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第44話 第四部完結!

「いやー実は私、ソーヤならなんだかんだで、なんとかしてくれんじゃないかと思ってたのよねー」

「ほんとかよ?」


 それにしても今回、ひどすぎだと思うのだが。


「本気じゃかなったわよ?本気だったらあっという間に蜂の巣よ?」

「そ、そうですわ」


 リューシアはこっち向いて話そうな。


「というかソーヤの方こそひどいんじゃない?皆のことほっぽりだして二人っきりで過ごそうなんて」

「お前もあれだけ追い詰められてみろよ?人生の危機に颯爽と現れる王子様!姫は一目で恋に落ちるのでした。っていう話が良く分かるわ」

「あんた姫役なの?」


 いつものことだろ?


「それにさあ、何日もあそこでいたからさ、なんか帰るのが怖くなってさ」

「大丈夫よ、まだこっちじゃ一日も経っていないから。ほらもうすぐ夜が明けるわよ」

「それを先に言ってくれれば…」

「言おうとしたのに聞かなかったんじゃない?」


 山の中から朝日が差し込んでくる。絶景だなあ…


「……言う事はそれだけか?」


 そう山の中から。


「お前、あそこにうちの畑があったの知ってるよな?」


 ええ、ご存知デストモ。


「どうしてくれるんだ?」


 どうしたらいいですかねぇ?

 大地さんの畑がある山、ごっそりと山頂から麓までまんまるな大きな円形にくりぬかれていた。山っていう字が凹って感じになってるぐらい。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 どうしよう全然どうにもなっていなかった。

 まるで大きな爆発でもあったかのように山の中腹を中心にまるーく大きく山が欠けていた。

 あれだな、あのあたりでクラリッサが異世界をつくりだしたところを、オレの召喚魔方陣が原因でひびが入り、爆発ようなものが起きたと。


 じゃああれか?この原因はオレに責任があると?


「申し訳ありません。全責任はこのクラリッサが背負います。私のできることならなんでもします」

「ストップ、ストップ!えーと、とりあえず山を買収しよう!」


 ということで、各地の地主さんに掛け合ってみたのだが、資金が全然足りません。

 陰陽師の兄さんに借金という形で借りたのだが、それでも足りない。

 東京の家を売ろうかといわれたが、さすがにそこまでしてもらう訳にはいかない。


「仕方がありません。クラリッサも原因の一因があるのなら私の責任でもあります」

「そんなっ!」

「クラリッサ、あなたは私の妹でしょう?なのに姉である私がなにもしない訳にはいきませんわ」

「ヴァレリーお姉さん…」


 ということで、ヴァレリー姉さんの実家の力を借りてなんとか山をまるまる買収することが出来た訳だが。


「このお金は必ずお返しします!必ず!」

「いいのよ、ちょっとヴァレリーを養う分が減っただけだから」

「ええっ!」

「ヴァレリーは旦那様に養ってもらってるだろ?」


 その旦那様の畑、消滅しちゃいましたけどね…


 しかしながら、意外なとこで借金を返す目処がつきました。

 なんと、ヴァレリー姉さんが、


「そうだ!観光地にしよう!」


 だなどと言い出して。

 そう、見事にくりぬかれた山を観光地にして、入場料を頂こうと。

 最初の頃は放射能でもあるじゃないかとびくびくだった人達も、検査の結果、人体に有害なものはないと判断されたあとは次々と見物人が押し寄せてきた。


 なんせ、こんな超常現象、見ないわけにはいかない。

 一夜にして山が消えたんだからな。

 政府の秘密基地だの、宇宙人の仕業だの話題は尽きない。

 一目見ようと訪れる観光客で村は大繁盛である。


「もうこれで食っていけるわね!」

「俺は畑を耕しているほうが性にあうんだがなあ」

「なんだったらあのくりぬかれてるとこで作ってみる?」

「なんか知らんが、自称科学者やら自称地質学者やらが少しでも地形弄ったら怒鳴り込んで来るんだが」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「お久しぶりです、カーリン様、教皇閣下」

「よく来ましたねクラリッサ」


 本日は次期聖女について詳しい話がしたいということで神帝国に訪れています。


「私の次の聖女は誰に決まったのでしょうか?」


 カーリン様はゆっくち立ち上がり私の目前まで来ます。

 そして私の肩に手を置き、


「次の聖女はね…あなたの…お子さんにしてもらおうと思っていますの」

「ええっ!」


 そんな子供って!まだ私子供を生めるような年じゃ…


「今すぐってわけじゃありませんわよ?それまではこうして、儀式のときにあなたが来てくれればいいですから」

「聞きましたよ、なんでもかの帝王よりプロポーズを受けたとか」


 えっ!いや、プロポーズというかなんというか…


「楽しみですな、かの帝王と聖女との間に出来る子供、これは史上最高の聖女になりうるかもしれません」


 えっ、だからプロポーズじゃなくて…

 と、カーリン様がガシッと私の肩を掴みます。


「いいですか、世の中には『言質を取る』という諺があります。今、帝国中にソーヤ様があなたに言った言葉をそのまま世間に流布させております。これは『プロポーズ』でした。いいですね」


 私はその迫力にカクカクと頷くしか有りません。


「さあ、それでは忙しくなりますな、帝王と聖女の結婚式の用意もしませんとな」

「迷宮との確約もうまく進んでいますし、これからは神帝国の時代でありますね」


◇◆◇◆◇◆◇◆


 ブルブルブル、うっ、なんだ寒気が?今回のは一際大きいな。

 そういや今日クラリッサなにしに神帝国行ったんだろ?

 オレも行こかって言ったら連れて来ないように書かれていたらしいし。


 …果てしなく嫌な予感がする。

 『アイ・ファンタジア』もこれにて終幕でございます。長々とお付き合い、誠にありがとうございました。


 今日これから『めがたま。』に番外編として、最終話、セイジ君がどこで何をしていたかを書こうかと思っています。明日にはアップ…できるといいなあ。

 そんな『めがたま。』はこちら↓

http://ncode.syosetu.com/n7001dr/

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