雨ならぬ雪降る睦月の物語_1
なんか色々設定間違えた…相すいません
――話は11月下旬まで遡る。言うまでもなく場所は101号室。ただし常より時間は遅く、23時過ぎ。なんとなれば、ユキさんと俺が22時までバイトだからだ。そして散会も早い。なんせ試験が近い。詳しく聞いたことはないが、それぞれに単位を落としている余裕などないのだろう、皆それなりに真面目だ。
それはともかく。
「カズミちゃんとたいちゃん、年末の帰省予定は?」
切り出したのは家主たる高瀬サン。ま、定番だ。
JRも都市間高速バスも、1ヶ月前から予約を受け付ける。盆暮れ正月は即行で予約が埋まる。で、こんなタイミングでの確認なのだろう。
「俺は盆同様、帰ってこんでいいと宣言されました」
「…ま、酪農業は正月も平常運転だろうしねぇ」
「三食昼寝できないなら、高い金払って長時間移動に耐える意味ないですよ。来年は祖母の回忌があるんで強制送還ですけど」
「ちなみに、いつ?」
「有難いことにGW中です」
「そりゃよかった…ってのも不謹慎か」
「や、もう17回忌ですから。単なる身内の呑み会ですし」
だからこそ、顔を出したくないというのもあるのだが。
「カズミちゃんは?」
「……年末年始は居残りですが。第2週の月曜前後2泊3日で出ます。あと、2月アタマ頃に1泊2日」
「また奇妙な日にち…って、あ、成人式か」
「気づかんでもいいんですけど」
佐伯先輩は激しくイヤそうな顔を隠さない。
「そいえば、髪伸びたよねー。いっつも短いのに。その為?」
そして高瀬サンも遠慮がない。
「…伯母が美容師でしてね。晴れ着用意するから来い、髪は切る
な、との厳命がありまして」
「ほー。カズミちゃんより強いとは凄まじい」
「いやもう高瀬サンに退治してきて欲しいくらいには」
「いやいや、俺よりたいちゃん連れてったら?」
「…俺は一体どんな扱いなんでしょう」
「諦めろ」
と、諦め顔の叶浦先輩にとぷとぷと高瀬さんの高級日本酒が注がれた。
「んじゃとりあえず二人とも年末年始はココなんだね? ならみんなで二年参りね!」
よし、参加者募ろう! と高瀬さんはノリノリで、問答無用。参加決定なのだろうその他俺以外2名はひたすら砂吐いていたりする。
…俺はちょっと楽しみだけど。
進みませんが、やっぱりまだまだ続きます