表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で味噌と醤油をつくろう!  作者: curuss


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/62

19

「紹介しよう! こっちがビール職人のキャニー。こっちがチーズ職人のティサンだ。今回、我々に協力してくれることになった」

 何気ない風にコウは三人に紹介した。

 何気ない風であるが……キャニーはコウと腕を組んでいるし、ティサンは恥らう風ではあったが反対側でコウの手をつないでいる。ついでに言うならレタリーの顔はぴくぴくと引き攣っていた。

「あー……オレ様が言うのもなんだが……ちょっと考えた方が良いと思うぞ?」

「ま、まあ……い、いいんじゃないかな? 本人達の問題ですし……」

 リーンは呆れ、作戦を命じたイサムも少しひいていた。

「……まあ、色々と思いがけないことがあったんだよ。思ったとおりのことしか起きなかったとも言えるか……。注文の物は全部もらってきたぞ」

 ひどく疲れた顔でクローは二人に報告した。

「あれ? ワイン職人さんはどうしたんです?」

「コウ! 悪いものでも食べたのか? 体の具合でも悪いのか?」

 聞きようによってはとんでもないことを口走る二人。

「仕方が無えだろうが! ワイン工房の時には俺は縛られてたんだよ!」

 コウが怒りをぶつける。

「いや……その……さすがに世界一の……葡萄踏みの娘さんまで……」

 小さな声でクローはごにょごにょと言った。

「あろうことか俺の女たちもクローに協力すんしよ!」

 コウはそのことに一番憤慨しているようだった。

「まあ、ワイン職人の技術は習得してきたから!」

 クローは誤魔化した。

「そ、それじゃあ……お二人に説明を……」

 とりなす様にイサムは話題を変えた。

 しばらくイサムは二人に説明するが――

「豆でビールさ造るだか? おら、豆でビールは造れないと思うべさ」

「私も……豆に……チーズの精は……住み着かないと……」

 キャニーもティサンもいまいち理解できてないようだった。それでも――

「イサムもリーンもクローと同じく、俺が信用する男だ。俺の言葉と思って聞いてくれ」

 というコウの言葉で無理やり納得させることとなった。そして――

「とにかく……その麹室というのを……一度……」

「そっだなぁ。とにかく室さ見ねばはじまんね」

 という二人の言葉に従い、離宮へと移動することになった。

 二人は結界で作った麹室にはたいそう驚いたが……二人ともに同じ指摘をした。麹室を綺麗にするべきと言うのだ。

 ティサンは作業用の割烹着のような物の必要性を説いたし、作業に使う器具やふきんの類も全て煮沸消毒するべきと主張した。

 ただ、厳密な消毒の知識が無いのか、イサムが用意していたアルコールには全く興味を示さなかった。それに三十六度計は全く理解出来なかったようだ。

「アルコール消毒の知識が無いのかな? それでも煮沸消毒は徹底するんですね。やはり専門家の考えは貴重です」

「で、これからどうすんだ?」

 感心するイサムにコウが今後をたずねた。

「そうですねぇ……彼女達の注文を叶えたら……次は実際にやってみますか!」

 イサムの言葉に三人は色めきたった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