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冷笑
部活前に早瀬は山田の家に行った。
学校から近いが、だれも山田の家に行こうとしたものはいなかった。
初めてチャイムを鳴らす。
間延びした機械音が響くも誰もその扉を開けてはくれなかった。
早瀬は体育館に戻った。
早瀬の額には汗が滲んでいた。
途中学校の周りを走るテニス部に会い声をかけられたがそれが誰だったかを認識するほどな余裕は無かった。
体育館に戻ると丸山が「早瀬さんおっそい!なにしてるんすか!!」といかにも冗談ですという声をだした。
「山田のとこに行っててよ。それで遅れた。すまんな」
「ほっとけばよくないですか?正直困ることないでしょう?副キャプテンのしごともしてないし」
「そうもいかないだろ」早瀬は低く言った。
「早瀬!今日はどうするんだ?」
「お前いるならお前が練習進めとけよ。お前3年だろ」
「そりゃ山田の仕事だろー」
早瀬にはその言葉が胸に刺さり続けるようだった。
その様子を相田は嘲笑うように遠くから見つめていた。