登場人物紹介のようななにか
「えーそれでは、イーリス教の御神体、わたくしこと【テンコ】と!」
「イーリス教大神官である、わたくし【シルシィ】の提供でお送りいたします!」
なにをだよ?
「ほらみんな、ソーヤに対して色々言いたいこともあろうと思って」
「みなさんの、ソーヤ兄ちゃんに対する想いってやつを聞いて来ました!」
…暇な奴らだな。
「それでは、ソーヤの転生後の故郷である【アステリア】国王の【アルシュラン陛下】、その弟君【フィフス殿下】、妹君【リーシュフェール姫様】のお三方から!」
「まずはリーシュフェール姫様です。ソーヤお兄ちゃんからは麻呂姫、アーチェさんからおじゃる姫と呼ばれてるようです」
「麻呂にとってのソーヤでおじゃるか?そんなの決まっておろう!世界のすべてでおじゃる!」
「さっそくイっちゃった発言ありがとうございます!」
テンションたけえなあ…
「アルシュラン陛下はどうですか?」
「うむう、ソーヤの周りには幼女がいっぱいでうらやましいのぉ」
「このろりこんメッ☆」
いろいろひどいなオイ。
「フィフス殿下はソーヤ兄ちゃんの初期パーティの一員だったんですよね。そのころのソーヤ兄ちゃんでどうだったんですか?」
「出会う前は、我のユーリをたぶらかす不届き者と思っておったが、一晩語り合ってこやつも苦労してると分かって意気投合してな」
「えっ一晩…もしかしてソーヤの初めての…」
なに想像してんだよ!やめろよ!!その人、脳筋だが、ホモじゃ…ユーリ狙ってからホモになんのか?
「お次は、ソーヤを世に解き放った諸悪の根源【ホーネスト・バシェード】先生です!」
「ええっ、私はそう言う立場になっておるであるか?」
「そうだよね、ホーネスト先生が村から連れ出さなきゃ世界は平和だったんだろね」
「しみじみ呟く【メリンダ】姉さんでした」
まあ、メリ姉には苦労かけてるよね…ということは、少なくともメリ姉にとっては、オレ達を紹介したホーネスト先生が諸悪の根源になってるわな。
「ソーヤのせいで苦労してるといえば、このお方【フォルテイシア魔法学院】のソーヤとアーチェのクラス担任【ヨークセリア・フォンシーズ】先生でしょうね」
「あれ、たしかお年は30超えて…どう見ても一桁にしか見えないんですが」
「…わたくし、もう諦めましたわ。30過ぎの曲がり角の体よりましだと、そう思うようにしました。…ましですよね?あとこの体成長しますよね!?」
いや、オレに掴み掛かられても…
「あらあら、これはなんの催しで?」
「おや【ファンレーシア】女王【サテラ・エウスティ・ファンレーシア】様と【ベルガンディア】の国王さまじゃないですか」
「ソーヤがいよいよ世界征服に乗り出すってんで、みんなの意見を聞いてたのよー」
嘘ばっかこくな!特にそのお方はヤバイ!!
「そういうことでしたら、私が変わって全世界に宣戦布告を」
「やめて!オレ明日から生きていけない!!」
「ふむ、ならばわしからは、魔王復活の壺でも」
なにそれこわい。
「そ、そんなことより、最近、黒騎士さんの姿見ないけど何やってんの?」
「…【プレミセンズ・オルトファン】ですか。これを」
「ん?…育休申請書?」
「なんでも、自分の仕事はファンレーシアの守護獣を育てる事だとか…。あー、あとこれ」
こっちは戸籍?ふむ、名前はロジクル・オルトファンにしたのか…で、なんでオレが認知父親になってんのぉ?
「それでは場所を移して迷宮都市【パルテニアス・エード】より、ソーヤの一の配下【ファネステール】にバトンタッチです!」
「あー、あー、ファネスお姉ちゃん、聞こえますかー?」
「はい、こちらパルテニアス・エードに居る、今作部のヒロイン、ファネステールです!」
「おやおや、本編と違ってしっかりアピール入れてますねー」
「ち、ちょっとくらいいじゃない!?」
なんかいじられキャラになってるぞ。
「そ、それでは、まずはなんと言ってもこの人、ソーヤの命の恩人であり、私たちの父親代わりでもある、孤児院の神父様です!」
「………………」
「神父様?神父様ってば」
「ん?なんですかな?」
なんで耳栓してんの?
