第一章 新メンバーはオレの娘?
「それにしてもすごい人だかりだなー」
「そうでおじゃるな」
迷宮攻略して一ヶ月が経った。迷宮の報酬だが、あのなんちゃってバラエティ以外でもちゃんとお金をくれたのだ。さすが新国王ふとっぱら!
で、その報酬を持ってやって来ました、どれいいt「おおっっとぉ!おはよう仕事!ここは職業斡旋所ですよ!?変な言いがかりは良して下さいよぉ」
「え?人に値札付いてるじゃ?」
「なに言ってるんですかおぼっちゃん。あれらは私ら斡旋業者の手数料ですよぉ」
「それにしては高すぎじゃね?数千万とかあるよ?」
「いえいえ、私らは村々を回り職にあぶれた人達を、ちゃんとした仕事に就けることが目的ですから。その際にかかった費用もかなり高くなることもあるのですよぉ」
ふむー、まあ細かいことはいいか。
「それよりどのような要望で?」
「アタッカーが欲しい」
そう、アタッカーだ。アルシュラン陛下は臨時だったし、フィフス殿下も最近は忙しくなかなか時間がとれないらしい。そりゃ王族だもんな、今までがおかしかった訳だが。まあ、麻呂姫は相変わらずついて来てるけどな。
そこでよくあるラノベのようにお金で解決できないか聞いたところ、似たような物があるということでやって来たのだが、
「今は迷宮攻略後の御利益で、アタッカーは品薄でございまして…」
迷宮攻略により敵が弱体した為、迷宮で稼ごうというやからが急増しているらしい。
「まあ、適当に見させてもらうよ」
別に現役にこだわらねーしな。この世界の住人、パラメータさえしっかりしてれば伸びるの早いし。魔法で強化、回復使って練習すれば、あっという間に一人前だ。…村の連中、今何してるかなー。変な風になってなければいいけど。
(おい、なんだあの子供達。こんなとこに子供だけで来るとは、攫われても知らんぞ)
(こら、めったなことを言うでない。あのお方をどなたと心得る。アステリアの雅、リーシュフェール姫様と、…なんだっけかな伝説の荷物?)
「そこで止めるなよ!オレがお荷物みたいじゃないか!!」
いくらなんでもお荷物はひどい。ちゃんと役に立ってたよな?邪魔じゃなかったよな?
「心配いらないでおじゃる。ソーヤは立派な荷物でおじゃる」
「え?お荷物だったの?え、マジで?」
「あ、いや違ったでおじゃる、荷物持ち?」
疑問符付くの?
くっ、こうなったら、オレがお荷物でも問題がないパーティを!その為にもここでしっかりと見極めねば!
「自分がお荷物にならないよう努力はしないので?」
ええい、今のオレは逆立ちしても、この世界の偉い人には敵わないんだよぉ!
「しかし、それですと忠誠度の高い者となりますが、元騎士の方はかなり高くなりまして…」
まあ無理だわな。それに、騎士とか融通きかなそうだし。
とりあえず色々回って見るか。
「うーん、なかなか居ないなあ…ん?あっちの方なんだ?」
なんかやけに暗い路地がある。これはあれか?ちょっと色っぽいお姉さんとかいるパターンか?
オレは麻呂姫にばれないよう、こっそり抜け出して路地の方へ向かった。いや、決してやましい気持ちなんてこれっぽっちもありませんよ?
辿り着いたそこでは……目の死んだ人たちが居た。これヤベエとこ来たんじゃ…?
