平凡?非凡?
平凡男子の日常です。暇つぶしになれば幸いです。
俺は、鳳 一騎14歳。中学2年になったばかりだ。
俺には二人の姉がいる。愛羅に麗羅という。二人は中学三年で、俺の一つ上だ。
なぜ、同じ学年かって?決まってる、双子だからだ。
見た目そっくりで、声も話し方も、しぐさも全てが似てて親ですら見分けがつかないほどだ。
でも、俺には分かる。ちょっとした表情とか、イントネーションとかそんなちょっとしたところだけどやっぱり違うんだ。
姉二人は父に似てふわふわの天然のウェーブがかった、やや色素の薄い茶色い髪。くっきり二重の美少女だ。性格は母に似て快活・明朗、成績は凄くいいというわけではないが馬鹿ではないみたいだ。
俺は、見た目は母に似て黒髪ネコ目のまあ普通な顔だと思う。
性格は父に似てるとよく母が言う。何考えてるか分からないとか、突然人が変わったように核心的な事を言ってドキッとするとか。よく自分ではわからないけど。
とにかく、普通。
でも、周りは少し騒がしかったりする。なんでかは自分でもよくわからない。
友達は男が多いけど、割と女の子も話し掛けてくる事が多い。もっと、イケメンがクラスにいるのに。
「ねね、いっくん。このシュシュとこっちのリボンどっちがいいと思う?」
ふわふわの髪を一つに結んで愛羅が選んでと言う。
「愛羅は可愛いんだから、どっちも似合うと思うけど。今日の髪型ならこっちのシュシュがいいんじゃない?」
一騎は臆面もなく愛羅を褒めつつ、聞かれた事に答える。
「やだぁ、いっくんてば。じゃあ、シュシュにしよっと。大好きいっくん、ありがとv」
上機嫌で再びドレッサーの前へと戻る愛羅を見て、満足げにうなずくと一騎はリビングへと向かう。
「ねね、いっき。これから愛羅と買い物行くんだけど、こっちとこっちどっちのスカートがいいかな?」
途中、麗羅に声を掛けられ部屋の中に招かれる。愛羅と同様に二択で迷っているらしい。
「ん、麗羅脚綺麗だしこっちのミニ可愛いと思うけど。愛羅と二人だけなら、危ないからこっちの膝上ワンピにしといたほうがいいかも。清楚な感じですごく似合うと思うよ。」
愛羅に聞かれた時と同様に麗羅にも真剣に答える。
「うん。じゃあ、こっちにする。へへ、ありがとvいっき大好きv」
とまあ、こんな感じで毎日何かしら相談に乗っている一騎。
素直に相手を褒めるため、言われた方は大変気分が良くなるようだ。
学校でも常にこんな感じで、女子を褒めているため非常に人気が高い。
顔は平凡な男子だが、言う事が非凡であるため何かしら理由をつけて話したがる女子が多いことに本人は全く気付いていない。
ただ、男子に対してはこの手の物言いはしない。
だって、めった男を褒めたって気持ち悪いだけだろ?