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アイ・ファンタジア  作者: ぬこぬっくぬこ
第三部◆攻略せよ!異世界迷宮!!◆
36/90

第六章 新たなる…婚約者?

◆◆◇◇  視点変更◇ファネス  ◇◇◆◆


 えっ、ええっ。手っ、手つないでって。

 いや、最初につないだの私の方からだけど。なんか顔が赤く…

 もう、ソーヤったら、人のことお姫様とか言ったり、私に気があるのかな?うふふ。


「で、どっちいけばいいの?」


 …でもしまらないのよね。


「とりあえずは武器屋でいいんだよね?」

「そうだな。まずはどんなものか見てみよう。そのあと素材屋だ」


 素材屋?そんなとこ行ってどうするんだろ?


「しかし、あんまり高いのは買えぬぞ。俺達そんなに金持ってないしな」

「武器屋は見るだけになるかもな。大丈夫、数日もあればできるって。いざとなりゃあ土からでも作るから」

「なにができるのだ?」


 こいつ偶に訳分からないこと言うのよね。


「ファのその剣だって、オレの自作だぞ」


 ええっ、これ、ソーヤが作ったの!?いや、普通の剣とはちょっと変わってると思ってたけど…


「ふむ、そういえば、あれほど戦闘しているのに、刃こぼれは愚か、汚れすら…コレもしかして凄い剣では?」

「まあ、そこんじょそこらのよりいい性能だと自負してる」


 自負してるじゃないよ!ソーヤっていったい…

 敵の探知、マッピング、それに補助、回復魔法…その上鍛冶まで?


「ねえ、師匠。ソーヤのスカウトとしての技術ってどれくらいなの?」

「マッピングは中級か、いやそういえば転移魔法に気を取られすぎて抜けていたが…探知、補助においては俺達が知りえたことのない性能だ!」

「いや、回復も威力こそ大したことないが…回復速度はありえないほど速いな。それに昔の傷まで消えて…ヒールではこのようなことは…」

「がっはっは。俺様たちが知りえる最高のスカウトであるな!」


 ええっ、そんなに凄い奴だったの!?それなのに私…


「おいおい、そんなに人を褒めるなよう。照れるじゃないか。もっと褒めて」


 どっちよ!

 はぁ、ソーヤと居ると気が抜けるわね。ほんと、凄いんだか、凄くないんだか。


「まあ、うちにはもっと凄い奴がごまんと居るからな」

「そんなに凄い人が居るの?」

「ああ、森一つ消滅させたりとか、ドラゴンを瞬殺したりとか、絶対に解けない補助魔法かけたりとか。あれ、全部アーチェじゃね?」


 また、そんな嘘ついて…嘘だよね?


「ちょっとあんた達探したわよ!なに、子供をパーティに入れて迷宮行ってんのよ!」

「あ…お師匠様」


 うわっ、すごく綺麗な人。えっ、お師匠様?えっ、えっ?このマッスル3人衆のお師匠様?

 そこにはすらっとしたとても綺麗な人が立っていた。


「いや、あれ魔法で若く見せているみたいだな。中身はおば・げふぉ!」

「なんか言った?」

「イエ、ナンデモゴザイマセン」


 ソーヤってあれよね。ほんと地雷踏むの好きよね。


「別に好きで踏んでる訳じゃ…」


「子供達になんかあったらどうするのよ。私はそんな風にあんた達を育てた覚えはないわよ!」

「お、おっしゃる通りで…」

「いいかげん、意地張ってないで、私達のパーティに帰って来なさい!」

「い、いえそれはまだ…」


 何ぺこぺこしてるのよ!急に出てきて私達のパーティにいちゃもんつけるなんて!


