(うむ、我ながら見事な寝たふりだ。これなら誰にも起きていると思われないはず!)
そう思っていると、
「……起きないなー。えっと、こんな時は寝ている人の頭を108回叩けばいいんだっけ?」
(煩悩の数か!俺の頭は鐘じゃないですからね?!ってかそんな場合じゃねえ)
このままでは富士山よりも高いたんこぶが出来てしまうと思い俺はすぐさま目を開け、
「ちょっと待てー!」
と言いながら、今にも殴ってきそうな人のうでを掴んだ。
だが、
「うおっ」
急に起き上がったせいなのか、バランスをくずしてそのまま押し倒してしまった。
「いてて、……うん?」
そこには茶色の髪にくりっとした大きな目。全体的には幼さを残すような雰囲気の美少女の顔があった。
しかしそれだけならまだいい。可愛い顔よりも下には大きな胸があって、そこに俺の手が包み込むようにのせられていたのである。
(なんとうれし……いけないことをしてしまったのか!)
早く手をどかそうとしたが、遅かった。
「いきなり何よ……あっ」
視線は胸元。それは俺の終わりを示していた。
「何か言うことあるかな?」
恐ろしいくらいの笑顔(目がピクピク動いている)でこちらに問いかけてくる。
(まあ、とりあえず一言答えないとな)
俺は数秒考えたのち、こう答えた。
「最高の大きさでした」
その言葉を言った後、俺は意識を失うことになった。
「ねえ」
「なに?」
「なに?じゃねえだろ、この状況はなんだと言っているんだ!」
俺が気絶から復活すると両手両足を縛られていたのだ。ここでこの質問をしないのは一部のマニアックさんたちだけだと思う。
「ああ、……そんなことは置いといてー」
「そんなこと?!」
「まあまあ、怒らないで。これから大事な話をするんだから」
「大事な話とは?」
そこで真剣な表情になると、こう言った。
「異世界転生って興味ある?」
「はい?」
この日、人生で一番マヌケな返事をした記念日となった。
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