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映像 その1
2020.08.0307:25:23――
薄暗い中、ぎしりと音がして横から一人の女性が現れた。その女性の正体は――倉敷だった。
微睡みとだるさに侵された倉敷はおぼつかない足取りで扉に向かい、そして静かに出て行った。閉められた扉の向こうから倉敷の足が擦れる音が聞こえる……。
――ふわっ。
倉敷がいなくなったその直後、何の前触れも無く透明な埃のようなものが映った。それはチカチカと消えたり現れたり、さらには増えたり赤くなったりした。しかし何の拍子かその埃は突然パタリと消え、映像がクリアになったと思った次の瞬間!
かちゃ…………きいぃ……。
さっきまで閉まっていたはずの扉の取っ手がひとりでに下がり、まるで誰かに押されているかのように扉は勝手に開いた……。
直後「きゃあ」という叫び声がこだました――。




