10話 マイ・スイート・ホーム(※地図あり)
こうして俺の探索の旅は終わった。
振り返ってみると、亜里亜、栗田、刈谷、水野……どうも俺の隣人達はなかなか個性的な人々のようだ。
いずれ争う事になるのかも知れないが、今はまだ考えたくはないな。
まぁ、いざという時に備えて集落の防備だけはちゃんとしておこう。
そして馬場……詳述はしないがヤツの集落の位置もちゃんと確かめて来た(遠くから様子を伺っただけだったが)。
※
こうして俺は一週間ぶりに“我が家”に帰って来た。
「おぉ!ずいぶん様変わりしたなぁ……。」
集落の外観は俺が旅立った一週間前とは、かなり変わっていた。
集落全体が木の防護柵で覆われていたのだ。
物見のための矢倉もある。
これらは俺の留守中、資源採集と平行して建造しておくようアダム達に命じておいたものだ。
あの水野の要塞村には及ばないが、俺の村も砦の様相を呈してきたという訳である。
「……あっ、シオンさん!」
「シオンさん、戻られたんですね!」
「おかえりなさい、シオンさん!」
俺が村の入り口をくぐって中に入ると、アダム、イヴ、リリスの三人が作業を中断して駆け寄って来た。
前々から思っていたが、こいつらなかなか可愛い所がある。
「やぁ!ただいま、みんな。」
その日は仕事はもう止めにして、夜まで俺の土産話で盛り上がった。
村から外に出た事の無い三人は俺の話を興味深く真剣に聞いていた。
※
その晩、俺達は久し振りに“生産”に励んだ事は言うまでも無い。
どうも三人は俺が居ない間“生産”していなかったらしい(それに関しては何も指示を出していなかった)。
それにしても俺以外のヤツはどうしているのだろうか……この“生産”。
気付いていないという事はまず有り得ないだろう。
労働者ユニットの生産はゲームを知ってるヤツなら初期段階で必ず出す命令だ。
きっとみんな驚いただろうなぁ……。
例えば亜里亜も自分の労働者ユニット達としているのだろうか?
見た目は純粋そうに見えたが、ともすれば男慣れしているようにも思えた。
刈谷 玲は服の上からだったが、胸が大きく女性的な体のラインをしているのが判った。
彼女は脱いだら凄そうだ……。
妙に馬場のヤツに甘かったが、ひょっとして体も許しているのだろうか……いや、彼女の性格を考えれば大いに有り得る。
中学生の男子と大人の女か……そそられる題材ではある。
水野……彼はきっと夜は激しそうだ。
栗田はよくわからない。
まともに話してすらいないのだ。
だが馬場が彼の元から浚ったという労働者ユニット(♀)……彼女は絶対馬場に○されているだろう。
とすると馬場ってのは本当に羨ま……いや、許せないヤツだ。
……とまあ、下世話な妄想(そう、全ては根拠も無い俺の勝手な思い込みに過ぎない)は尽きない。
久し振りで変に興奮した俺はイヴとリリスを交互に相手にして何度も“生産”を行ったのだった。
翌日、顔を合わせた二人に「シオンさん、昨夜はいつにも増して激しかったです……。」と言われてしまった程である。