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第31話 TOKYOモデル編スタート!

「えっ、専属モデルだって?」

「あっ、別に専属って訳じゃないんだけど、以前デパートのパンフレットに載ったでしょ。それが随分好評だったんで、モデルとして働かないかって言われたの」

「それは素敵じゃない!うん、マネージャーはこのヴァレリーが引き受けますわ!」


 今日のお仕事が終わり、天空城へ戻ってきたところ、クラリッサから至急連絡が欲しいと手紙が来ていた。

 えっ、お仕事ってなにだって?そりゃあれですよ、わたしゃいつの間にか教師になっておりましてね。

 アステリアの王立中等部において、魔法の授業を行っております。

 今回の件で神帝国からも生徒を招いたので、今じゃ30人近い大所帯となっておいでです。


 あと手紙については、小さな転移魔方陣を用意して、いつでも郵便ポストのような形で手軽にやり取りできるようにしておきました。


 で、大地さんの家に着いたとたん、クラリッサがモデルのお仕事をしたいと言ってきた。


「それでね、私とソーヤも併せてね、イルミナスガールって名前で組もうって」


 なんでオレも入ってんだよ?しかもガールの部分に激しく嫌な予感がするのだが。


「はいこれ衣装」

「誰の?」

「ソーヤの」


 ―――ダッ!


『マリオネットダンス!』


「やめろよ!お前かんけーねえだろ!」

「あっ、ごめん、つい」


 なんだよそのフリフリのドレス。誰が着るんだよ!マジ勘弁してください。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「まあ、なんていうか、意外と似合ってるのがムカつくわね」

「麻呂は複雑な想いでおじゃる」

「パパー、シュリが本当の女の子にしてあげようか?」


 やめてくださいシュリ様。


「しかしなんでこれぴったりなのよ?」

「なんでも、すでに衣装を作ってしまってたらしいよ」

「わが社の心意気を見てくださいって言っていました」


 どうやら以前のパンフのときに隅々まで寸法を測られていたらしい。


「うぉっ、ソーヤ…ついに目覚めたのか?」


 何にだよ!大地さんが畑から帰ってきてオレをみるなりそう言ってくる。


「大地!私、働くことにいたしますわ!」

「ほう、どういう風の吹きまわしか知らないが、まあ、それ自体はいいことだ」

「ソーヤをプロデュースして売り出すのよ!」

「………………」


 大地兄ちゃんはダメだこりゃって目をしていらっしゃる。


「ふむふむ、前行ったデパートのか?」


 花梨ちゃんが大地さんに詳しい説明をしている。


「クラリッサと花梨はともかく、ソーヤは無理だろ」


 ですよね!ほんとなんでオレまで入ってんだか。


「日本戸籍が無いとこっちじゃ働けんぞ」


 えっ、そういう問題?


「それならばパパ達に頼んでなんとかしてもらいますわ!」

「しなくていいから!そもそも女装自体が無理があるだろ?」


 全国区にでるんだぜ?

 バレたらさらし者、バレなかったらそれはそれで後が怖い。


「私達だけでは心細かったので、ソーヤ様について来てもらいたかったのですが…」


 しょんぼりした顔でクラリッサが言う。


「まあ、ついて行くだけなら…」

「ほんとですか!」


「クラリッサってあれ、計算してやってると思う?」

「ああいうのが天然っていうんじゃない」

「アーチェだけには言われたくないでおじゃろうな」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「くれぐれもその髪、光らすなよ?」

「分かってるわよ!」


 あれからデパートの人と打ち合わせをして、今は東京への本社へ向かう飛行機の中である。

 とりあえず、クラリッサと花梨の二人組みでモデルを引き受けることにした。


 ちなみにあの服、返そうしたところ、オーダーメイドで作っているので無料でいいのでもらってくださいということだった。

 太っ腹ですねー。でも、オレがもらってもどうしようもないのですが…

 なので、背格好の似ているユーリにあげたところ、大層喜こんでいた。

 女装趣味もほどほどにな。


 で、東京の本社で撮影を行うことになったのだが…


「うわー、見てください、地面があんなに遠いです!」

「すごいでおじゃるなー。アステリアの技術でもこんなに高くは飛べんでおじゃる」


 東京に行ったことないって言ったら、お友達も連れて東京見物でもどうですかって話になって。

 3人ぐらいまでなら旅費も出しますよって言うんで、ご相伴にあずかることにした。

 クラリッサと花梨以外の3人ということで、オレとアーチェと麻呂姫、あとシュリが姿を隠して乗っている。

 それと、保護者役のヴァレリー姉さんが今回のメンバーだ。


「あんまりはしゃいでると危ないぞ。回りの迷惑にもなるからな」

「分かってるわよ!」


 そういいながら異世界組みの3人は窓にべったりと張り付いている。

 アーチェの「分かってるわよ!」ほど信用ならないものはない。


「まあ、回りの人たちも微笑ましい目で見てるから大丈夫でしょう」

「そうかねえ」


 なるべく目立ちたくないので、服装はデパートの人のお勧めをヴァレリー姉さんに買ってもらったんだが、翻って目立ってるような気もする。

 さすがはプロ、素材を引き立てるファッションを選んでおいでですね。


「クラリッサもかわいいけど、この二人も負けず劣らずですわね」

「だよねー、ねえソーヤ。おせじでもいいんで花梨が一番て言ってよ」


 お前、そんなこと言ったらオレが消し炭なるだろが。

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