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ゼノグラフト動物園  作者: 竹内伊織
8/9

手術と脱獄

飼育員 新谷、上坂、根川、雨森、


動物 雨森母(ラクダ)


園長 越黒流然→鹿和平



 

「よーしそろそろいいかな〜」


 鹿和平は、新谷たちの会話が終わるのを見て再び話し始めた。

 そして、医者を動物園の外から迎え入れた。


 新谷は、一応その出口の場所を記憶した。


「医者がいなくなるまでは、出口は変わらない。僕が手術している間に何とか時間を稼がないと。」という強い気持ちを持っていた。


 そして、新谷は立入禁止区域から手術室に入った。


「やっと入り口を見つけた。

 こんなところにあったのか。」


 医者たちは着々と手術の準備を進めている。

 すると、奥の冷蔵庫から新谷の体の臓器と交換で入れられる臓器がテーブルの上に並べられた。

 そして、説明を受ける。


 医者A「えーっと、この臓器の説明するね。腎臓、肝臓、はキリン、小腸、肺、胃をライオン、膵臓、心臓をゾウのやつにするよ。

 ご不満な点は?」


「ないです。ただ、麻酔なんですけど、上半身だけにしてもらえないでしょうか。」


「いいけどどうして?」


 新谷は、全身麻酔を受けると見届けることが出来ないと考えたため上半身だけにしてもらいたかったのだがこれを正直に伝えるわけにはいけない。


 新谷はバレないように

「俺は、左半身はもう使えねぇ。

 麻酔しなくても痛み感じないから意味ねぇんだよ。」

 と取り繕った。


 医者A「たしかに。

 使い物にならないところに麻酔しても意味ないわね。わかった。

 上半身だけにしとくわ。」


 新谷の作戦は成功した。

 そして、手術が始まった。麻酔を打たれて意識がなくなっていった。


 医者たちは左半身の負傷した臓器を取り外し動物のと入れ替えていた。


 医者B「これってさ、本来はもう使い物にならなかったんだからある意味この手術受けれてラッキーじゃん?逆に元気になっちゃったりして。」


 医者A「ああ、そうだな。

 でも、異種移植は体が拒絶する可能性もあるから危険なんだよなー。」


 医者B「確かに。」


 そして、右半身も臓器を取り替えた。

 2時間30分くらい経っただろうか。

 手術は終了した。

 そして、手術後30分目覚めた。


「おはよう。新谷くん。早速で悪いが君に伝えておくべきことがある。」


「な、何ですか?」

 新谷は驚きながら聞く。


「君はこれから1時間後処刑台に運ばれる。

 ま、動けないだろうから、このベットの上で大人しくしとくといいよ。


 あ、あと。手術は成功したよ。

 君の臓器は冷蔵庫で保管してあるから臓器提供のサインだけくれるかな。」


「わかりました。」


 新谷は、臓器提供のサインをした。

 これで、雨森先輩のお母さんを助けることができたと思っていた。


 医者たちは、手術室から立ち去り鹿和平に報告をしに向かった。

 そして、新谷は5分ほどした後静かに動き出した。最後の動物園を自分の世話していたキリンの檻から眺めたかったからである。


 這って進みながら事務室まで到達したが、この時点でかなり時間を使ってしまった。


 やはり、麻酔がまだ聞いて降りすぐに動けない。


 そして、なんとか事務室から外の檻までたどり着いたが柵をよじ登る気力はない。


 新谷は、「雨森先輩のお母さん助けれたしこのまま人生が終わっても悔いはないかな。」と思って眺めていた。


 しばらく色んなことを考えた。

「初めて脱獄を計画して、先輩の親も無くし、なのに再挑戦し結局は失敗に終わった。


 脱獄計画は、多くの死者を出した。

 僕に出来た事といえば、雨森先輩の母親の生存保護のみ。


 でも、1人助けれたしいいか。

 」



 しばらく眺めた後、手術室に戻ろうと振り返ろうとした。

 その時、急に上から掴まれて外に掘り出された。


「よっ、元気だったか。」


 新谷は、声の方向に顔を上げると殺されたはずの根川と裏切ったはずの上坂、そしてラクダの雨森先輩の母がいた。


「上坂!根川!ラクダ!

 みんな

「さっ、ラクダの上に乗って逃げるよ。」

 と根川は言う。


 新谷は、驚きつつも

「はい。」と言った。


 新谷ら3人は、ラクダの上に乗り新谷は上坂の膝の上に横たわりながら出口へ向かった。


 新谷の一度2度諦めた脱獄計画が3度目の開始を迎えた。




 亡くなった大人、子供の間を横目で見ながら中央道路を進んでいく。


 知能のない動物がこの騒動に伴い檻から出てきてしまっており、人間を食べる肉食動物もいる。


 新谷は、人間達を助けるように言おうと思ったが


「バン、ヴァッン」


 その前に上坂、根川が射殺していた。


「もう、あなたが考えていることはだいたい分かるわ。」


 根川達は新谷の考えを見通していた。


 しかし、その音に鹿和平達に気づかれた。


「あ〜れ、もう兵隊達は撤収命令を出したはずだが。」と鹿和平は事務所で不思議に思う。


「ダンダンダンダン」


 階段を登り鹿和平のところに兵隊がきて告げた。


「報告です。手術室から新谷六玖が脱走しました。」


 さらに、上坂を船へ案内していた兵隊が大怪我を負いながら言った。


「報告します。上坂英美が裏切りました。

 また、他の兵隊達は全員殺されました。」


「ななな、何が起こっているんだお前ら。

 許さん。

 やつら全員ぶち殺す。」

 さらに続けて


「おい、動物園の出口に向かう。馬を出せ。」


「はは。」


 脱獄を食い止めるために鹿和平は馬に乗り追いかける。果たして、新谷達は逃げきれるのだろうか。


継続的投稿頑張りたい

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