魔女対魔女
どうも、青酸カリ系人間です!
因みに青酸カリはヤバいですから
1日の摂取量を守ってください!
………少し急ぐか
落ち着いてる様に見えるが、これでも相当慌ててるぞ
何故今?
何故ここに?
もしかしたら私が狙いか?
どちらにしろ殺すしか無いのか………
魔女というものは複数いる
だが、その仲は絶望的に悪い
詳しいことは知らんがな
リエスト・フォルレ・シェリアエス
それが今の私の名前
シェリアエス、これが簡単に言えば魔女の家名のような物だ
家名といっても家族にではない
魔女は自分の跡継ぎにこの名前を託すのだ
自分の魔法を受け継ぐ証しとして
あれか
あれが魔女か
そこにいたのはまだ少女と呼ぶべき年齢の姿をした銀髪の魔女
魔女は見た目では年齢が判断できない
そんなものは自由に変えられる
かくいう私も容姿には気を遣っている
その私でさえ少し見惚れるほど美しかった
だが、目が合ったとき相当な殺気を感じた
久し振りだな
「………………貴方も魔女」
「そうだね、リエスト・フォルレ・シェリアエス
それが今の私の名前」
名乗りは魔女の中で大切な礼儀だ
「そう、私は……ミラレス・ラス・ソーレアス」
ソーレアスか
確か、《汚染》だったっけ
ありとあらゆるものを汚染する
人の精神さえも
だけど、私の前では無力でしかない
師匠、ガレリア・セリア・シェリアエスに対魔女の戦闘訓練を死ぬほどやらされてきた
「………シェリアエスね、まさか貴方…………いえ、これは言ってはいけない……」
「……《災厄の魔女》それが私」
「………そう」
災厄の魔女、悪い名だ
嫌いだね、この二つ名は
「さて、ソーレアスは何故ここに?」
「………………貴方には関係ない」
「そう、ならシネ」
魔女同士が会ったら殺し合い
暗黙のルールだ
この場合、彼女に勝ち目はない
一応、私は魔女の中でも最強の部類に入るからね
一方的な戦闘だった
「《黒焔》よ、凪ぎ払え!」
「っ、水霊の壁っ!」
しかし、私の黒焔は師匠直伝だ
水の壁を溶かしていく
ソーレアスの表情も曇り始めた
これは相性の問題だ
暗殺が得意な魔女が殺戮が得意な魔女に勝てるか?
無理だろう
私は災厄
彼女は毒
そろそろ終わりかな
黒焔を槍の形にして彼女に投げつける
「終われっ!《黒焔槍》」
「っ、《氷槍》」
「遅い、吹き飛べ………《暴風》」
後ろに回り込んで吹き飛ばす
終わりだ
これで決着………けど
動きを読まれてたかな………
右肩に氷槍の先が突き刺さっていた
これが私じゃ無かったら死んでたな
傷口から凍り始めてる
けど、ほっとけば治る
問題は、吹き飛ばされて動かなくなった魔女の方だった
通例なら殺す
………だけど、この子は面白い
あの力で私に傷を付けるとはね
この子は、取っておこう
役に立つ
ならば
「………君の名前は、ミラレス・フォルレ・シェリアエス。」
魔女の中で同族殺しは禁忌だ
これで私も彼女もお互いに殺せない
この場合は弟子になったということか?
ふむ、いいや
ミラレスは妹扱いで
………いい話風にまとまったが大事な事を忘れていた
ここにいては人が来るな
それに魔女がいると国にバレたら……
いくら私でもキツいか
ならば、答えは一つ
逃げよう
夜逃げだ
何処に?
………………何処に?
バトルシーンは苦手やなぁ
私、平和主義者なんでぇ~
さて、何処に?
安定の方向音痴さんは
果たして何処へ?