「まあ、おさえて、おさえて。ここは穏便に…」

「ちょっとそこのおばさん!」「げふぉ!」

「だれがおばさんだって!?」

「なんでオレ?オレ言ってないよ?なんでオレ攻撃されんの?ねえ、なんで?」


 そのおばさんはこっちに向き、睨みつけてくる。

 ぜ、全然怖くないんだからね。さっきのモンスターの方がよっぽど怖かったんだからね。それに私にはソーヤが居るし…

 私はこっそりソーヤの裾を掴みながら、


「私達のパーティに文句があるなら私が聞こうじゃないの!」

「ほぉ、いい度胸してるわねぇ」


「おい、ソーヤなんとかしろよ」

「なんでオレに振んだよ。あんたらの師匠だろ?」


 私は胸をそらし、おばさんを睨みつける。


「あんた達、まさかこんな子供の尻にしかれてる訳じゃないだろね?」

「い、いえ、決してそのようなことは」

「私がこのパーティのリーダー、剣姫ファネステールよ!」

「「「やめて、火に油注ぐの止めて!」」」


 マッスル3人衆が言ってくる。が、かまったこっちゃないわ。



◇◆◇◆◇◆◇◆


「ファネステール…!?」


 おばさんが私の名前聞いて、愕然としている。


「まさか、ロイとファリスの…子供はこっちには連れて来ていないって言ってたのに…」


 ん、お父さん達の名前?


「パパ達を知ってるの?」

「やっぱりそうなの?私はね、あなたの両親と同じパーティに居たのよ。あの日も一緒に行くはずだった…」


 そう言って顔を背ける。パパ達と同じパーティ?


「ちょっと、魔力を切らしちまってね」

「まさか、あの時俺達が大怪我して…」

「まあ、私が付いて行ったら大丈夫だったとは言えないけど。それにしてもあいつらも、延期すればいいのに、今日の運勢は大吉なんだとか言って…」


 そういえばパパ達そんなとこあったっけ…。


「はぁ、あんた達、子供達に無茶なことさせてないだろね?」

「いえ、そんなことはまったく!ほら見てくだせぇ、傷一つないでしょう!」


 傷はソーヤが回復してくれてるからね。


「まあ、私もちょっと慌てすぎたかね。この3人が居るなら肉の壁なりなんなりで、子供達に危ない目にはあわせないか」


 モンスターと戦闘させられましたが、なにか?まあ、ソーヤにだけど。


「ほ、ほら、迷宮都市に住んでいて、両親を目標としてますから。今のうちから鍛えておいた方が後々よろしいかと思いまして」

「槍の人、お師匠様の前だと饒舌なのな」

「ばっかお前、お師匠様の前でがっはっは、なんて言ってみろ、丸焼きになんだろが」


 なるんだ…。


「ふむ、瞳に強い光を宿してるね。こりゃ、言っても聞かないか…分かった、お前達、この子を立派に育てるのよ!」

「「「がってんでさ!」」」

「そのセリフ、例の作品を思い出すなあ」


 ソーヤがそう呟く。例の作品って何よ?


