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第 5 話  怪異

“助けてほしい”という言葉に、敏感に反応したのは麗子だった。


 濡れた手を拭きながら、真子の隣に早足でやって来た。

「どうしたの? 何か困ったことでもあるのかな?」

 義理と人情に厚い、昔気質の姉御だった。

 今でも律儀に、約束の皿洗いをしているくらいだ。

「マスター、助けるんでしょうね」 


 麗子の目が少し潤み、私を石化した。

 断れるのは、彼女の姑と……ペルセウスくらいだろう。


「詳しく話してごらん」

 私は思わず返事をした。


 真子は、恥ずかしそうにうつむいた。

 下を向きながら話すのは、彼女の癖だった。

 いつの間にか、彼女の周りにはスタッフが集まり、みんな真剣に聞き入った。



 内容は、彼女の家で起こる不思議な現象だった。

 ラップ音・ポルターガイスト・火の玉・ドッペルゲンガー、そして怪異の出現。

 真子が生まれた10年前から始まったそうだ。


 麗子は恐怖で青ざめていたが、由香里と拓人は落ち着いていた。

 一番冷静だったのは、真子だった。

 

「真子ちゃん、そんな所に住んでいて、よく平気でいられるね」

 拓人が半ば呆れて、そう言った。

「怖くないの?」


「私は慣れていますけど……」

 彼女は戸惑った表情を浮かべた。

「ただ……他の人が恐ろしがって……」

 

 彼女に恐怖を与えるモノ。

 それは……彼女自身かもしれなかった。


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