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アイ・ファンタジア  作者: ぬこぬっくぬこ
第三部◆ 間 話 ◆
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SS資金調達編

「えっ、もう資金がなくなってきている?」


 アーチェと麻呂姫に話があると言われて会議室に集まったんだが、そこで言われたのが資金が底をつきそうだと。

 よくよく考えてみたら、自衛軍に冒険者部隊と結構な大所帯。運営資金だってばかにならない。

 だというのにオレたちの収入源は何もない。

 今までは、アステリアとファンレーシアの迷宮攻略の報奨金で凌いできていたらしいが、どうやらそれがもう余り残ってないとのこと。


「仕方ない、双方ともいったん解散して、どっか雇ってもらえそうなとこにあたってみるか」

「バカ言ってんじゃないわよ。もっと真剣に考えなさいよ」

「そうでおじゃるぞ、帝王たるものが部隊を持たないなどありえないでおじゃる」


 だって帝王なんてなったつもりないしー。もう皆も忘れてる頃じゃね?

 それにない袖は振れないぞ。食糧についてはまだまだベヒモスのお肉が余っているだろうが…毎日あればかりはきついだろうし。

 お給料だって出さなきゃならないだろ?


「シュリ達みたいになんか商売を始めるか?」

「うーん、確かに私たちの魔法を付与した魔石とかは結構売れるかもねー」

「やめた方がいいでおじゃる、世界のバランスが崩壊するでおじゃる。やはりここは税収アップというものを…」


 えっ、税収?誰からもらってんの?えっ、自衛軍や冒険者部隊の人達?えっ、お前らなんてことしてんのぉ!?

 ダメだろ!本来こっちからお給料出さなきゃならないのに、逆にお金もらっているとか、クーデター起こされても文句言えねえぞ!


「ちょっと委員長呼んでくる」


 オレは急ぎ、うちのブレイン役たる委員長を呼びに走る。


「やはり税収といえば民衆でしょう。この天空城をもっと広げて城下町とか作ってはどうでしょうか?」

「なにぃ!城下町とな!それはよい考えかも知れん!」


 委員長…そういやこのお方、生粋の貴族様であらせられたか。

 あと、委員長の城下町という発言を聞いて、迷宮のじいさんがすっ飛んできた。

 城下町を作りたくてうずうずしておられる。


「これ以上手を広げてどうすんのよ?城下町なんて運営できるの?」

「そこはアステリアかファンレーシアに協力を仰ぎましょう。あ、おじいさん、どうせ作るならこんな町にしたいと思うのですが」

「ふむふむ、良いな!やはり城があるなら町もなくてはな!」


 やめようよ、どうやって浮かせるのそんな大きなもの。

 今だって8人に魔力分けてもらってやっとなんだから。


「そんなもの、住んでる住人から魔力を巻きあげればよかろう」

「それはいい考えですわ」

「魔石はどうすんのよ?」

「世界にはまだまだ迷宮はごまんとある。そこから魔石を巻き上げればよかろう」


 やめてあげようよ。迷宮さんたちも必死で魔石を作ってんだろ?

 それを横からかっさらうなんて…


「その横からかっさらった張本人が言う言葉じゃないのう」


 おや、これは迷宮幼女さん。その節はどうも…いやー、あれはテンコに脅されて仕方なく…


「おい、その城下町、もちろん機械ステージもあるのじゃろう!」

「シュリもー、シュリも考えるー」


 …これは早急に資金調達の方法を考えた方がいいな。

 こいつらが実行に移す前に。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「帝王閣下、竜騎軍大将ロックバード、ここに参上つかまりました」

「帝王はやめろな」


「猊下、冒険者部隊総括レミアリティ、ただいま到着しました」

「猊下もやめてね?今日はハゲの係長は?」

「総督は自分が行っても役に立たないだろうと」


 …まあ、そうかもしれないけど、考えるそぶりぐらいはしようよ。いいけどさぁ。

 とりあえず二人に現状の説明と状況を伝える。


「別に給与など必要はありませぬ。ちょっとそこらへ護衛にでも行けば収入は確保できる故」

「まあ、私たちも迷宮に稼ぎにいけばよろしいですし」


 自衛軍は、国からの護衛任務などを請け負って資金を調達、冒険者たちは迷宮に潜り魔石を稼いできてるとか。


「そこの自衛軍、もしかして国と国との争いにちょっかい出してないよね?」


 なぜか目を反らすロックバード君。


「迷宮に魔石稼ぎって言ってるけど、他の冒険者の邪魔とかはしてないよね?」


 なぜか目を反らす秘書さん。


 うん、やっぱり組織としてきちんと運営しないとね。大事にならないうちに。

 今後は窓口を一本にして許可制にしとこう。

 委員長にでもお願いすれば大丈夫かな?なんか会計士さんでも雇わないとなあ。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「………………」


 翌朝、目が覚めると大地が広がっていた。

 なんやら恐ろしげな風景となっておられる。

 そういや昨日、資金のめどがついたらやんなよって念おしとくの忘れてたなぁ…

 いやでも、たった一日で実行に移すなんて想像つかないよね?いや、奴らならやるか。

 あと、その立派な魔石たちは何?


「なんか各地の迷宮の主たちが、どうぞお納めになってくださいと来おってな」

「おおかた、お主のようにクレーターにされたくないと思ったのではないか」

「なかなかクレーターに迷宮を作るのも楽しいのにのぉ」


 まるでまるヤな人達みたいだな!お前ら脅して回ってないだろうな。


「よし、次は住人集めじゃな」

「今度はどこに脅しに行くか」

「ストップ、ストップ!後はオレがやるから!」


 なんだろう、オレの仕事がどんどん増えていく…

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