将来の夢
なんとか間に合ったみたいだ。校門に入った途端に朝の会開始二分前の予鈴が鳴り始め教室へと駆け込んだ。もう皆着席し息を荒らげて駆け込んできた僕らを笑っている者も居れば、少し冷たい目で見る者もいた。僕らは自分たちの席につき朝の会を迎えた。一時間目は将来の夢について発表するものだった。本当は数学の時間だったがテストの範囲も終わってるし、数学の教科担任の原井先生が皆の夢を聞きたいと数学を潰した。
「よし、番号順に聞いていこうか!一番からな!」
すぐ僕の番に来てしまう、でも話すことは決まっている。決まってた方がグダグダせずに進めることが出来る。そういえば、実夢は大丈夫なのかな?実夢に目をやると、目が泳いでる。あれは決まってないな、ずっと見ていたら目が合った。目が合った瞬間思わず笑ってしまう。実夢は困った顔で首を傾げ声を発さずに『どうしよう』と言ってるみたいだ。僕は、右手の拳を握り胸の前に持ってくる。『がんばれ』と拳を実夢に見せつけた。ニコッと頷き一緒懸命考えているようだ。
僕の番が来た。
「僕はレスキュー隊になる事を目標に頑張っています!困っている人、助けを必要としている人を救い人々が平和で生活できるのを目指しています!」
「よく言った!!その夢、実現出来るよう頑張れよ!」
「はい!」
ふぅ…言いたい事は言った。次は実夢の番だな。
「え…えっと、わ、私は……か、看護士になりたいです!こ、困ってる人や助けが必要な人々を助けたいです!」
ん?実夢…僕が言ったのに似てるよーな?じーっと実夢を目を細め少し笑みを浮かべながら見つめる。
「あ…!…いや、あ、その……と、とにかく私は人助けの仕事につくことが夢です!!」
こちらに気付いた実夢が慌てて『ごめん』と手で合図を送る。僕は頷きながら『いいんじゃない?』と彼女に伝えた。四十人分の時間は当然なく、次回またやると原井先生は告げ一時間目が終わった。




