第六話 違和感
帰り道。私は違和感を覚えていた。
帰り道は来た道を戻るだけかと思ったが、違うルートで帰るようだ。しかも隊長さんたちは時折立ち止まって周囲を観察している。
「何かあったんですか」
「星を見る者を避けてるんだよ。あいつは厄介だからな」
答えてくれたサイモンはかなり警戒しているようだ。言葉尻に焦燥のようなざらついた感覚を覚える。
「そんなに危険なんですか」
「奴が餌を待ってるときにアヌビスに乗っていたら危険だ。だが、外部行動員の俺たちに害はない。ジェシカお嬢のためだぜ」
「?」
「星を見る者は地面に潜っていて、その上を通った重い物めがけて口を開く。俺たち三人が乗っても反応しないが、エイリアンと一緒に乗ったり、もっと大人数で乗ったり……あとはアヌビスが乗ったりしたら確実に食われる」
「え! 私、死んじゃいますか?」
「そこはジェシカお嬢の腕次第だ。死んだら葬式は出てやる。まあ拒否されるだろうけどな。ははは!」
笑えないジョークだ。何が楽しいんだこの人は。
「サイモン。脅かすのはそれくらいにしとけ」
「悪かったよ」
参謀さんから諫められ、サイモンは謝った。
「まあ、とんでもなくでけえから気をつけろ。アヌビスが丸呑みにされるからな」
サイモンは私のことを気には掛けてくれているようだ。たぶん彼は自分の言いたいことを上手く言い表せないのだろう。きっとそうだ。そうだと思いたい。




