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第 1 話  自信と恐れ     『 Wheel of Fortune 』シリーズ 第二作目

「Chat Noir」の続編になります。

 

 風の強い一日だった。

 行き場を失った旋風が、薄いコートを翻し、落ち葉とタンゴを踊っていた。



 部屋に戻ると、黒猫が日差しを浴びて眠っていた。

 季節は春と夏の間、しかも昼下がり。

 まどろむには最高の時間だろう。

 春の女神は、睡魔を置き去りにして北の国に向かったようだ。


 本来なら、荒井麗子に引き取られているハズの黒猫。

 結局、私が預かることになった。

 理由は、言わず語らずだが……たぶん、皿の二・三枚でも割ったのだろう。


 部屋に、石鹸系の香りが残っていた。

 伊集院真子、どことなく大人びている少女だった。

 それは黒を基調とした服のせいでも、物静かな性格からでもなかった。


 魔法という大きな力を得た者は、自信と恐怖を知っている。

 何もしないで、自信だけが手に入る事はない。

 だが、力を使えば必ず周りに影響を及ぼす恐れがある。

 10歳で、自分と世界の関わり方に戸惑っていた。



 もう少し早く帰宅できたらと後悔したが……。

 この姿を見られなかった事を幸運にも思った。

 サハラ砂漠を歩いて越えても、こんな格好にはならないだろう。


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