表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

『大事な物こそ傍に置くべからず』これは我が家の家訓の1つだ。

我が家は、現代では存在すら忘れ去られてしまっている武士の一族の末裔だ。

祖父はそんな血を誇りに思い、色々な事をよく話してくれた。病で死ぬときでさえ、武士道を貫き通した。そんな祖父を半分尊敬し、半分馬鹿馬鹿しいと思っていた。

俺の名前は、鳳宮たかみや 秀夜しゅうや。普通の高校生だ。

現代は文明が進化し、様々な技術が発達している。武士なんていう古臭い存在は、面影すら残っていない。

今日から新学期を迎えるわけで、高校2年がスタートしようとしている。

「よう秀夜。」

登校中、声を掛けてきたのは親友の葛木かつらぎ 統間とうまだ。

「なんだ。統間か。」

「おいおい。素っ気ないな。」

「金髪不良の帰宅部エースからのラブコールにお答えする余裕と勇気は俺にはねーよ。」

「それなら秀夜は帰宅部部長だな。」

そんなバカな会話をしている間に俺たちの通う、私立麗翔れいしょう学園に到着した。

教室に向かい、自分の席を探す。

一番後ろの窓際の席か。

着席し、ぼーっと窓の外を眺めていると、ざわざわと周りがどよめき始めた。

騒ぎの方向を見ると、1人の女子生徒が教室に入ってきた。

織城おりしろ 伽耶かや

美しい長い黒髪に、すらっと伸びた脚。息を呑んでしまうほど魅力的な体つき、そして端整な顔立ち。

誰が見ても文句無しの、美人で可愛い学園のアイドル的存在だ。

同じクラスみたいだ。しかも彼女が座ったのは、隣の席だ。

「お、おはよう。鳳宮くん。」

少し恥ずかしそうに挨拶をした彼女に、俺も返事をする。

「おう。おはよう。」

てか何で俺の名前を知っているんだ?

「何で俺の名前を知っているんだ?って顔だな。」

声を掛けてきたのは、統間と友人の遠山とおやま 陽助ようすけだ。ちなみに陽助は、長身の割りに影が薄い。

「どういう意味だよ統間。」

「秀夜。お前のことを知らない生徒はこの学園にはいないぞ。」

え?俺有名人?

「なんせ入学初日に遅刻してきて、ソレ持ってきたんだからな。」

統間が笑いながら指を指した『ソレ』とは俺の持つ、布に包まれた、長細い物体だ。

布の中には祖父が死ぬ間際に、俺に託したあるモノが入っている。

中のモノは秘密だ。

それに遅刻したのはたまたまだ。それには隣に座っている、織城にも関係がある。


あれはちょうど1年前の話だ。

満開の桜が沿道に咲き誇る入学式の日。とある理由で少し遅くなってしまった俺は、校門付近でうろついている女の子を発見した。

「どうしたんだ?」

「あ、あの。入学式がどこでやってるのか分からなくて。」

彼女を会場まで案内し、教室に荷物を置いたところで式を始めるチャイムが鳴った。

焦った俺は布に包まれた例の物を持ったまま、会場に向かってしまった。

当然教師達に捕らえられ、それが全校生徒に知れ渡った。

こうして有名人になった俺だが、そのときの女の子も別の道で有名人になった。

学園のアイドルとして有名になった、織城 伽耶だ。

そんなことがあったことも、彼女は忘れてしまっているだろう。

なんせそれから一度も顔さえ合わせていないのだから。

これが俺と彼女の最初の出会いだ。

初日を終え、下校することにした。


秀夜が下校しているのを遠くから観察する影があった。

「・・・。やはりあれか・・・。」

影はそう呟くと、姿を消した。

どうもはじめまして結月 鷹と申します。

今回からファンタジー系の物語を書かせていただくことになりました。

今回はプロローグということで、あまり話を進めずに、登場人物の紹介みたいな感じにしました。

時間があるときに書き、なるべく早く更新できるように努めさせていただきます。

今後とも、結月 鷹をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