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第 8 話  いざ、楽園に。

 その日は、朝から厚い雲に覆われていた。

 せっかくの休日なのに、惰眠を貪ることもシャワーをサボることも出来なかった。

 そして……午前中の大半は、服に付いたクロコの毛取りで終ってしまった。

 ガムテープが1本無くなった。


 集合場所は私の店。

 遅れると思っていた二人の淑女が、30分も前から到着していた。

 行く気満々なのは、着ていた服の値段と入念な化粧で十分想像が付いた。


「私も、燕尾服を着ないとダメかな?」

 私は、大袈裟に肩をすくめて聞いてみた。

「日が暮れる前には帰りたいな」


 今日は、伊集院家と顔合わせだけの予定なのだ。


「マスターなら似合いそうだね」

 由香里が珍しく、ネイビーブルーのミニワンピースを着ていた。

 長く伸びた手足が、一段と際立った。

 地面に手を着かなくても股下を通れそうだ。


「あたしも、暗くなる前には帰りますよ」

 麗子は、鮮やかな黄色のミドル丈のパーティードレスを着ていた。

 エルメスのバッグと同色で、サスガに場慣れているようだった。

 


「あっ! 遅れてスミマセン!」

 拓人が時間ちょうどに到着した。

「おっ! 先輩、ミニスカートだ!」

 彼の服装は、スニーカーにジーンズ、そして厚手のチェックのシャツ。

 残念ながら、シャツをジーンズにINしてはいなかったが……

 迷彩柄のリュックを、はちきれそうに膨らませて背負っていた。

 何が入っているのかは、怖くて聞けなかったが……



 運転手は私、車は麗子のマグナレッドのベンツ。


 誰かが呟いた。


「いざ、楽園に」


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