動き出す祟り
今回の小説の唯一のオリキャラです。かなり見苦しいかもしれません…。
妖怪の山 20:00(新月まであと3日)
「あれ、こんなところに諏訪子様の帽子が落ちてる。」
なぜこんなところに汚れた神の帽子が落ちているのやら?白狼天狗として妖怪の山の平穏を守る義務があっても神の落とし物を拾って届ける義理はない。
白狼天狗が帽子に背を向けた瞬間、ボロボロに見せていた帽子だったなにかは…
今日、また一匹の白狼天狗が行方不明になった。
【キヒッ!イヒッ!クヒヒヒヒ!!コレデ、ジュッピキメ!ウヒヒヒ!】
祟り神は白狼天狗を吸収した後、歓喜に満ちていた。やっと、ここまで力を増やすために意外と時間がかかってしまった。
あの猫の能力も案外捨てたものではないみたいで怨霊を操れるようだ。おかげで、吸収した白狼天狗を精神的に殺し、体から出た怨霊は閻魔の元に行かず、体内に再び宿し、また殺す。
(Qどこに白狼天狗を入れているか?
A考えるな、感じろ。)
かなり荒い方法だが更なる信仰の獲得のために天狗どもには働いてもらおう。自分に対する恐怖心こそが信仰となり、力となるのだから。
あの猫を刺し違え、ヤタガラスの制御棒で殴られたときは生きた心地がしなかったが、こうして力を増やせるようになれるとは思ってもいなかった。
それにしても白狼天狗は甘過ぎると思う。最初の一匹目はボロボロになっていた自分に無警戒で手を差し出してきた。それを吸収するのは実に簡単だった。だが足りない。たった白狼天狗10匹吸収しただけでは目的を達成するには足りなすぎる。これからも白狼天狗の吸収は続けなければ。
【来ルベキ日ニ備エヨウ。忌々シイ月光スラモ届カナイ我ノ為ダケノ時間ニ向ケテ】
洩矢諏訪子を吸収するために、帽子に宿りし祟り神は妖怪の山にかつてない祟りを振り撒いていた。
祟り神が諏訪子を吸収しようとするのは、本能的な何かだと思ってくれればいいです。
それと祟り神は月の光も太陽の光も苦手ということで、新月の日には本気を出せるということです