消えたい人はいますか?
消えたいな〜
明日世界が爆発したらいいな〜
あわよくば安らかに死にたいな〜
みたいな気分だったら、ちょっと読んでみてほしい。
お盆が終わって、夏休みも過ぎて、残暑の疲れが出てくる頃だから。
冒頭に挙げた「気分」は、希死念慮と呼ばれるものなんだけど、これって、疲れている人に取り憑くオバケみたいなヤツなの。
仮に「ネンリョ氏」と名づけるね。
ネンリョ氏は、どんなに心身健康な人も、老いも若きも関わらず、影のように傍にいる。
この存在にフタをしてしまうと、ネンリョ氏は暴れ出して取り返しがつかなくなってしまうんだね。困ったね。
まずはネンリョ氏と対話してみて。
彼の奥底には必ず傷がある。
「こんなふうに言われて嫌だった」
「どうしてこんな風になっちゃったんだろう」
「やりたいことがあるのに上手くできない」
「こんな自分が情けない」
「惨めで耐えられない」
こういう傷に、バンソウコを貼ってやってほしいんだ。
例えば以下、用例。
「クソみたいな環境で一日耐えた」
「ご飯食べた」
「無気力だけど、とりあえず生きた」
「この十五分は呼吸した」
とりあえず血を止めないと、傷口はどんどん化膿する。
腐食し始めるとバンソウコでは間に合わない。
ネンリョ氏は千変万化。
すっごく陰気かと思うと、めちゃくちゃ万能感にあふれて、アドレナリンをどばーっと出して、攻撃性が増すこともある。
その反動で、身体がとても痛くなったり、起き上がることができなくなったりもする。
あたりまえだよ。
今の時代の十代から三十代の皆さまは、本当に生きにくいと思う。
コロナ禍、戦争に続いて、物価は上がるのに給料は上がらない。
南海トラフの注意喚起から、防災対策だの地震予知だの、何が本当か信じられなくて、不安の牌は役満だよ。
「こんなにがんばって毎日生きてるのに、全然思うようにならない」
「周りは理不尽で、自分のことをちっとも分かってくれない」
「もういっそ、死んだ方が楽なんじゃないかな」
そう感じるの、あたりまえだよ。
逃避しないとやってられん。
自分を誉めて。
難しいなら私が誉める。
これを読んでいる液晶の向こうの人。
私はあなたのことを何にも知らない。
でも死なれるのは嫌なんだ。
「じゅうぶんがんばってる」
「生きてるだけで花丸満点」
「傷つくのは、あなたが優しい証拠」
「ここまで読んでくれただけで、私はめちゃくちゃ嬉しい」
死にたいって思う気持ちは、本当は、生きたいっていう心の叫び。
賢い人ほど消えたくなる。
誠実だから死にたくなる。
一生懸命生きてるから、誰かの理不尽に打ちのめされる。
だけどさ、一緒に生きよ。
顔も素性も知らないからこそ、こうして本音をぶちまけられる。
この文章を読んでくれた人が、一人でも、「まぁとりあえず寝るか」って思ってくれたら、嬉しい。
病む夜を超えて、また明日を生きよう。