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人生長ければ恥の上塗り

作者: 路傍の石でありたかった

 天をつかもうと伸ばしていた手を額に落とし、指のすき間から見える光の遠さに絶望する。別につかむものは遥か遠い光でなくても構わない。他人の持っている当たり前の手元の灯りがあればいいだけなのに、1本の蝋燭すら与えられぬ。私ばかりなぜこうも苦しまねばならぬのか。人の世とはあまりにも不条理に満ちあふれている。



……なんて、仰々しく言ってみたものの、私が苦しんでいる理由はそんなに大したものではない。なんとなく就いた仕事が嫌すぎて、次も決めずにやめ、その結果転職活動に苦労しているというだけである。実家を頼れないという点、守るものも守ってくれるものもいないという点、なにより人との時間がなによりも苦手という点、そんなちょっとしたマイナス要素に思いを馳せ、一人暮らしの住処の少し高い天井の電気に向かって手を伸ばしてみただけであった。



 ちっぽけな人間のどうしようもない人生、感傷に浸ったところで誰もなにも困らない。一度死のうとしたときもここで一人だった。首吊りをしてみたものの、思っていた以上の苦しさに耐えかね、火事場の馬鹿力で紐に数分にも思える時間捕まり続けた結果、紐を吊るしたハシゴの金具の方がバカになり失敗した。泣きながら次の死に方を探し始めたが、数分後には怒りが湧いてくる。どうしてこんな思いをせねばならぬのか。死ぬのさえ苦しまねばならぬのか。怒りが噴火し落ちたハシゴを蹴りつけたが、裸足であった足には大ダメージで、冷静さを取り戻した。



 それから今日まで生き続けている。こんなに生きるのが面倒なのに、とてつもなく生き汚いために、今もまだ恥の上塗りな人生だが這いつくばってでも生きている。死ねないから生きるしかない、苦しいがやるしかない。そんな思いでため息を呑み込み、今日もまた生きていく。



ものを書くということをやってみたくて、とりあえず書いてみました。

誰かに見てもらうことはあまり考えていないけど、折角書いたのならどこかに置いておいてもいいのかもしれないと思いとりあえずここに。

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