「おやおや子供がこんなとこへ…あまり見る物ではありませんよ?」
ちょっとやせぎすなおじさんが背後から声を掛けてきた。
「この人たちは?」
「ぼっちゃんは王都育ちで?」
そうなるのか?もう3年目だしな。
「外の世界にはモンスターが跋扈しております。そして当然被害もあります。なかには全滅した村もあるほどです」
そういうことか。
「ここの人達はそういった村の生き残りで?」
「ええ、そうですよ。みな絶望しております。生きる気力もなく、日々数名がそのまま命をおとすほどに…せっかく助かった命、もっと大事に使って頂ければよろしいのですが」
そう言ってオレを見てくる。この人たちを買えってことかな?一応値札はついてるが二束三文だな。だが、これだけの人数を養うのは無理だな。
「この人達に生きる希望を見出させればいいのかな?」
「…王都育ちのぼっちゃんは言う事が違いますなあ。そんなことできれば世話ないでしょうなぁ…」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「もう一度!もう一度見せて!」
「天空の城…探しに行きたい!」
「パトラッシュ…ううっ、ぱとっらっしゅうぅ!」
「いったい何が!?先日までとは打って変わったような。いったいどのような魔法を使われたので!?」
とりあえず1日ここに泊り込みで試させてもらった。まずは怪我してる人をアーチェに治してもらい、そして次にバラエティを楽しんでもらった。
生きる気力なんて、楽しい事を、して、見て、感じれば、自然と沸いてくるもんだしな。
娯楽なら、現代日本に勝るとこはない。立体映像を駆使すれば、もうまんたいだ。
「そ、そこにおられるのは聖女様では?おお、そうか、この偉業は聖女様のおかげ!おおっなんと神々しい」
やめろよライトで後光作るの。
「いやー、あの映画の観音菩薩がこんな感じだったじゃない?」
ああ、またいらんでいい知識を与えてしまった…
「麻呂はあのお姫様役がいいでおじゃる。8人の武士に守られて…ソーヤは麻呂の義であるでおじゃる!」
義ってあれだよな…一番の苦労人とかー、やめろよな縁起でもない。
「昨日言ったよね、彼らに生きる気力を取り戻させれば誰でも無料って」
「ああ、言ったとも!これほど嬉しい事はない!私はいつもこのような者達ばかりを世話させられてきたのだ。どれほどの絶望だったか。このような奇跡が!」
「まあ、今後ともこんな人達が来れば言いに来るといいよ。ほっとくのも気が引けるしね」
「それでソーヤ、どの子にするのでおじゃるか」
「ああ、この子に決めたよ」
そう言って、未だただ一人、死んだような目をしている子を担ぎ上げた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ほんとにその子でよろしいので?その子は少し、他の者とは事情が異なりまして…」
ふむ、
「その子の家族は…そのう、モンスターではなく…」
ふむふむ、
まあ、理由はどうでもいいさ。どのみち、ほっとく訳にもいかないからな。
「じゃあ、帰ろうか」
「ソーヤ?」
「なに?」
「私にもお姫様抱っこしてくれていいのよ?」
だから無理だって言ってるだろ?
「しかし、なんの反応もしめさぬでおじゃるな」
麻呂姫がつつきながら言う。
「そうだなー、最悪記憶を封印するか…いっそのことショック療法とか…なんかうまいもんでも食わせば直らないかね?」
「ソーヤじゃあるまいしー」
「だよな」
オレは何気なしに、魔法でいい匂いを作ってみた。おっ、ちょっと反応したな?試してみる価値はあるか?
それから色々手を尽くしてみたがまったくダメだった。あの時作った魔法の匂いなんだったかなあ?前世でモ○ハン生活してた時のモンスター肉?
ちょっと試してみるか。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ひぃいー!ひぃー!!」
モンスターと言えば迷宮だろ?そう思って迷宮に来たのだが、1階層ぐらい一人でも余裕だと思って誰も呼んで来なかった。
だが、それがまずかった。あれ、これプロローグと同じ文面じゃね?死んだりしないよね?
アーチェやユーリの戦いを見て、オレも強くなった気でいたようだ。普通の村人がモンスターになんて勝てる訳ねーわな。普通の村人に毛が生えた程度のオレでも同じことが言えるわけで……つーか、迷宮のモンスター肉落とさねーじゃん!オレ何考えてんだ!!
