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3話 人間の条件

 四人での暮らしが始まって、もうすぐ一ヶ月……。

 その間の俺達の生活と言えば、昼はひたすら資源集め、そして夜は“ユニットの生産”に明け暮れた(というか、それぐらいしか楽しみが無いのだ)。

 ちなみに“生産”には俺も参加している。

 あの最初の日、目の前で“生産”を始めてしまった二人を見ていてムラムラきてしまった俺は、隣にいた金髪女を押し倒して、彼女を相手に“生産”を行った(何をしても全く反応が無く、超精巧なダッ○ワイフを相手にしているようだったが、お陰で20年の童○人生にオサラバする事が出来た)。

 “ユニット生産”と言いつつ、その作業の結果の産物である“新しい労働者ユニット”がまだ一人も生まれていないのだが、そこはご愛嬌。

 ……というかこの世界、もし“リアルタイム”に時間が進んでいくのだとしたら、まず生まれるまでに十月十日(とつきとおか)かかるだろうし、それから更に“一人前の労働力”として使えるまでに成長するのには十年ちょっとはかかる……正直、気の遠くなるような長い時間だ。

 こんな調子では、狩猟採集社会から農耕牧畜社会へと転換するだけで何十年かかるか分からない。

 先は長そうだ……。


 ※


 話は変わるが、体を動かせば腹が減る(寝てても減るが)。

 だから俺達は集めた食料を食べる。

 すると、なんと食料のストックが減るのである!

 ……何を当たり前の事を言っているのだと思うかも知れないが、ゲームだった時には採集した食料は“ユニットの生産”や“テクノロジーの研究”に使用しない限り、減少する事は無かったのである(テクノロジーには様々な分野があり“研究・開発”する事によって、労働者ユニットの作業効率アップや、軍事ユニットの攻撃力や防御力アップなどの効果が得られる。ちなみに重要なテクノロジーほど“研究”に多くの資源を消費する)。

 しかも最初の頃、木の実ばかり食べていたら、二~三日ほどで気力・体力ともに衰えを感じ始めたので、本能に従って森の動物を狩り、その肉を食べた所、心身ともに復活して事なきを得た。

 どうやら栄養バランスも考えて食物を摂取しなければならないらしい……。


 以上のような様々な事例を通じて、俺はこの世界を支配する大体の“ルール”を理解した。

 どうやらここは、現実世界と同じ法則によって成り立っているのだ。

 食べ物は食べたら無くなる。

 ○○○したら子供が出来る。

 そう、当たり前の事が当たり前に起こる世界なのである。


 また、嬉しい誤算もあった。

 何をするにも無感動・無表情だった三人に“感情”が生じてきたのである。

 それは日々の資源採集や毎晩の“生産”の作業において、俺との会話を通じて少しずつ芽生え始めた。

 つまり彼らは生まれたての赤ん坊のようなものだったのだ。

(彼らに比べれば遥かに)感情の豊かな“俺”という存在と触れ合っている内に、影響されたのだ。

 これは正直、嬉しかった。

 ずっと孤独だと思っていたのが、話し合える相手が出来たのだから。

 感情が備わって来た事で、俺も三人を“ユニット”ではなく“人”として見るようになった。

 当然、扱いも変わって来るというものだ。

 具体的には、三人に名前を付けてやった。

 男が“アダム”。

 金髪の女が“イブ”

 そして黒髪の女が“リリス”だ。

 別に俺はキリスト教徒ではないが、始祖の男女の名としては相応しいのではないだろうか。


 ※


 名前が付くと愛着も倍増である。

 俺は密かに決意した。

 民族の(おさ)として、必ず彼らを……彼らの子孫を守り抜くと……。

 そして立派な文明を築けるよう導いてやろうと……。


 そんな、ある日の事だった。

 “ヤツ”が俺達の前に姿を現したのは……。

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