第三十三話
王とは名ばかりのクズへの復讐を始める
俺達はクリアを解き段々と姿を表す
驚いた表情を見せつつクズが口を開く
「貴様らは何者だ!?兵士はどうした!?..............使えない兵士共め」
「僕たちが誰だか分からないみたいだね...........教えてあげるよ、、僕はアスルの王女だよ」
怒りを押し殺した様にヒタが言う
「アスル?あぁ、我らに逆らった愚かな国の事か.........」
「愚かですって?愚かなのはどっちなの?力に溺れて平気で人を殺す様なあなた達の方が!!」
リアが声を荒げる
『まぁ、落ち着けってリア.............まぁ、本題に入ろうか、ヒタ、リア、お前らはこいつに何を望んでるんだ?』
俺が言うと、少し静かになる二人
『まぁ、いきなり聞かれても困るだろうしな、少し考えてろよ。その間に俺はこいつと少し話してるから』
二人にそう告げて王の方を向く
『何でアスルを滅ぼした?』
答えは分かってるが一応聞いとこう
「そんなのは決まってるだろう、我が国に逆らったからだ。それより、貴様。我の下に付け、悪い様にはせん」
『ふざけんな!!』
「ぐふっ」
王の腹に蹴りを入れる
『逆らったから滅ぼしただと?お前何様のつもりだ?』
王様ですね、はい。分かります
『さっきからずっと気に入らねぇな。いっそのこと今ここで殺してやろうか?』
俺が殺気を込めて言うと王は「ひぃっ」と情けない声を出したあと黙り込んでしまった
『まぁ、次の質問だ。何故リアの家族を殺した?国民じゃ無いのか?』
さっきの殺す発言が効いたのかずっと黙っている王
「私が説明するわ」
そんな中でリアが口を開く
「私の母はこの国がアスルを滅ぼした時に起きたクーデターの主犯格よ。私が小さい時から自分の正しいと思った道は真っ直ぐ進んでいく人だったの。それで、その時もクーデターなんて起こして........」
リアの眼に涙が溜まっていく
「結局、そのクーデターに参加した国民はほとんどが殺されたわ。もちろん、母も。そして私の妹は殺され、大事な人を二人も失った私は殺されずに地下牢に閉じ込められていたの」
『そうか.........悪いなリア。嫌な事話させちゃったな........』
「べつにいいわ」
涙を拭いながら小さな声で言うリア
『悪いがもう我慢は無理だ。ウィン、ヒタ、リア、ちょっと待っててくれ、腐りきったこいつの精神を叩き直してやる』
銃を創りながら言う
『お前は本当にクズだな。とりあえず、ヒタやリアが味わった苦しみの分としてジワジワと死に近づいていってもらおうか』《パン!!》
そう言いながら王の右足を撃つ
「ぐあぁぁ」
痛みに顔を歪める王様
『まだ全然足りないぜ』《パン!!》
今度は左足を撃つ
『まだまだだな』《パン!!パン!!》
今度は両腕を撃つ
四肢を撃たれて、完全に身動きの取れなくなった王
『どうだ?痛いか?辛いか?なら安心しろ、もう楽にしてやる』
王の頭に銃を向ける
「ゆ、許してくれ。なんでもするから、頼む。許して《パン!!》」
王が話している途中で銃を放つ
しかし、その銃弾は王の頭では無くヒタの肩に当たった
『何やってんだよ!?ヒタ!!』
ヒタは俺が銃を撃った瞬間に、俺と王の間に入り銃弾に当たったのだ
銃弾に当たった肩からは赤い血が流れ出ている
「くろ.......もういいから.......これ以上やめて.......」
肩を抑えながらヒタが言う
『何でこんなこと........』
「これ以上やったら、この人が死んじゃう。もしくろがこの人を殺したら、くろもこの人と一緒になっちゃう。そんなの絶対いやだよ........」
ヒタが泣きながら言う
『ヒタ.........ごめんな。ありがとう』
ヒタの頭を撫でてやる
『んで、リアはどうする?』
「ヒタの言うとおり、もう十分よ.......」
『そうか.........良かったな、お前。みんな優しくて.......』
王の傷を治しながら言う
『いいか?もしこれから何処かの国を滅ぼしたりしたなんて噂を少しでも聞いたら、その時はお前を殺すからな。覚えとけよ』
王に向かって強い口調で言う
王は俺の言葉を聞き、数回頷いたあと色々と押し寄せて来たのか気を失った
『じゃぁ、行こうか。もう此処には用は無いだろ?』
三人とも頷く
『じゃぁ、行こうか。瞬間移動』
呟くと、国の近くの森の中にいた
「あれ?ここどこ?」
みんな驚いて居るが放っておこう
まぁ、あんだけやればもう大丈夫だろう
そう言えば、地下に仕掛けた爆弾どうしよう?
放っとけばいいか
次回はまだ新章へは行かず
別の視点での話にしようと思っています