「ひぃー、おたすけー!」
いよいよ魔力も切れて絶体絶命のその時、突然背負っていた子が飛び出した!
そしてなんと、素手でモンスターを殴り倒し、
「ご無事ですかお父様!…お父様じゃない?お父様は…!ううっ」
「まって、まって、錯乱するのはモンスター倒してからにして!」
「え?は、はい?」
「前!前いるよ!」
その子は次々とモンスターを倒していく。おお、スゲーな、まだ7歳だっけ?とてもそうは見えないな。おっとオレも見てるだけじゃなくて加勢しないとな。クロスボウはあれだな、前衛が居ないと撃ってる暇ないなほんと。
モンスターを片付けたその後、
「というと、ずっとモンスターを狩って暮らしてたの?」
「はい…お父様と二人でずっと…」
おっとまた鬱に入りそうだな。
「よし、これからはオレのことを父と呼ぶがよい」
「ええっ?」
「あと迷宮から脱出すんの手伝って」
「えええっ?」
その子はきょろきょろと辺りを見渡し、
「ここ迷宮?えっ、どうして迷宮?」
「……色々ありまして…」
主にオレのせいで…
しかし、父親と二人で定住せずモンスターを狩って生活か。なんか訳ありっぽいな。パラメータも高いし。しかも敬語。
「ほら、じっとしてないで行こうぜ。大丈夫、君ならできる!」
とりあえず元の状態に戻る前に脱出しないとな。
迷宮から脱出後もその子…名前はセイカって言ったかな、元に戻ることもなく、多少なら会話が成立するようになった。
「それじゃあ、お父様とお呼びしても?」
「おっけーおけー。なんとでも呼びなさい」
オレの裾を掴んで話さない。うむ、かわええな。背丈は麻呂姫と同じぐらいか。2人並んだらお雛様みたいだろな。
「今度は居なくなったりしませんか?」
「…それは約束できないかなー」
「どうしてそんな意地悪を言うのですか。たった一人で、身動きのできない私を背負ってあれほど奥に行ける実力があるのでしょ?」
まあ、行くだけなら隠蔽魔法使えばな。帰れないが。一階じゃゲートも無いしな。
「オレは過去に一度…いや二度か、死んでるんだ」
「ええっ!?」
「たとえこの世で最強であったとしても絶対はない。いずれ別れは必ず訪れる」
またちょっと鬱入って来てるか。
「問題はその別れをどういう別れにするかだ」
オレはセイカの頭をなでながら、
「別れには笑って別れる、そういう別れもあるんだ。我が生涯に一片の悔い無しと言って笑って逝った奴も居るんだぜ」
マンガでだが。
「でもお父様は…亡くなる寸前まで、私のことを心配して…」
「セイカ、その時お父様はどんな顔をしていた?」
「とても悔しそうな…心残りのある顔を…」
ずいぶん大切にされてたんだな。
「そのお父様の顔、笑顔にしてみないか?」
「えっ!?」
「そのお父様がそんな顔してたのは、きっとセイカが一人になって、寂しい、辛い思いをしないかと心配してのことだろ」
オレはセイカのほっぺをつねりむりやり笑顔にさせて、
「なら、セイカが笑っていればどうだ。笑って幸せそうにしているセイカを見て、その時のお父様はそんな顔をするか?きっと素晴らしい笑顔になってると思うぜ」
「…………」
「ほら想像して見ろよ、お父様の笑顔を」
セイカはオレに泣き笑いのような顔を向けて、
「ほんとだ、お父様の笑顔が見える…」
「きっとそれが今のお父様の顔だぜ」
オレはセイカの目をじっと見つめ、
「お父さんを笑って逝かせてやれ」
「うっ、ううっ、お父様っ!うわぁあ」
それからしばらく、セイカはオレの胸で泣いていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「今度はどんな魔法使ったの?」
「2人だけで卑怯でおじゃる。麻呂も楽しませてたもれ」
「なんかニッコニコだね。ここに来たときとは大違いだよ」
いや、楽しんで来てないぞ?逆にだいぶピンチだったんだからな。
「お父様。お父様の分も一緒に取って来ました」
「え?おお、ありがとう」
「「「お父様!?」」」
アーチェ、麻呂姫、ユーリの3人が驚いたように聞いてくる。
「ああ、父親を亡くして寂しがってたからな。それならオレのこと父だと思えってことにしたんだよ」
3人は頭を突き合わせ、
(ちょっとどう思う?新キャラのくせにいきなり家族ポジションに入ってるわよ)
(まあ、恋人じゃなくて、娘だからいいのでは?)