「ん、この子は?」

「ああ、オレは「この子のボーイフレンドでさ!心配で心配で、いてもたってもいられなくなって付いて来たのです」何言ってんだよ!」


 ソーヤが自己紹介しようとしたとき、急にマッスル3人衆が慌てだし、そう言い出す。


「おい、話を合わせって。お前のような、一件ひ弱な奴を連れて行ってるって言ったら、元の木阿弥だ」

「そうだ、お師匠様はそういう話が大好きなんだ。そういうことにしとけば大丈夫だから」

「なんで?オレ役にたってるジャン」

「…ソーヤのやってること、説明しても誰も信じない」

「ええっ!」


 そうよね。転移魔法にしかり、補助魔法にしかり、回復魔法にしかり…特に転移魔法、誰が信じるのか。


「へえ、ほぉ、そうなんだー。あんたこの娘のこと愛してるの?」

「「「ソーヤ!」」」

「くっ、…愛してマス」


 やだっ、ソーヤったらこんな街中で!もう。


「えー、そんな歳で?もう将来を誓い合った仲とか?」

「「「ソーヤ!」」」

「…誓い合ッテオリマス」


 えー、やだぁ。ソーヤったらぁ。


「ねえ、どれぐらい好きか言って見てよ」

「「「ソーヤ!」」」

「モウ、スキニシテクダサイ。つーかなんなんだよこの羞恥プレイ。変な性癖に目覚めたらどうすんだよ!」


 ソーヤったら照れちゃってもう。そうかぁ、そうなんだ、ソーヤ私のこと…


「仕方ないわねえ、あんたも男なら、この娘を守れるようにならなくちゃね。しっかりマッスルになるのよ」

「マッスルはイヤデス」

「何言ってんの男はマッスルにかぎるわよ?」


 私もマッスルは嫌かなあ。


「でも、若いっていいわねー。好きな子の為、危険な迷宮にまで付いて行く。うん、なかなかできることじゃないわよ。私も誰かさんに振られなきゃねえ」

「もう少し、もう少し待ってください。今、何か掴かめそうなのです!あと1年以内には!」

「えっ、私が嫌だから拒否したのじゃないの?」

「あっ」


 剣の人がポロリと漏らしちゃったわね。うん、いいと思うよ。私、応援するから!


「いやっ、そのぉ、俺、今のままじゃお師匠様と釣り合いが取れないと思って…」

「そんなことないよ。剣の人は私の師匠なんだから。もっと胸張ってよ」


 私は、剣の人の背中を叩き、


「あと1年以内に、30階層突破して見せるから、その時こそ、プロポーズの時よ!」

「おまえら似てんなあ…」



◇◆◇◆◇◆◇◆


「そうだファ、これ渡すの忘れたわ」


 その日、院に帰って来てからソーヤがそう言ってくる。何忘れてたの?


「ほらこれ、致命傷を受けた時に、一度だけ身代わりをしてくれる護符だ」

「ええっ!?それってものすごく高いんじゃ…」


 たしか豪邸が建つとか聞いたような。


「ああ、解析して、麻呂姫の指輪に付与しようと思って買ってたんだ。ついでに一回といわず何回でもとか欲をかいて、調査を先延ばしにしてたばっかりに…アーチェめ」


 ええっ、もしかして今日、街に行ったのはコレを買うために?結局何も買わずに終わったから、なにしに行ったんだろうって思ってたら…

 ソーヤ…私の為に!これがソーヤの気持ちなのね!


