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勉強会開始

一夜明け、時は進み、昼休み。

朝香は箱を持って5人を尋ねていた。

「よし、これで全員ね」

教室に戻り、自分の席についた、箱は机の上に置かれた。

「これは、何ですか?」

隣の席に座っていた夜月が訊ねる。

「何って、クジよ?」

「クジ……ですか?」

箱のある一面を夜月に見えるように回して置く。

そこには一週間の曜日と、朝香が尋ねた5人の名前が書かれていた。

今日からの一週間。つまりテスト一週間前の今日より朝香達の勉強会が開始される。

曜日の下に書かれた名前は、集まる部屋を提供する日を、クジで選んだ結果だった。

「後は、ココとココよ」

朝香が指さしたのは土曜日と日曜日の欄。

「確か、自分達でしたね」

「そうよ。私はどっちでも良いから、先に選んで」

「ありがとうございます。では……コッチで」

「じゃあ私がコッチね。よし、これで決まり」

空いていた欄に2人の名前が書き込まれ、表は完成した。

「しかし、テストですか……」

「不安?」

「最後に受けたのが外国へ行く前……の時で、自分にとって高校生初めてのテストですから、少しだけ……ですが、勉強会に出席していればその不安は無くなると思います」

「その通りよ。このテストが終わったら夏休みだし、頑張りましょ」

「はい。お互いに」





そして、勉強会が開始された。


一日目。

午後の授業が終わり、各々寮に戻った8人は、前田の部屋へと集まった。

最初に訪れたのは、

「じゃまするぜ、イチバン」

浜田だった。

「おぅ、学か。入れ入れ」

その数分後、

「おじゃましまーす」

「しまーす!」

波浜と明花が揃って訪れ。

更に数分後、

「おじゃまするわ、イチバン」

「おじゃまします。前田さん」

朝香、夜月の順番で訪れた。

「後2人だな」

そこから、数十分後。

「すまない、遅れた」

「こんにちは~」

高橋と稲荷が、揃って現れた。

「稲荷はともかく、やけに遅かったな栄太」

「色々あってな、駅の方に行っていたんだ」

「それで偶然会ったんだよ」

「ふーん、まぁいいや。もう皆来てるし、入れ入れ」





二日目。明花の部屋。

朝香達8人、彼らを頭の良い順番に並べると、

知識ある者と呼ばれている、浜田と高橋。

平均より上な、朝香。

平均クラスの、波浜と稲荷。

夜月は今のところ分からない。

そして、

「う~……」

「全然分かんねぇ……」

下位クラスの明花と前田。となる。

「全然分かんねぇ、じゃなくて、分かってくれ」

「そうよイチバン、テストで一番下取っても意味はないわよ」

今回のテスト。教科の点数下位10人は、夏休みの初め何日かを補修のために学校へ行かなくてはいけない。

「イチバンは部活もあるでしょ?」

「あぁ……それを休むわけにはいかない……」

「なら、頑張れ」

「おう……」


今回、全員は集まれず。集まったのは朝香、明花、浜田、前田の4人のみだった。





三日目。波浜の部屋。

「しっかし、アタシ達も頑張るよねー」

「とか言ってるアンタは、昨日来なかったじゃない」

「あはは~、ちょっと用事があってね」

現在部屋の中には、朝香、稲荷、波浜、前田、浜田、夜月の6人。

「全員が揃えたのは、最初だけだよね」

「そうね。昨日は半分だったわ」

「それ言ったら、栄太なんて2日連続だぞ? アイツ平気なのか?」

「別に、ここでしか勉強出来ないわけじゃないし。栄太ならお前と違って元が出来るから大丈夫だ」

「む、なんかカチンと来たぞ?」

「気にするな」

「確か、道場の手伝いだって聞いてるよ」

「あれ? 栄太の実家も、道場って聞いてるよな?」

「えぇ、それがどうかしたの?」

「いや、その手伝いに行ってる道場ってのが実家の道場なら、わざわざ寮で暮らす距離は離れてないってことだよな?」

「あー……そういえば、そうね」

「じゃあ、どうして栄太は寮で暮らしてるんだ?」

「そうね……たとえばだけど…」

朝香を中心に、稲荷、浜田、波浜の4人は話し合いを始めた。


「ん? 何の話してんだ?」

「気にするな」






四日目。高橋の部屋。


一人前になるまで戻って来るな!

「―――ということで話がまとまったんだけど」

「……違うぞ」

「ほらね、言ったじゃないナナ」

「お前も賛同してただろうが」

「うっ……」

本日は朝香、夜月、波浜、浜田、明花、高橋という6人が集まり、昨日の話し合いメンバーが揃っていたので、答え合わせをしてみた。結果は、ことごとく外れだった。

「その道場というのは、知り合いの剣道場でな、実家はもっと遠くにある。そこへは親が知り合いなこともあってよく稽古を受けにいっているんだ」

「へ~、さすが文武平等を目指してるサカエもんだー」

「はいはい、答えも分かったことだし、勉強するわよ」

「は~い……それにしても、全員は揃わないね~」

「浜田は毎日いるわよね」

「それを知ってるってことはお前もだろ」

四日目現在で、全ての会に参加しているのは、朝香と浜田だけである。

「まあね。明日は私の部屋だし、このまま行けば皆勤賞よ」

「そうか……頑張れよ」

「え?」

「ほら、勉強勉強」


そのまま浜田は集中し始めたしまった為に訊けなかったが、朝香は思っていた。

浜田は、何か隠してる。


それが分かったのは翌日のことだった。

昔に書いていたものをそのままお送りしようと思っているのですが、今考えると中々に変わった手法で書いてたりしたみたいで、ここで区切るかどうか少し考えましたが、この形にしました。

次はもう少し早くお届けできたらと思います。


それでは、

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