(良くないでおじゃる。麻呂とキャラがかぶっておるでおじゃる。ソーヤの膝の上は麻呂のポジションでおじゃる!)
「ほら馬鹿なこと言ってないで飯にするぞ。麻呂姫も早く帰らないと殿下達が待ってるぞ」
「最近ソーヤが冷たいでおじゃる。あの時、厚い抱擁をしてくれたソーヤはどこに行ったでおじゃるか?」
「え?抱擁ってどういうこと?私聞いてないわよ」
まあ、別棟で競技してたしな。というか掘り返すなよ。
「ん?アーチェは抱きしめられたことないでおじゃるか?ふふふ、なーんだ、その程度でおじゃるか」
麻呂姫はアーチェに向かって嘲笑して…あ、これはヤベーな。
「ソーヤ…まだご飯終わってないじゃない?どこ行こうとしてるの?」
「いや、今日はもう十分かなと」
「残しちゃダメでしょう」
そう言いながらアーチェがにじり寄ってくる。くっ、逃げ道は?ほんと無駄にスペックたけーなこいつ。
「お父様、これほんとおいしいですね。なんのモンスターの肉なんですか?」
「ん?それはモンスターじゃないぞ。今日はとりに・ぐはぁああ!」
おい、ベアバックはやめろ!それ抱擁じゃねえ。おまえ、力のパラメータもスゲーんだから手加減しろって!
「死ぬ、しぬうぅ」
「仲がよろしいのですね」
どうしてそう見えるんだ!?
「む?何やっておるでおじゃるか!よし、麻呂も!」「あっボクも!」
「やめろ!マジ死ぬ!!」
その日、宿屋にソーヤの悲鳴が響き渡ったとか何とか。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「どうした腰抑えて?今日は迷宮に行くのではなかったのか?」
翌日オレは宿屋で腰を押さえてうずくまっていた。
「アーチェがな、ちょっと暴れてな、ベアバックされたんだ」
「そんなもの魔法で直せばよかろう」
そう思ってオレもヒールかけたんだよ。そしたら、効かねーのよ?なんかアーチェのヤロウ、魔力込めてやがって、回復効かないんだよ。
回復の効かない攻撃とかどんだけー。
「それはまた…とんでもない魔法の開発であるな…」
殿下は絶句してアーチェを眺めた。
ほんとどこまで成長するのかね?これ絶対やばいフラグ踏んでるよな?
「大丈夫よ。今日はつきっきりで私が看病してあげるから!」
「さらに悪化しそうな予感がするんだが…」
というか、看病いらないから迷宮行って来い。たぶんそっちの方が直りが早い。
「あ、そうだ殿下、ちょっと鍛えて欲しい子が居るんだけど」
「ふむ」
「セイカこっちおいで」
「はい、お父様」
「お父様!?」
殿下がアーチェ達と同じ反応をする。
「ソーヤ…早熟だとは思っておったが…ここまでとは…まさか、リーシュの子ではないな!?」
いやいや、そりゃ無理だろ?どう考えても計算あわねーだろ?
