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第34話 TOKYO魔法使い編スタート!

「最初話を聞いたときは半信半疑であったが…」

「ああ、一体何者なのか、あれほど強い神力が集まった人間など見たことがない」

「しかし、神力もあれほど集まればあのようなこともできるのか…」


 数日前部下から凄まじい神力を発している人物がいると連絡が入った。

 すぐさまその人物を見に行ったところ、確かにとてつもない神力を感じる。

 何かとんでもない依り代をもっているに違いない。

 しかし不用心だ、あのように隠しもしないとは…どこの国の者かは知らぬが、そのような力、悪しき者の手に渡ればどうなるか分からない。

 私はそれとなく注意しようと近寄ったのだが…


 気がつけば意識を失っていた。何が起こったのだろうか?

 それからも何度か近づこうとしてはみたのだが、突然突風が吹いたり、何もない所から炎が噴出したり、とても近寄れる雰囲気ではない。

 しかたなく、一旦眠ってもらったところをご招待申し上げるしかないと後をつけていた。


 気配を隠す呪術を使っていたのが悪かったのか、私を不審者とみなしたその人物は…


「大丈夫ですかな?みたところ死んでいてもおかしくない状況でありましたが」

「うむ、不思議と怪我がないのだ、手加減されたか…そもそも全てが幻術であったか…」


 と、そこへ呼び出しベルが鳴る。

 こんな時間に誰が?


「出られますか?」

「いや、ほうっておけばよい」


 しかし、呼び出しベルは何度でも鳴る。


「どうやら我々のことを知っている人物らしいですな」

「仕方あるまい、そなたらは気配を隠しておけ」

「御衣」


 私は玄関に出、インターホンをつける。


「こんな時間になんの御用ですかな?」

「夕方そちらの方に襲われたツレのものです」


 な、なんですと!


◇◆◇◆◇◆◇◆


「アーチェさんを襲ったんでしょ?扉ごと斬っちゃえばいいんじゃないの?」

「お前も物騒なこと言うようになったなあ」


 何度目かの呼び出しベルでやっと出てくれた。

 ファが扉を斬り裂く前にでてくれてほんと良かったよ。

 しっかし、反応がないなあ…逃げる算段でもしているのか?

 仕方ない、


「ファ」


 ファは小さく頷くと剣を抜く。


『天羽々斬』


 すると剣が虹色に輝きだす。

 その瞬間扉の向こうでいくつかの大きな音が聞こえた。

 やはりこの力に反応するか。


 暫くして扉が開き、


「どうぞお入りください」


 そう言われるのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


 なんということだ、海外ではこのように進んでおったのか!

 まさに黒船襲来!海外ではすでに、剣に神力を纏わせるところまで!

 くっ、あのように堂々としていたのは、海外では当たり前だということなのか!

 まずいぞ、これでは私は、海外の魔術師を襲撃しただけの敵対者ということになる。


「…なんだかお互いに誤解があったようだから、とりあえず話し合いをしましょう」


 そういうと少年は部屋の中に目を向ける。


「えー、4人、いや5人か、まあ出てこないなら別にいいけど、あなたが代表者ということでいいかな?」


 5人?中には4人しか…?

 その瞬間、部屋の中から黒い影が蛇のように少女に襲い掛かった。

 まさかっ、隠者が一人まぎれこんでおったのか!

 黒い影が少女の剣に辿り着こうとした瞬間、少女が剣を一閃した。


 その剣戟は黒い影を切り裂き、そして部屋の中まで切り裂き、悲鳴が上がる。


「おおい!何やってんの!?やりすぎだよ!」

「大丈夫です、今は不殺モードですから」

「なんだよ不殺モードって?」

「どんなに斬っても死なないんですよ」

「…あちらさん、真っ二つになってんだけどぉ?」


 部屋の中には頭から股にかけて真っ二つになった人間が倒れている。


「くっつければ治ります」

「マジでえ!」

「マジマジ」


◇◆◇◆◇◆◇◆


 すっかり怯えられてしまった。

 そら怯えるわ!目の前で人が真っ二つにされたら。


「ほらくっつきましたよ」

「どういう原理なんだか、とりあえずコイツふんじばっとくか」


 流れ出た血までなくなっている。

 まあ服は治らないようですが。

 せめて隠してやれよ。


「い、今のは幻術か何か…」

「はい、そうなんですよー、これ幻術だから!」


 おお、なかなかいいフォローしてくれるおじさんだ。


「そ、そうか幻術か、ほらみんな幻術らしいぞ、ハハハハ…」

「そ、そうか幻術か、幻術ならしかたがないな、ハハハハ…」


 みなさん壊れてきていらっしゃる。


「と、とにかく、その者ははぐれ者のようだ、先ほどの攻撃は決してこちらの本意ではない」

「う、うむ、こんな近くに居て気づかないとは何事だと思われて仕方ないが…申し訳ない、実際気づいておりませなんだ」


 そう言って謝ってくる。

 それにしてもいろいろ誤解がたまりすぎているようだ。

 今日は色々お話をしないとな。

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