「うむ、ソーヤには感謝してもしきれぬな。俺がこうしてお師匠様と一緒になれたのも、全部ソーヤのおかげだしな」
「そうであるな。ソーヤに教えてもらったこの補助魔法、これがあれば私は空も飛べる!」
「がっはっは!ちゃんとファネスを幸せにするんだぞぉ!」
いやいや、オレはそんなに大したことしてないよ。あと補助魔法かけても空は飛べないから無茶しないようにね。
「こら!そこの【マッスル3人衆】、順番ちゃんと守んないとダメじゃない」
「あ、マッスル達のお師匠さん」
「ごめんねファネス。こいつら知能が残念だから」
「いえいえ、お三方にはしっかり訓練つけてもらって、今の私があるのも、この人達のおかげです」
「…ほんとファネスはいい子だねえ。ソーヤ分かってるんでしょうね!?」
お師匠さん、オーラが怖いです。
「それではお次は【天空城】に場面を移します」
「天空城ではソーヤファミリーが待っています。いやーいっぱいできたねお嫁さん」
ほんとにな。みんな子供でどうこうすることもないがな。
「まずは八星を代表してこのお方」
「委員長こと【マリセリーヌ・レイ・セトバナ】、及びその妹君【クリシュナ・レイ・セトバナ】のお二人です!」
「ちょっとテンコ様、名前間違っていますわよ。今の私はマリセリーヌ・アイ・ファンタジア、れっきとした、ソーヤ様の奥方ですわ」
「ほんとにねえ、いっきに8人も?ソーヤもよくやるわぁ」
「ですよね。さすがお兄様。このクリシュナ、鼻が高いですわ!」
お・ま・えの策略だろうが!
「ここからはお宅訪問となります。まずはセイカちゃんのお部屋から」
「もしもしー、セイカちゃん居るー?」
「はい、どうぞ」
「おおっとこれはまた…」
「この子将来ストーカーにならないかねえ」
そういや、セイカの部屋って入ったことなかったな…壁中にオレの写真が…こわっ!
「き、気を取り直して、お次はユーリさんの部屋に」
「ガチャッ」
「ちょっとテンコ様ノックもせずに…………さあ、お次は聖女【アーチェス・アングローバー】改め、アーチェス・アイ・ファンタジア様です」
「ち、違うんだよこれ!大人になった時の予行演習なんだよ!」
なんで、大人になる予行演習で女装?
「おや、ここはベッドが二つですか。ふむふむ。ソーヤ兄ちゃんも隅に置けませんねぇ」
フッ、残念ながらオレは地下にオレだけのマイルームを作ってもらったんだ。だからそこで寝ることは…
「ああ、あれ、壊してもらったから」
「なにやってんのぉ!」
「しかたない、しかたないのじゃ…アーチェに脅されては…」
あんたこの世界の最古の存在だろ?最強の迷宮【最も深き豊穣】その者だろ?なんで人間一人に。
「その一人にわらわの迷宮はほぼ消滅状態じゃからのぉ」(【迷宮・望まれる誇り】さん談)
「シュリもねー、アーチェママには逆らわないのー。アーチェママ優しいしー」(【迷宮・標なき宮殿】さん談)
「シュリちゃんはいい子ねー」
「以上、ソーヤファミリーでしたー」
「ちょっ!ちょっと待つでおじゃる!なぜ麻呂はそっちでないでおじゃるか!?」
「最初に紹介したからいいじゃない?」
「良くないでおじゃる!」
「おっと、まだ居ましたね」
「フッフッフ。いよいよ来たわ!我が父の敵!人化の術を会得した我に滅ぼされるがよいわ!」
「ククク、返しもらうよ僕の国…クククク」
誰だよその二人?
◇◆◇◆◇◆◇◆
〔アーチェ〕
まあなんて言うか、
「頭がお花畑だなあ…」
「…何がいいたいの?」