「おい、聞いてるのか?」

「うん、分かった!ソーヤの気持ち、受け取るよ!」

「ほんとに分かってるの?」




◆◆◇◇  視点変更◇ソーヤ  ◇◇◆◆


「ほんと便利ねえこれ、こんなに安くていいの?」

「いいの、いいの。まだ試作品だしね。どう問題はない?」

「ないどころか…これがあれば迷宮のどこにだって行けそう!」


 あんま調子に乗らないようににね。

 使い捨て転移魔法をさらに進化させて、オレが魔力を事前に通しておくことにより、オレが居なくても誰でも発動可能にしてみた。

 で、孤児院に寄付をしてくれてる冒険者達に試しに使ってもらうことにしたんだ。


「もう、これで食っていけるんじゃないか?」

「ほんとにねえ。でも、これって使った人じゃないと信じないんじゃない?」


 冒険者達には概ね好評だ。


「ダメだよお姉ちゃんたち。まだ秘密だからね」

「あらシルシィちゃん。もうすっかり体は良くなったの?」

「うん、バッチリ!って何回聞くの?もうあれから半年も経ってんだよ!」

「だってあの状況からねえ。なんか信じられなくて…」


 冒険者さんはなんども首を傾げる。まあ、神の奇跡だしな。しかし、あの時の代償いったいなんだったのか。深く考えるのは怖いのでスルーしとこう。

 しかし、これ。売りに出そうにも量を作れないんだよなあ。丸一日かかりっきりで、10個程度。


「かなり高額にしても売れると思うぞ。下層を潜ってる裕福なパーティなぞ、一個100万でも買うんじゃないか?」


 そんなに?オレ、これで稼いで行こうかな。


「そう言えば、マッスル剣の人、もうすぐ挙式なのよね?ほんとびっくりだわ。あのマッスルチームがたった半年で30階層突破なんて、やっぱソーヤ君の力が大きいの?」

「そうだな。この転移魔法使い放題だろ?しかもこっちからも飛べるとか。詐欺だろう」

「それにソーヤ君の回復魔法いいのよねえ。傷が跡形もなく治っちゃう。ねえ、お姉さん、君のお嫁さんに立候補しちゃおうかな」


 そう言って胸の谷間を強調させる。うむ、いいOPPAIです。


「ちょっとなに誘惑してんのよ!ソーヤは私の婚約者なんだからね!!」


 そう言ってファが登場。どうしよう、アーチェたち来るの後どんくらいかなあ。言うべきか、言わざるべきか。


「傷は浅い方がいいと思うけど?」


 テンコがそう言ってくる。

 だって、あれ、マッスル達のお師匠様をごまかすための方便だぞ?ちゃんとファも分かって…分かってるよね?


「どうかしらねえ」


 そう言って笑いやがる。お前知ってんだろ、言えよ。


「聞きたい?」

「…やっぱいい」

「あの子はね…」

「お前らってほんと天邪鬼な!」

「らって他に誰よ?」


 そら決まってんだろ。オレ以外の全員。


「あんたもたいがいじゃない?」


 …そうか?


「おい、ソーヤ!大変だぞ、ギルド長が直々にお前をお呼びだ!」


 そこへマッスル斧の人が駆け込んで来た。まあ、今はハンマーだが。


「ギルド長が?パスで」

「そんなことできるはずないだろう!実質、ここを統治してんのはギルドだぞ。王様…とは言わんが、それなりの権力を持っておる」


 えー、そんなめんどくさい人のとこ行くの?尚更行きたくないんですがー。


 と、まあ、そういう訳にもいかず、やって来ましたギルド本部。


「ギルド長お連れしました!」


 ギルドのハゲ係長が、えらそうなおっさんに向かってそう伝える。


「む?私が連れて来いと言ったのはソーヤという者1人だが?」

「オレ達はパーティだ。1人は皆の為に!皆は1人の為に!えらい人はそう言ってました」


 心細いので、ファとマッスル3人衆に付いて来てもらった。


「ふむ、まあパーティなら知っておるか…」


 そう言って一便の封筒を取り出す。


「ここに、アステリア国王より信書が届いておる」


 アルシュラン陛下からかあ。なんだろな。シュリたんほるほるとか書いてたら笑うな。

 ギルド長はひとつ大きなため息をつき、


「なんでも近々、アステリアより王女と聖女がこっちに来るらしい」


 ふむ、1年つってたけど、結構早くなりそうなのかね。


「それと信じられん話なのだが、つき次第、転移魔法で国軍をこちらに配備するとか書いておった」


 ああ、やっぱやるのね。オレ寝てる暇あるのかなあ。


「まあ、もちろん拒否させてもらうがな。ここの統治は我々ギルドが行っておる!今まで何もしなかった国軍など当てにできるか!」


 さいですかー。じゃあ波にも立ち向かうので?


「波については…まだ時間がある、その内なんとかなるだろう」


 …これはダメな方の指導者だなあ。


「ちなみにそれらの交渉はすべて、外交官であるソーヤという者が行うと」

「何書いてんだよあの王様!まるなげすんな!!」




◆◆◇◇  視点変更◇ファネス  ◇◇◆◆


 えっ、えっ、えっ?外交官?ソーヤがアステリアの?


「ど、どういうことなの?外交官って普通の人がなれる物なの?」

「一般的には側近貴族が、王族のみだなあ」


 ハゲの係長がそう言う。

 えっ、それじゃあ、ソーヤって貴族様なの!?


「ん、貴族か?貴族になんのかなオレ?」

「はぁ、何を言っとるか。パーティは運命共同体も同じ、隠し事は厳禁だぞ。その者は貴族も貴族、アステリアの王族だ!」


 ええっー!そ、それじゃあ、ソーヤってアステリアの王子様!?


