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私、酸素拾います!  作者: メケ
ジェシカの章 その3 続
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ジェシカの章 その3 続  第三話 ジョナサン大佐襲来

本日は二話投稿です。

 サイモンたちを引き連れて、私たちはアヌビスの白人層の外部連絡室に到着した。


 ここは通称、武器庫アーセナルと呼ばれている。

 広大な室内に巨大なアヌビスが何機も置いてある武器庫アーセナルはサイモンにとって魅力的に映ったようだ。


「ここが白人のアーセナルか」

 サイモンは何度も、すげえ、と言いながら眼球がこぼれ落ちそうなほど目を見開いている。


「皆さん気をつけてください。危険だと分かったらすぐに帰ってきてください」

「任せとけ。無理はしねえさ」

「楽しみだぁあああ!」

 奴隷ちゃんがうれしそうに飛び跳ねている。


「奴隷ちゃん、今日で一人前よ。サイモンさんたちをよろしくね」

「うん!」

「一応言っておくけど、慣れてきたときが怖いんだからね」

「うん、分かった気をつける!」

 奴隷ちゃんは走ってアヌビスの昇降機に向かっていった。


「みんな、来てくれてありがとう。感謝するわ」

 私は作戦のために集まってくれたメンバーに感謝を述べた。


「ジェシカ、そりゃあお互い様だ。さっさと薬を持ってきて、この悪夢を終わらせる。隊長の悪夢は俺の悪夢だ」

 サイモンは意気衝天いきしょうてんの勢いで張り切っている。

 私が思うにサイモンは隊長よりも隊員として働いた方が適していると思う。

 本人もこの前の事件でよく理解しているのだろう。


「よし、これで隊長が復活するぞ! そしたら……そしたら……」

 今のサイモンの目には生気が満ちあふれている。


「行きましょう、サイモン隊長」

「おう、そうだな」

 二人はヘルメットを被って、出発の準備を始めた。


 サイモンとルルルカちゃんが行こうとしたとき、

「ジェシカ。サイモンを連れて行くの?」

 レベッカが血相を変えて、武器庫にやってきた。


「え、まずいの?」

「彼、謹慎処分が出てるの」

 レベッカは眉に皺を寄せている。


「とは言っても他に行く人が居ないの」

「大佐がすぐに来るわ。出発式をするって。おそらく難癖を……」

「ジェシカ大佐補佐。出発するのか?」

 言ってるそばからジョナサン大佐がやってきて、私は焦燥感を覚えた。

 間抜けな事にサイモンはのろのろ歩いてアヌビスに向かっている。


「おい、彼はサイモンくんじゃないか。ジェシカ大佐補佐。彼は不味い、ダメだ」

「しかし人員が居ません。今回の外部遠征のメンバーは彼と奴隷ちゃんとルルルカちゃんとラッシュフォード博士です」

「正気かね? 言いたい事も気持ちは分かる。だがサイモンくんはこの前の件で謹慎処分が降りている。と言うか今、降ろした。既にライス中佐の適当な指導が明るみに出て、外部行動員たちの間で騒ぎになっている。くそっ、内密にしてたのに何であいつら知ってるんだ……まあいい。とりあえずサイモンくんにここで死なれると、我々がまた無理な作戦に付かせただの、口封じのために殺しただのと要らん憶測を呼ぶ。ということで謹慎だ。お前ら、確保しろ」

「はっ!」

 大佐の部下たちは回り込んで、サイモンを取り囲んだ。


「な、何だてめえら!」

 サイモンは突如の出来事に声を上げている。


「サイモン、お前は謹慎処分だ」

「はぁ? 聞いてねえぞ!」

「その通りだ。今伝えるのが初めてだからな」

「どういうことだ?」

「つまりはそういうことだ。お前は外部遠征にいけないという事だ」

「ふざけるな、何の恨みがあるんだ! 俺は勇気隊長を救うんだ」

 サイモンはアヌビスに向かわんと周囲の白人たちをなぎ倒しながらどんどん進もうとしていく。


「サイモンくん、謹慎処分だと言ってるだろ。もし、我々の言う事を無視して外部遠征に行ったら、帰ってきてもお前を二度と外部行動員として起用しないぞ。お前にはここに居て貰わないと困るんだよ」

 ジョナサン大佐の一言に、サイモンの動きが止まった。


「お前ら人間かよ!」

 サイモンはヘルメットを脱いで、思いっきり地面に叩き付けた。


「ルルルカはまだ訓練生なんだぞ。俺がいなきゃダメだ」

「訓練生なのか? ならばルルルカ君。君も外部遠征はダメだ。となると残りは……」

 ジョナサン大佐は、奴隷ちゃんとラッシュフォード博士をじっくり交互に見ていた。


「博士。君を守ってくれるような人材はいない。君の死亡ロスはこのシェルターに大きなダメージを与える。あなたも残るんだ」

「私は軍事の経験がある。子供一人のおもりだって出来る」

「あの子はおもりが必要なくらいの子供なのか。じゃああの子も……」


 ぐぉ~ん。


 怪奇音に私たちは思わず周囲を見渡した。

 なんとアヌビスが昇降し始めている。コックピットには小さな乗り手の影が見えた。

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