「おおお、こんなに早く姪の顔が見れるとは…うむ、そこはかとなくリーシュの面影が…」
そんな訳ねーだろ、この脳筋。
「なに!我に任せておけ、立派な剣士として鍛えてやろう!」
そう言ってセイカを連れて出て行った。
「いいの?ほっといて?」
腰が痛くてあんましゃべりたくねえ。つーか気づくだろその内。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「帰ってこねーな」
「そーねえ」
夕方になったがセイカと殿下が帰ってこない。なんかヤな予感がするんだがー。
腰もだいぶ良くなったし、王宮に迎えにでも…
「ちょっと!ちょっとソーヤ!表に!!」
ユーリが部屋に飛び込んできた。
……いやな予感って当たるんだよなー、ちょっとオレ用事を思いだ・
と、大きな音と共に扉が開き、そこからりっぱな鎧を着た兵士達がなだれ込んで来た。
「ソーヤと言う者だな。我々と共に王宮へ来てもらおう」
…やっぱあのまま行かすんじゃなかったかな?
「だから言ったじゃない?」
「付き添いはアリですか?」
そう言ってアーチェとユーリの裾を掴む。
「しかたないわねー」
「何言ってるの。ソーヤがダメって言っても付いて行くからね!」
おお、オレはなんていい友人を持ったんだ…
「ちゃんとお務めはたしてくるのよ」
メリ姉…オレ何もしてないよ?きっと大丈夫だよ?
◇◆◇◆◇◆◇◆
そうして辿り着いた王宮では…
「え?何これ?またお祭りでもすんの?」
ってくらい派手派手な飾り付けがされていた。
ハッ!殺気!!
オレは咄嗟に屈み込み、その上を白刃が…
「ほう避けたか」
そこにはアルシュラン陛下が、
「えっ、何すんの?今の避けてなければ胴と首が泣き別れだよ?」
「何をするだとぉ!それはこっちのセリフであろう!リーシュを傷物にしおって!」
えっ、まさかこの陛下、殿下と同じ…この世界にはチョロインと脳筋しか存在しないのか?
「おっ、やっと来たでおじゃるか」
なに、そのお腹?
「うむ、なんでも麻呂とソーヤの子供ができたらしいでおじゃるからな。至急用意したでおじゃる」
なに用意してんの?
「これで麻呂とソーヤは夫婦でおじゃるな」
「なに言ってんの?馬鹿なの死ぬの?」
アーチェの殺気が半端ない。
「さあ、結婚式の準備はできておるでおじゃるよ」
えー、これ結婚式の準備なのかー。で、誰と誰が?
「もちろん!麻呂とソーヤでおじゃる!!」
「ユーリ」
「なに?」
「さっさとセイカを見つけてずらかるぞ」
「うん!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「おい、聞いたか?なんでもソーヤとかいう奴、リーシュフェール姫様を傷ものにした挙句、結婚式をドタキャンしたらしいぞ」
「なんだとぉ!あのかわいらしい姫様をだとぉ!!」
「ああ、まだ年端もいかないというのに。なんたる外道!」
「どこだ!どこに居る!!この俺がまっぷたつにしてくれるわぁ!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
…なんかえらい騒ぎになってるな。ああ、もうオレ表を歩けねーなこれ。
「と、いうことはすべてフィフスの勘違いであったと」
「ちょっと考えれば分かるかトー」
「いや、お主ならば、少々常識ハズレでもやってしまいそうでな」
少々じゃないよね?というかどうしてそう思われてんの?
「よし分かった、我輩が直々にそのセイカという者に稽古をつけてやろう」
ええっ、陛下が?
「大丈夫なの?」
「なに、我輩も昔は教師になりたかったのだ。よい機会だ、うむ、かわいいのう」
そういってセイカの頭をなでる。
この陛下、もしかしてろりこ…
「これから毎日、王宮へ連れて来るのだぞ」
マジですカー。




