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ゼノグラフト動物園  作者: 竹内伊織
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崩壊と創造

新谷六玖と横川念(ホワイトタイガー)

雨森乃葵と城咲朱音(ホッキョクグマ)

上坂英美と剣侍一将(ライオン)


椎木源次郎(コアラ)尾園美樹(キリン)

遠藤登(ペンギン)


園長 越黒流然

 


「あのスーツの男は越黒流然ではない。


 本当の名前は、鹿和平だ。」


 新谷は、衝撃を隠せなかった。


 一緒に動物園に遊びに来た仲間が見つかったこと。


 そして、仲間が敵のボスであっことに。


「じゃ、飼育員たちは僕の友達に殺されるのか。」

 と新谷が椎木に聞くと

「それだけではない新谷君。


 俺は鹿和平の父親なんだ。」と椎木は答えた。


 もう、新谷には感情が追いつかなかった。


 そして、アンダーズは椎木が覚悟を決めて話し始めたことにより先ほどとは一変し堂々としていた。


「俺は和平を甘やかし過ぎた。


 好きなものを希望どうりに与えていたが、ついにエスカレートして止まらなくなってしまった。


 そして、和平は動物園を作りたいと言い出した。


 しかし、当然そんなものを作るお金はうちにはなかった。


 するとこれをめぐって悪い人と交流を重ねるようになった。

 そこで、人間の臓器を動物に埋め込む人間臓器移植動物園を作ることを望むようになった。


 これは、動物を買わなくても死んだ動物に人間の臓器を埋め込み生命を送り込むため低コストだ。


 しかし、人権や道徳を配慮する心は欠落してしまっていた。


 本当は、この時点で私が止めていなければならなかった。


 しかし、その後高校を卒業し、サラリーマンになったんだし更生するんじゃないかと思ってたんだ。


 でも悪化するばかりだった。


 そこで、私は話し合いをしようとこの動物園に乗り込んだ。


 しかし、まともに取り合ってくれる様子はなく寧ろ腹を立たせてしまい地下の牢獄に入れられることとなった。


 そして、そこからしばらくして檻越しに週一回のペースで会話をするようになった。


 和平は、会うたび興奮していた。

 動物園を完成させた後、次に何をしようか考えるのが楽しいようだった。


 そして、ある作戦を俺に話した。


 それが、人間の臓器を動物に埋め込むだけでなく、実際に機能させて考えて喋る動物を作り上げることだった。


 そして、その実験のためには沢山の実験台が必要となった。


 そこで地下に収容された人間たちが俺たちアンダーズだったんだ。」


「なるほど。僕を閉じ込めたのもそれが理由かい?」


 新谷は納得はしなかったが理解はしていた。


「ああ、そうだ。君の臓器を頂きたかった。」


「最低だな。擁護のしようもない。まぁいい、話を続けてくれ。」


 椎木は話を続けた。


「そして、ある日鹿和平は友達を連れてこの動物園に来ることとなった。


 あの時は嬉しかったな。

 彼にも友達がいるのかと親として安心したもんだ。


 しかし、彼は私にこう言ったんだ。


『実験台の人数があと1人足りないから近々この動物園に友達を連れてくる。』と。


 僕はもう反対した。

 もう犯罪に手を染めるのはやめて欲しかったんだ。


 でも止まらなかった。」


「なるほど、和平は俺らのこと友達とも思ってなかったのか。」


 と新谷は悲しく思ったが、椎木はその言葉を否定した。


「いや、それは違う。


 ある日おかしな事が起きたんだ。


 本来1人だけ迎い入れるはずが2人も飼育員に応募してきたんだ。

 和平は言っていた。


 1人は普通に飼育員として育てると。」


遠藤(ペンギン)には、その事は事前に伝えていたのか?」


 と新谷が聞くと椎木は、


「いいや、でも動物になる直前真相を話すと素直に受け入れてくれたよ。

 彼が断れば君が動物になる事がすぐにわかったからじゃないかな。

 いい奴だよ。」と答えた。