「王子様は違うような気も…」


 そ、そんなっ。ソーヤがなんだか急に遠い存在に…。


「そんな真剣に捕らえなくても。ソーヤが王子様?プププ、ないわぁぐらいにでも」

「そんなことできる訳ないじゃない!」

「テンコならやるぞ、きっと」


 そりゃ、テンコ様は人じゃないし。


「ソーヤが王子様?プププ、ないわぁ」

「きもいぞ、マッスル槍」

「ちょっと槍の人」

「がっはっは。こんな辺境で王族もくそもないだろう」


 さすが脳筋の人。まあ、ギルド長も王族って書いてるのに呼び捨てだしね。

 はぁ、でも王子様かぁ…私との婚約どうなるんだろ?実らぬ恋になるのかなぁ。

 いやいや、振りだから!別にソーヤのことなんて…はぁ…


「ギルド長大変です!波が…モンスターの波がやって来ます!!」


 と、そこへギルドの受付員が飛び込んで来て、


「何を言っとる。波にはまだ30年以上…」

「Sランカーの魔術師が、魔境で進軍準備中のモンスターの大群を見たそうです!」

「なんだと!?」


 ええっ!?進軍準備中のモンスター?そんな…孤児院にはまだ避難できるほどの蓄えなんて…


「そのSランカーはどうした!」

「重症を負って医務室で治療中です!ただ…体のあちこちを食い破られて…助かる見込みは…」

「くっ、見間違いではないのだな!」

「はいっ!なにせそのSランカーの人は、この迷宮屈指の魔術師、ヘルカトラス殿であります!」


「「「お師匠様!!」」」


 マッスル3人衆がすごい形相で受付員に掴みかかり、


「おい!お師匠様がどうしたって!?助かる見込みがどうしたのだ!」

「まさか!なせこのようなときに魔境など!」

「がっはっはっはっはは!笑えぬぞ!」


 笑ってるじゃん。というかお師匠様!?あの時の魔術師の!?


「そ、そ、ソーヤ、いやソーヤ様!至急アステリアの国軍を!」

「今それどころじゃねーだろ!?早くお師匠様のとこへ案内してくれ!」


 そして、私達は急いで医務室へ向かい、


「お師匠様!なぜ魔境になど!!」

「アルフォンズ…いやなにね、ちょっと式をもりあげようと魔境に咲く花をね」


 そう言って笑うお師匠様は…左手を左足を失い、腹を半分以上喪失していた…


「いったいこの状況でどうやってここまで…というか生きてるのが不思議なくらいだ」

「今は魔力のみで生きてる状況、魔力が尽きれば…」

「せめて最後ぐらいあんたらに看取られて逝きたくてがんばったよ」

「「「お師匠様…」」」


 そんなっ、こんなことが…


「ちょっ、離してっ!離してって!」

「今はあいつらをそっとしといてやってくれないか」


 お師匠様のパーティメンバーらしき人がソーヤを抑えている。


「何言ってんだよ!早く回復しないとヤベーだろ!」

「あそこまでいけば、もはやどんな回復魔法だろうと…」

「いいからリザさせれ!」


 そうだ!ソーヤなら!シルシィを助けてくれたソーヤなら!!

 私はソーヤを抑えてる人の腕に噛み付き、


「いだっ!」

「ソーヤお願い!」

「まかせろ!」


 ソーヤはお師匠様の方へ走って行く。でも、


「ソーヤ、あんまり世界の理を変えるのは感心しないわよ?」

「テンコ…」

「実はね、あの時の子供を回復した時、かなりあんたに負担かかってるの。世界を変えるってのはどこに歪がでるか」


 テンコ様がソーヤの前に立ち塞がる。あの子ってシルシィのこと?


「それに、下手したら、ここの人たちもあの子達のようになるかもよ?」

「それがどうしたよ?常識ハズレ?夢と現が分からなくなる?はんっ!」


 それでもソーヤは、


「作ってやんよ、オレが作り上げた世界って奴を!」『リザレクション!』

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