表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪研見聞録 ~第一の記録・心霊現象~  作者: 長山真也
プロローグ
2/47

エピローグ2



 自分はゆっくりと顔を上げた――。



 視線を向ける先には講義をする先生が、しかし気持ちはこれから行かなければならないサークルに向かっていた。


 別にサークルを嫌っているという訳ではない。だが他のサークルと違って特殊で、さらにそこに所属する人たちはかなり個性が強いのでサークル内での面倒事が絶える事が無いのだ。だからサークルに行く事に対して乗り気ではないのだ。


 行こうかそれとも行かない方がいいか迷い頭をクシャクシャと掻いて、ぼさぼさ頭がさらにぼさぼさ頭になったら、もう一度ため息を吐き先生に向けていた視線を隣にある窓ガラスに向けた。



 そして諦めたような遠い目で空を見つめた。



「行かない訳には行かないか……。副部長だし……」


 トンビが飛んでいる。ゆったりと大きく弧を描いて大海のような夏の青い空を飛んでいる……。

 何も悩み事がなくて気持ちよさそうだな、と現実逃避するように羨望の眼差(まなざ)しでそのトンビを目で追い続けていると、スピーカーから誰もが一度は聞いた事があるクラシック音楽が流れた。


 どうやら現実逃避をしている間に講義が終わってしまったようだ。


 さっきまでずっとスマホをしていた生徒たちや、寝ていた生徒たちは不自由から解放されたように嬉しそうに立ち上がってこの講義室からそそくさと出て行く。


 その様子を後方から見ながら自分は呟く。


「……行くか」


 もうすでに少し疲れ切った心を奮い立たせて、未だ講義室に残っていた自分も立ち上がるとノートなんか机に出しっぱなしの筆記用具をバックに詰め込む。そしてそのバックを肩にかけて、この誰もいない講義室からひっそりと退出した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