「うるせぇ。お前が他人の感情慮ってんじゃねぇよ。さっさと話を続けろ。」


 新谷はブチ切れていた。


 椎木は話を続ける。


「しかし、ここで本来ありえない事が起きたんだ。


 君と雨森が2人で地下に来て檻の中に入りラクダを見にきたんだ。


 衝撃だったね。

 まさか、雨森があんな危険を侵すとは。


 でも、雨森は警戒していてね、僕たちが檻に近づくとすぐに殺せるように後ろに拳銃を隠し持っていたよ。


 そのおかげで、貴方も地下から出られたんだけどね。」


 この話に対し

「雨森さんは何故そんなことをしたんだ?」と聞くと


 僕の乗っていた横川念(ホワイトタイガー)が代わりに答えた。


「彼女は、以前母親がラクダに変えられたのを見てしまったのよ。どこでか知らないけど。」


「事務室の隠し扉だ。」


 と新谷は心の中で思った。


「彼女はラクダをあなたに見せて何かを感じさせようとしていたのよ。


 そして、君は何かを察した。そんなこちら側の真相を知っている人を逃すわけにはいかなかったのよ。」


 横川が話し終えるとまた、椎木は話し始めた。


「アンダーズのみんなも最初は暴れてたさ。

 でも、この動物園について話していくうちに協力しないと脱走できない事をみんなで共有した。


 有難いことに僕の思いも組んで行動してくれている。


 そして、僕らは協力してクーデターを起こすことに決めたんだ。」


「じゃ、何故クーデターまで策略して、敵に作戦をもらしたりするのさ。」と新谷は疑問をぶつけた。


「わからない。どっかで自分が守ってあげなきゃと思っているのかもしれない。」と椎木は答えた。


「もうわかった。椎木さんは、敵であり味方でもあってことが。」


「あぁ、そうだ。」と椎木は答えた。


「じゃ、今度は僕の味方として行動してもらいたい。この後、僕らはどうすれば脱獄できる?」


 新谷は椎木を許した。


「ここの出口の扉は、和平の持つリモコンひとつで出口が変わる。よって、和平からリモコンを奪い取る必要がある。」


「どうやって?」


「ここの右側の林の下に武器を隠してある。戦って奪い取る。

 俺は、殺さずに和平から奪い取るつもりだ。」


「それは、お前の都合だ。

 優先事項ではない。


 殺されたくなきゃ、とっとと奪い取ることだな。」


「そうだな。」


 こうして、スパイのあぶり出しも成功し、一定の協力関係を結ぶことに成功した。


 我々は、武器を装備した後、近くの広場で戦いに備えた。


「きた。」


 横川(ホワイトタイガー)が、匂いで察知した。


 我々は戦闘準備をした。


「新谷くん。久しぶり、僕のこと覚えてるかな。」


「ああ、さっき椎木さんから聞いた。


 お前が鹿和平だとな。」


「それは、良かった。説明が省けた。


 んで、君たちは何故武器を持っているのかな?」


「貴様を倒し、リモコンを奪い取るためさ。」


「あらら、それは物騒な。


 でもね、新谷くん。

 さっき僕ね雨森さんと上坂さんの所にいたんだけどどうなったと思う。」


「お前、まさか。」


「上坂飼育員は、寝返ったよ。

 ただ、雨森飼育員は、頑固でね。

 最後まで抵抗して見せたよ。」


「貴様、雨森さんに何をした。」


「僕の誘いに断ったから制裁を下した。

 今頃林の中で、ゆっくりと迫り来る死を待っているだろうよ。


 君は、早く助けに行かなくていいの?

 今なら助かる命だよ。」


 新谷は明らかに動揺していた。


「俺はどうしたら良いのだ。た、助けに行きたいがでも、、、」


 心の中で揺れていた。


 すると椎木

「新谷くん。

 君には悪いがここは雨森の命よりリモコンの奪取を優先しろ。


 大丈夫、雨森はそんなやわな女じゃない。」

 と激しい口調で言った。


「わ、わかってるよ。」



「釣れないな〜。仕方ないか。じゃ、始めるよ。」




 新谷陣営は、人間1人。動物3匹。


 鹿和平陣営は、人間15人。そして、騒ぎにより、暴走した動物5匹。


 鹿和平の作成が始まった。


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