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47話 勧告

「お初にお目にかかります。お目通りが叶い嬉しく思います、シオン“国王陛下”」


 俺の前に現れた帝国の使者一行……その中の代表と思しき男が放った第一声はそれだった。

 俺は自ら“国王”と名乗った覚えも、君主らしく振る舞った事も一度も無いのだが……まぁ、国主(プレイヤー)=国王という事なのだろう。

 とりあえず俺はそれらしく振る舞う事にした。


「……うむ。ご使者、ご苦労である。……して、用向きは何か?」


 ……ちょっと演技に無理があったかもだけどね……。

 だが相手は北の地域一帯を支配し国力も盛況の大国の使者……俺の一挙一動が国際問題に発展しないとも限らない。

 これも政治なのだ。

 くれぐれも軽々しい発言や態度は慎まねばならない……。

 使者はさっそく本題に入った。


「では率直に申し上げさせていただきます。貴国には帝国の属国になっていただきたいのです」

「えぇぇぇ!!? ほ、ほんとに率直に来たねぇ!?」


 いや予想はしてたけど!

 もうちょっと言葉選んで来るかと思ってたよ!

 いっそ清々(すがすが)しいな、もう!


「我らの望みは皇帝陛下から臣民一同に至るまでただ一つ……帝国による全世界の統一です。我々も出来れば無用な戦いは避けたい……ゆえに当“シオニア地域”におきましては、最初に盟主たる貴国が帝国の傘下に加わってくだされば、残るアリア国、ユーリア国、レイア国の三国も続くかと思いまして、本日お伺いした次第でございますが……」

「……ちょ、ちょっと待ってくれ!」


 色々とツッコミ所が満載すぎて何から尋ねれば良いのか判らないが、とりあえず一番気になった所から行く事にした。


「“シオニア地域”って何だ?」

「はあ?」


 使者一同は“信じられない”という顔をした。


「し、失礼ながら、シオン陛下はこの地域が我が帝国で何と呼ばれているかご存知ないのですか……!?」

「うん、知らないけど……」


 だって俺、君らの国行ったこと無いもん……。

 ……いや、そんな“そんな事も知らねえのコイツ? 常識だろ?”みたいな顔すんなよ……。

 使者は言った。


「当地域は貴国……シオニア王国の名を取って“シオニア地域”と呼ばれております」

「そうだったのか……」


 ……その後の会話で解った事は、どうも彼らはこの地域一帯が俺の国を“盟主”とする緩やかな連合国家だと勘違いしているらしいという事。 

 確かに俺達は交易による物流や各種技術提携によって密接に結び付いているが、各々はれっきとした独立国である。

 ちなみになぜ我が国が盟主だと思われたのかというと、その理由は“食料や木材など資源の生産を他国(属国)に任せ、最も商工業が発展しているから”だそうだ。

 ……いや、望んで今の状態になった訳じゃないんだが……。

 実際は周辺諸国に命綱を握られている状態なのだ(関係が良好なため、それほど強い危機感を感じた事は無いが……)。


(でもこの“勘違い”は良いかも知れないな……しばらく放っておくか……)


 彼らには俺達が互いに結束していると思わせておいた方が良い。

 そう考えた俺はもっともらしく使者に言った。


「……話は解った。だが今すぐには返事は出来ないな。少し考える時間が必要だ。一応、他国の王達の意見も聞いておいてやらねばならんしな……あぁ、まあ、あくまでも参考としてだが……」

「……でしょうな。我々も今すぐお返事がいただけるとは思っておりません。……では一ヶ月お待ちしましょう。良いお返事がいただける事を期待してお待ちしておりますよ」

「……え!? い、一ヶ月!? それはちょっと早くない!?」

「いえ、充分かと……で、もし一ヶ月後にお返事がいただけなかった場合“帝国に従う意思無し”と判断し、然るべき対応をさせていただきますので、あしからず……」

「ちょっ……!!!? 待っ……!!!」

「では、これにて失礼いたします」


 使者は去って行った。

 さあ大変な事になってしまった!

 俺は大慌てで近隣国の皆に使者を出し、緊急会議を召集する事にした。

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